2017年第99回高校野球選手権結果予想
夏の音といえば蝉の声、そしてカキーン、と小気味良く太陽照り輝く空へボールを飛ばすバットの金属音を真っ先に思い浮かべるわたしは、普段プロ野球にまったく興味を示さないくせに高校野球観戦は子供の頃から大好きだ。
甲子園が地元に近いということもあって全国の高校野球児達をそこここで見かけるのも珍しくなく、学生時代の夏は友人達と連日甲子園に足を運んだ。
今はさすがにアラフォー近くなり、体力の衰退からテレビ観戦を余儀なくされているが、仕事の合間にもネット中継を見たり相変わらず春と夏、一瞬の勝負にわたし自身も一喜一憂している。
出場校の中でもやはり、近畿勢の応援には特によねんがないが、母方の田舎が仙台ということもあって悲願の東北地方初優勝を早く見たいという気持ちも強い。
太平洋戦争によって2回中止されたため大会としては今年で99回目を迎える夏の高校野球選手権大会だが、その歴史が始まったのは101年前、まだ出場校は『高校』ではなく『旧制中学』だった。
伝統ある青春の戦いは来年で記念すべき100回を迎える。その最初の大会で秋田県の学校が準優勝に輝いたのだが、まさかそれから100年で一度も東北地方の優勝は実現されないと誰が予測しただろうか。
優勝実績のなかった北海道にも2004年、苫小牧が初優勝旗を持ち帰り、今度こそ東北地方!という期待をかけられ続けて13年。2年前には仙台育英が決勝戦まで進んだが決勝敗退でやはり準優勝。
どうしても後一歩のひと押しがない東北地方の代表校だが、2017年はくじ運もあるのかベスト16になんと4校も残っている。中でも盛岡大付属と仙台育英は甲子園の実績も高く優勝の可能性が大いに考えられるが、その仙台育英は明日(8/18)、優勝本命校と名高い大阪桐蔭との大一番。ここで勝てばかなり優勝への道が大きく開けるような気がするのだが、どうなることやら、前日の今からワクワクしてたまらない。
ちなみに、個人的に近畿勢も応援したいので仙台育英と大阪桐蔭の勝負は非常に悩ましいところである。可能であれば決勝の場で見たかった対決だが、ここはあえての仙台育英応援ベースで試合観戦を楽しみたい。
ちょうど、先ほど17日の全試合が終わり、二回戦から参加している学校は早々とベスト8進出を決めた。
明日18日は3回戦、19日には準々決勝が順次試合が開催される。
二回戦目からの参加校は準決勝までに一日休みがあるのに比べて、18日に三回戦を行う学校は、休みを取らないまま翌19日に準々決勝に挑まなければならないためハンデがあるような気もするが、いかがなものか。
勝利予想はこのあたりの条件的なものも含めて行っている。
東北:3校
盛岡大付(岩手)仙台育英(宮城)聖光学院(福島)
試合の組み合わせなどもあってかベスト16まで青森山田(青森)を含めて4校が勝ち進んでいたが、青森山田が三回戦で東海大菅生(東東京)に負けて3校に。
この中で今年、特に注目を浴びたのは宮崎県の聖ウルスラ学院と対決した聖光学院ではないだろうか。福島の代表校としては11年連続の甲子園出場、『聖戦』とSNS上で大いに盛り上がったウルスラ戦を勝ち抜いてベスト8に勝ち上がっている。聖光学院と聖ウルスラ学院は共にキリスト教系の学校ながら、カトリック・プロテスタントと宗派が異なり、たまたま今年はプロテスタント派を築いたマルティン・ルターが宗教改革を行った年から500年と不思議な符号(こじつけだが素晴らしいこじつけwww)で『宗教戦争』などとも呼ばれ話題となった。
しかし三回戦以降、盛岡大付は愛媛の強豪・済美と、仙台育英は大阪桐蔭と、聖光学院は広陵と、全てが強豪校との戦いとなるためベスト4に残るのはかなり厳しい。昨年夏優勝の作新学院を初戦でやぶった盛岡大付が1番期待出来そうである。
関東:3校
前橋育英(群馬)花咲徳栄(埼玉)東海大菅生(東東京)
東海大菅生は二回戦目からの参戦となり、次戦が準決勝になるため戦力や体力を若干温存できるベストな試合配置となっている。
