絞り『F』の数字と写真の違いを検証。
タマツユの中に、電車を入れて撮りました。
タマツユの中には、上下反転して映り込むんですねー、なので電車がさかさま*^^*
キャノンEos7DmarkⅡと単焦点100mmマクロレンズとマクロ三脚を使用しています。
マクロレンズは被写界深度が浅い、つまりピントが合っている奥行の幅が狭い ことが魅力なのですが、被写界深度を左右する絞り値の影響はどんなもんなのか、検証しました。
絞り値、F値はおなじ。
光がカメラに入ってくるレンズの中の径が狭ければ、絞り値は大きい、F22.0とか。
光がカメラに入ってくるレンズの中の径が広ければ、絞り値は小さい、F1.4とか。
目が悪い人がさ、目を細くしたら見えやすくなるあの仕草と同じで、ギュッと小さくするとピントが合いやすくなる、被写界深度が深くなる、のですよ。
簡単に説明しようとしてもややこしいかな^^;
たくさん撮ってたら、感覚で分かってくることなので、撮り比べてみてくださいね。
あ、話は戻りまして汗
上の写真は絞4.0、絞り優先モードなので、シャッタースピードはカメラにお任せです。
写真のイメージを被写界深度で決める私は、いつもこの絞り優先AEというので撮ります。
絞り4.0というと、割と普通の絞りの値ですが、背景に何があるのかわからないくらいボケてますよね。
これを何が後ろにあるのかわかるように撮るには、絞り値を大きくするのです。
絞り値を大きくすると、被写界深度が深くなる、つまり手前から奥までピントが合っている方になります。
絞り値を8.0、ほかは全て一枚目と同じです。
後ろにある電車の模型の窓がすこしクッキリしてきましたね。
でもまだ電車かどうかまではわからないかな。
絞り値を13.0、ほかは全ておなじ設定で撮ったもの。
絞り値は、大きければ大きいほど被写界深度が深くなるわけではありません。
8.0~11.0がいちばん被写界深度が深いと言われています。
それより大きくなると意味がないか、はたまた回折現象といって、逆にピントが合わなくなると言われています。
なので絞り過ぎにも注意です。
といわけで今回は、↑こちらの13.0が絞り値の上限。
背景の電車のディテールはちょっと出たかな。それよりも、タマツユの形がクッキリしているところと、タマツユの中の電車がクッキリ写っているのがいいですね。
ですが背景がクッキリしてくると、タマツユの存在感が薄くなるのも事実。
そのあんばいを決めるのが『個性』かと思います。
↑一枚目の絞り値4.0です。
ね、タマの輪郭がぼやっとしてるよね。けど電車はどうかはわからないくらい。
もーっと絞りを小さくして、このレンズのマックスの2.8で取るとこんな感じ。
葉っぱの手前の方もボケました。
ここまでボケると人間の目は、ピントの合っているところに自然に目が行きます。
タマツユの中の電車ですね。あと葉っぱの毛かな。
被写界深度の浅さは、見せたいものを強調する効果があるのです。
さて、同じ構図で絞り値だけを13.0・8.0・4.0・2.8と変えて4枚並べてみましたが、どれが一番好きですか?
その答えを持つことが、自己表現とか個性とかなんじゃないかな、と思っております。
その答えは、なかなか難しい、けど楽しいものだとも思っております^^
お粗末なお写真で語ってしまってごめんなさい。
マクロレンズの絞り値検証はここでおしまい。
つづいて標準ズームレンズの絞り値のプチ検証。
タマツユの中の電車をご紹介を添えて^^
タマツユの中の電車はね、朝ドラ『あまちゃん』で有名になった、北三陸鉄道のお座敷列車です。
タマツユの中に入れて欲しいと、コレクターさんからお預かりしてるお品です。
時間あるときでいいから、に甘えてなかなか進んでなくて申し訳ございませんです^^;
模型といっても作りは精密なので、撮るのが楽しくなる被写体です。
模型の写真はマクロレンズではありません。
絞り値も5.6なのでそれほどボケを出そうと狙ってる値でもありません。
ですが、けっこうボケてるでしょ、被写界深度が浅いでしょ。
それはね、電車の近くで撮ってるからです。
被写界深度を浅くしたいとき、絞り値を小さくすることだけが唯一の方法ではないのです。
なるべく撮りたいものに近づく。
望遠レンズを使う。
撮りたいものの背景が遠いほど、背景はボケる。
プラス絞り値をなるべく小さくする。
この組み合わせが多ければ多いほど、被写界深度は浅くなります。
ちなみにここで使用している100mmマクロレンズは、ほぼすべての条件を満たしているので、被写界深度がすごく浅くなる、というわけなんですね。
まとめ。
何が言いたいかというと、被写界深度を浅くしたいなら、高価なレンズを買う前に、いくつか試して欲しいことがある、ということです。
望遠レンズをつけて、三脚で固定して、ちょっと遠くからになるけど、撮ってみたら、マクロチックな写真が撮れます。
いつものレンズでも、限界まで近づいて、なるべく焦点距離を大きいほうにしたら、絞り値がそれほど小さくなくても結構背景はボケます。
スマホでもマクロ機能を効かせて、近づいて撮ったら、背景をボカすことができますから。
上記の組み合わせをできるだけ試して、どうしても撮りたいような被写界深度にならなかったら、
・明るいレンズ(絞り値が小さいレンズ)を買う。
or
・マクロレンズ(接写レンズ)を買う。
という流れでレンズを購入すれば、レンズを最大限活用することにつながるのではないかと思います。
100mmマクロレンズ、買ったはいいが使わなかった、という悲劇の多いレンズかもしれません。中古でもキレイなお品が多いですし。
カメラもレンズも撮る人も、撮られるものも人も、みんなが幸せになるような、理想的なカメラライフを目指していきたいです。