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無駄に動かさない

2017.08.15 21:49

私が一番気にする動きは代償運動です。

つまり一つの関節を動かそうと思った時にそれを助ける筋肉が過剰に働く運動のことです。

この動きを極力なくしたい!!


と思った時。

関節は殆ど動かない。

ということに気づきます。


動かないというより動かせないということです。

少しでも動かそうと思った瞬間に代償運動って働くようにできてます。

つまり関節は正常であろうと異常であろうと常に連動して働いているということです。

だから一つの動きしか考えないということはありえない。

なので、運動学でいう主動作筋というのは本来あり得ない。

ということです。


関連筋肉の動きを極限までなくそうとすると殆ど意識だけでしか動かせない。

つまり動かそうと思った。

ということしか純粋な動きはありえないということなんです。

初動の前の段階ですね。


ということは思うだけの方が他の筋肉と関連を持たないで動かせる。

ということが言えます。

カイロプラクティックでいうアジャストなんかも上手い術者は、調整する時に力を使わないで意識を使っているはずです。

関節を正確に動かそうと思ったら動かす前に動かそうと思わなければならない。

つまりイメージするということです。

強く動かそうと思った時とただ動かそうと思った時も全く違います。

ただ動かそうと思った時の方が筋肉の異常な緊張は緩みます。

思いにも種類があって、強く動かそうとする場合、術者の意図が働き過ぎて反発します。

ただ動かす。

これが重要なんです。

ポイントさえ把握できれば、スイッチを押すようなものです。

強い思いはミサイルを投げつけようとするようなものです。

ミサイルは飛ぶはずありません。

大事なことはミサイルを発射するスイッチを押すことです。

子供でも押せます。

力なんか全く必要ない。


これは鍼をうつ場合も同じです。

思いを強くすればする程相手の身体は反発します。

そうした方が良い場合もあるかもわかりませんが頻度はかなり少ない。

だから鍼を打って意識を集中してもあまり動かない。

捻鍼しながら意識を込めるみたいな手技もありますが、ミサイルを手で倒そうとしているようにしか見えません。

それより鍼を打つ瞬間に一瞬思いを伝えた方が余程動く訳です。

というより診断が正しければそれ以上の力や思いは必要ないということです。


よくイメージングが大事と言われました。

例えばお金持ちになりたければお金持ちになったことをイメージしなさい。

とかね。

それで絶対にうまくいった試しはありません。

これっていくら思いを強くしても弱い思いだからです。


お金持ちになって何をしたいのか?

これを関連付けてイメージングしないと何もはじまりません。

治療も同じです。

ただ病気が良くなるというイメージングは弱い。


何々がどういう状況だから、ここをこうするようにイメージングした。

これの方が余程具体的なイメージングができます。

だから診断が一番重要なのです。

診断が曖昧だと身体は動きません。

刺激することが身体を動かすのではありません。

この明確な思いがしっかりしていてこそ相手の身体に思いが通じるのです。


治療は思いを通じさせなければならない。

そのためには何がどうなっているのかを把握している必要があります。

それができなきゃ治療にはなりません。

治療時間でも刺激量でもない。


思いです。

それが明確なら治らないはずのものが自然に治っていく。

という訳です。