東東京の予選で清宮選手率いる早実に勝った実力校だが、甲子園では初戦から強豪校同士がぶつかる中で、二回戦の相手が富山の高岡商業、三回戦の相手が青森山田と、けして弱くはないが優勝候補からは少し外れるチームとの対戦になり、選手同士のレベルの差を感じさせる試合はこびを見せてくれたように思う。
今年の東海大菅生は打てるし守れる隙のない戦いをしている。準々決勝の相手は四国の公立、三本松。勝てる要素しか見当たらないくじ運の強さもあり、今の段階でわたしの中では今年の優勝候補ナンバーワンとなった。
一方、順当に勝ち進んだ結果、三回戦目で少し勿体無さを感じる対戦になってしまったのが群馬の前橋育英と埼玉の花咲徳栄。せっかくの関東二校がここでぶつかってしまう。個人的に埼玉県は実のところいまだ夏の甲子園で優勝旗を持ち帰ったことのない県なので花咲徳栄に頑張って欲しいところだが、前橋育英には注目の投手もおり、その戦いは厳しいものになりそうである。
近畿:2校
大阪桐蔭(大阪)天理(奈良)
初戦、大阪桐蔭は鳥取の米子松蔭をなんなく退けた。二度目の春夏連覇を狙う優勝最有力候補校である。
しかし、米子松蔭との戦いでは戦力を温存したのか、いまいち調子が整っていなかったのか、圧倒的な強さを見せることがなかったように感じる。
今年の大阪桐蔭は初戦こそ格下相手だが、二回戦では甲子園常連校の智弁和歌山とあたり、辛くも勝利、少し苦戦したのではないかという風にみえなくもない。
さらに勝ち上がった三回戦、準々決勝ではこれまた強豪校の仙台育英とあたってしまう。
2017年センバツで見せた強さがあれば仙台育英さえもなんなく下しそうだが、まだこれまでの試合を見る限り本領発揮しているようには見えないため不安が残る。
天理は二回戦で同じく近畿勢の神戸国際大付を下して三回戦目に出場。甲子園優勝経験もある高校だが神戸国際大付との試合を見る限り、今年の優勝には手が届かなさそうだが、準々決勝の相手は大分の明豊高校なのでベスト4進出の期待はかけられそうだ。
中・四国:3校
広陵(広島)三本松(香川)済美(愛媛)
広陵高校は初戦から強豪、愛知の中京大中京を下し、二回戦では優勝候補とも言われていた熊本・秀岳館を下した。
ここまで二度の試合がどちらも決勝、準決勝レベルの対決だっただけに、準々決勝であたる福島の聖光学院との戦いでどれだけ力を出すか、または温存するかで勝負の行方が決まるだろう。
三本松は二回戦から参加の公立校であり、試合前にそれほど期待をかけられていた学校ではないが、西東京代表の二松との「松松戦」を勝ち抜いてきた。
しかし準々決勝の相手は早実をやぶった東東京代表の東海大菅生。ここで連続東京二校をぜひ追い込んで欲しいところだが、東海大菅生に対しては力不足のような気もする。
ところで、今年の甲子園は『聖戦』といい『松松』対決と言い、なんとなく偶然の結果とはいえセンスあふれる対戦が多い。
四国は四県しかないが、2校進出。『24の瞳』の影響か(古いな)四国は伝統的に高校野球は強いイメージがある。
九州:1校
明豊(大分)
今年は初戦から強豪のぶつかり合いが多く、優勝候補だった熊本・秀岳館は二回戦で敗退。福岡の公立・東筑や佐賀の早稲田佐賀も初戦で敗退し、残った九州勢の中で三回戦に進んだ大分・明豊と鹿児島の神村学園は同地方での潰し合いとなってしまった。
九州勢では唯一の進出校となった明豊、準々決勝では奈良の天理とあたる。天理との力は互角、九州勢のベスト8進出は頑張って欲しいが近畿住まいとしてはやはり近畿勢を応援することになるだろう。
2017年夏の高校野球、準々決勝以降を大胆予測!
勝ち上がってきた高校をそれぞれ並べたところで、最後に三回戦以降の試合を予想してみたい。
まずは8/18(土)から。
※勝利予想は☆印をつけている。
第1試合:
済美(愛媛)ー盛岡大付(青森)☆
どちらも甲子園常連校のイメージだが、昨年優勝の作新学院をやぶった盛岡大付に期待の一票。
そういえば準決勝以降の試合は再抽選なんだろうか?
