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WUNDERKAMMER

山中の張り紙

2017.08.18 09:27

今から5,6年前の話。

夏休みを使って毎年遊びに訪れていた祖父の家は宮崎県の山中にあり、よく川遊びをして遊んでいました。


川べりの岩の上でモリ付きで遊んでいた時の事。

あまり人も来ないような場所だったのですが、ふと気づけば上流に二人の、小学生くらいの子がいます。

村の小学校は廃校になっているので珍しいな、と思っていると程なくして子供たちは川を上っていきました。

しかし自分が遊んでいた場所はかなり上流の方で、車で山を登らないと来れないところです。

不思議には思いましたが、もっと上の方に親御さんがいるのだろうと考え、自分も帰り支度を恥じ雨ました。


荷物を置いてある木陰で着替えをしていると、一本の木に古ぼけた奇妙な張り紙がありました。

ラミネート加工されており、写真がプリントされてあります。


写真は母らしき女性と子供が二人並んでいます。

その下に「この子達を探しています」の一行。

奇妙なのは、その写真の女性の顔部分にペンらしきもので黒く塗りつぶされており、二人の子供の顔にはヤスリにかけたように古ぼけていました。

かすかに確認できる子供の髪型が先ほどの子供と同じ髪型の気がして、余計に不気味に感じます。


急いで祖父のところへ行き張り紙の事を聞いてみました。

しかし、何も知らないとの事。

小さな村です。子供が行方不明になったら必ず耳に入るはずなのですが・・・。


その張り紙を見た翌年、正月のあいさつをしに祖父の家を訪れました。

お酒を飲んでいた祖父がふと、例の張り紙の話をしました。

「お前が言っていた張り紙、あったから取っておいたよ」と言い、張り紙を見せてきました。

恐怖半分、好奇心半分、恐る恐る見てみると例の張り紙でした。しかし一つ変化している所が。


「この子達を探しています」と書いてある文字の上から赤い字で

「見つかりました」と上書きされていました。


いたずらにしてはあんな人気のない場所でする必要はありませんし、本当に人探しだとしても山奥の一本の木だけに張り紙をする必要もないと思います。

いまでも何があったのが、どういう意図なのかは謎のままです。