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あの夏の日の懺悔

2017.08.18 13:37

20代前半の頃、酒を毎日浴びるように飲んでいた時期がある。

出る尿は真っ赤に染まっていた。

酒に溺れたのは現実を忘れるためではなく、現実を味わいたかったためだ。

そんな日々に出会った女がいた。

2、3歳下だったと思うが正解な年齢は分からず、

名前も偽名だったと思う。

由来は忘れたが、私はまゆこと呼んでいた。

たまに会うと二人で吐くまで酒を飲んだ。

ある日池袋で飲んだ帰り道、ガード下でギターの流しをしている青年と仲良くなった(酔っ払らった俺と彼女が青年にギターを弾いてもらい叫んでいただげだが)。

深夜になり迎えにきた青年の彼女と合流し、その青年のアパートに泊まらせて貰った。 

アパートに風呂場はなく、トイレは共同だった。

画家を目指しているという彼女の油絵が、部屋の大半を占めていた。

夜の記憶はない。

朝起きて、写生しに出かけるという彼女とともに、私達は部屋をでた。

またね、と軽く挨拶をして、青年の彼女とも別れた。

我われも帰ろうと駅に向かう途中で、まゆこがポケットから、一体の仏像を取り出した。 

部屋にあったから・・・

という。

まゆこには盗み癖があった。

仕方ないので、仏像をとり、青年のアパートに戻り部屋のポストにいれてきた。

当時、まゆことは付き合っていたわけではなく、身体の関係はない。

正直にいうと、一度もとうとしたが、私の部分が機能しなくてしなかった。

裸になりまゆこを抱きしめていると、自分とうりふたつの魂を抱きしめている、そんな気分だった。

あの頃を思い出すと、何故かはわからないが、何かに懺悔したくなる。

まゆこにでもなく、出会った青年にでも、その彼女にでも、もちろん自分にでもない。

しいていうなら、私は天にむかってあやまりたい。