第2試合:
☆前橋育英(群馬)ー花咲徳栄(埼玉)
花咲徳栄は未優勝の埼玉県代表校、実力はあるが今年の前橋育英は攻守ともに落ち着きがあり、優勝にも近い。かなり洗練された隙のない戦い方をするので堅く勝利を上げそうだ。
第3試合:聖光学院(福島)ー広陵(広島)☆
おかやま山陽(岡山)、聖心ウルスラ(宮崎)をやぶってきた聖光学院と、中京大中京(愛知)、秀岳館(熊本)の強豪校2校を勝ち抜いてきた広陵、くじ運もあるのだろうが対戦相手のレベルが違いすぎて逆に読みにくい試合である。広陵の疲弊がどの程度か気になるが、順当に行けば広陵有利だといえるだろう。
第4試合:
☆大阪桐蔭(大阪)ー仙台育英(宮城)
学校名に地名がつく同士の戦い、8/18最注目を浴びる試合となること間違いなし。優勝本命校と強豪の一騎打ち、勝利の女神はどちらに微笑むのか。
先だって述べたように、地元に近い近畿勢の大阪桐蔭はもちろん応援したい反面、田舎が仙台だけにいつも応援している仙台育英に東北初の優勝旗を持って帰ってもらいたい気持ちも大いにある。
勝利予想としては、やはり大阪桐蔭が手堅く勝つと考えられ、実力勝負という面では仙台育英は準々決勝で厳しい相手にぶつかったとしかいえない。ただ、仙台育英も守備が堅くミスの少ないプロ系の試合をする点が特徴的で、大阪桐蔭とは似通った部分の多い戦い方である。また、大阪桐蔭は今年の甲子園で、まだ爆発的な力を見せていない。これが抑えているだけなのか、調子が上向きでないのか。どちらなのかはこの試合を見れば分かるだろう。
履正社など甲子園優勝候補レベルの高校が揃う激戦区の大阪予選よりは楽に勝てたであろう米子松蔭(鳥取)との初戦は大阪桐蔭の圧勝になるかと思いきや、やや力を抜いているのかと拍子抜けするアッサリとした戦いぶり。二戦目は歴戦の勇者、智弁和歌山との試合で守りの硬さを再認識させられたが、初戦と二戦目の対戦相手のレベル差もあり、実際の大阪桐蔭がどのような調子なのか読めない。
三回戦となる対戦校の仙台育英は実力的にも遜色ない相手であるから、この試合の戦い方次第で大阪桐蔭の状態が判断できるのではないだろうか。
一方で、今のところ大阪桐蔭に爆発力が見受けられないため、大量得点にならない結果が力を抜いているわけでなく調整不足なのであれば、仙台育英にも勝機はみえてくる。
決勝進出までの見通しが立てられる試合という点でも、全国の高校野球ファンが何より観たい試合だと思う。
これまた土曜日の第4試合という観客泣かせの時間帯にスタートする決戦、明日の甲子園も朝から満員になること間違いなしだ。
続いて8/19(日)の準々決勝を予想してみよう。
第1試合:
三本松(香川)ー東海大菅生(東東京)☆
二回戦から参戦した高校は、中1日休養日を置いての準々決勝。
今年の東海大菅生は、甲子園常連校で優勝候補、さらにプロ注目の清宮選手を抱えた早稲田実業を予選でやぶって甲子園に出場してきたこともあり、攻守ともにバランスが良い。ミスもなく隙がないのに相手のほんの少しの隙を見逃さないため、確実に点数を稼いでいく。
前評判はそれほどでもなかったが、くじ運の良さもあり一気にベスト8へと躍り出た。この調子だとベスト4進出は間違いなさそうだが、公立校の三本松がいかほどに東海大菅生を相手どるか監督の手腕が見ものだ。
勝利予想は順当にいって東海大菅生に白星をつけたが、東海大菅生が出てくると何故か『早実をやぶった』『清宮に勝った』など甲子園に出ていない早実の話題を解説者やアナウンサーがすぐに持ち出してくるのには辟易とする。このまま東海大菅生が準決勝、決勝とすすむたびに甲子園にいない早実の話題を耳にするのは面倒なので、奇跡が起きるなら三本松に勝って欲しいところではある。
第2試合:
☆天理(奈良)ー明豊(大分)
近畿勢(神戸国際大付)をやぶってベスト8に進出した天理と、九州勢(神村学園)をやぶって出てきた明豊、どちらも8/17の二回戦では延長戦を勝ち抜いている。
疲労度はお互い様、というところで実力勝負が出来るのは恵まれているといえるだろう。
実績や二回戦の戦い方をみる限り天理が有利だが、大阪桐蔭のようなズバ抜けた強さのある学校ではないため、戦い方次第で明豊にも勝機はある。
第3試合以降は前日試合をした8校のうち、勝者4校がぶつかる。
二回戦から参加している高校より、基本的な実力は初戦からの参戦校の方が高そうだ。高校野球は一度限りの戦いであるだけに実力以外に運も必要。そういう意味では二回戦からの参加校はより、優勝に近い気がするのだがいががなものか。
ちなみに、勝手にベスト8と準々決勝以降の予想もしておく。対戦カードはおそらく準決勝以降再抽選となるだろうから組み合わせ自体も予想でしかない。
ベスト8進出(決定)
東海大菅生・三本松・天理・明豊
ベスト8進出(予想)
盛岡大付属・前橋育英・大阪桐蔭・広陵
この予想だと東北1、関東2、近畿2、四国1、中国1、九州1とかなりバランスが良い。
準々決勝(決定)
東海大菅生ー三本松
天理ー明豊
準々決勝(予想)
盛岡大付ー前橋育英
大阪桐蔭ー広陵
ベスト4進出(予想)
東海大菅生・天理・前橋育英・大阪桐蔭
松松勝負やら聖戦の起きた今大会だと、ついでに大阪桐蔭が仙台育英に負けて仙台育英がベスト4進出、準決勝で仙台育英と前歯育英の育英対決が実現する可能性も考えられる。
そうなった場合、2ちゃんねるの盛り上がりが楽しみである。
準決勝(組み合わせも予想)
東海大菅生ー天理
前橋育英ー大阪桐蔭(仙台育英!?)
決勝
東海大菅生ー前橋育英
根拠は何もないが東海大菅生のくじ運の良さからいって、大阪桐蔭が勝ち進んだ場合、決勝まで大阪桐蔭には当たらないような気がする。そして今大会、抜群の安定を誇る前橋育英がおおきく大阪桐蔭の前に立ちはだかるように思えるのだ。
もし、花咲徳栄と前橋育英戦で前橋育英が勝ち、大阪桐蔭と仙台育英の勝負で仙台育英が勝てば育英対決も期待できる。
また、大阪桐蔭が勝ち進んで準々決勝で広陵と当たった場合、広陵も強豪に競り勝ってきているため広陵が勝つ可能性もけして低くはない。
広陵がベスト4に進んだら、そのまま決勝まで進む予感がしてならないのは何故だろう。そう思わせるほど、今年の広陵は勢いがある。
それにしても、準々決勝まで組み合わせが当たれば、広陵が茨の道過ぎて笑えるレベルのくじ運の悪さといえる。初戦で中京大中京、二回戦で秀岳館、三回戦は聖光学院だが準々決勝で大阪桐蔭とあたったら、ほとんどすべての試合が決勝レベルの高校との対戦だったということになる。
逆にこの対戦校レベルで準決勝まで勝ち進んだらある意味、優勝より価値ある結果だと思うほどだ。なぜなら広陵は初戦の相手が甲子園常連校の中京大中京、二回戦で優勝候補の秀岳館と激突しているからだ。
疲労度を考えると、この組み合わせを勝ち抜いても決勝までスタミナを温存するのは相当難しいだろう。
そう考えると、選手の力を温存できるという点で東海大菅生と天理は有利である。
わたしの予想では東海大菅生が2017年夏の甲子園優勝校だが、夫は前橋育英だといっていた。何れにしても、初戦から強豪校と当たりまくる広陵、三回戦以降優勝候補と真っ向勝負しないといけない東北勢、同地域での潰し合いが多かった近畿勢や九州勢に比べると、今年も関東有利に進んでいきそうな気がしてならない。
準々決勝以降、わたしの『予想』ではなく『希望』を書いてこの記事を締めようと思う。
☆希望☆
三回戦
大阪桐蔭に仙台育英が勝つ
準々決勝
仙台育英が勝つ
準決勝
前橋育英と仙台育英の育英対決。
仙台育英が勝つ
決勝
東海大菅生ー仙台育英
仙台育英が勝ち、初の東北地方優勝。
…なんてことになったら興奮するんだけど。
大阪桐蔭は春夏連覇をかけての出場で前評判も異様に高いので、仙台育英が大阪桐蔭に勝てばそのまま勢いに乗れるんじゃないか、なんて思っている。
仙台育英が勝てないなら大阪桐蔭、やっぱり二度目の連覇を果たして欲しいなぁ。