季節は、どこにある。
2022.05.22 14:35
少しだけ、切ないお話です。うん。ほんとに。
僕の住んでいる町内会には、千住っぽさが満ち溢れる
甘くて酸っぱい「昭和の商店街」がある。いや、あった。
大踏切(北千住駅)から、東武(牛田駅)の踏切までの
一方通行の商店街は、とてつもなく優しくて、お節介で、
青空も、夕やけも、雨の日も独特の風情があった。
季節の移り変わりを意識しなくても、軒先からは素肌で
四季を感じとれる、懐かしいような香りがしていた。
立派な銭湯も、小さなお花屋も、お豆腐屋も、甘味処も
マンションになった。
お総菜屋も、カメラ屋も、文房具屋も、魚屋も、駄菓子屋も
薬屋も、金魚屋も、本屋も、肉屋も、スーパーも、今はない。
これで良いとは思ってはいないが、良くないとも思っていない。
そして、今日の午後「町の時計屋」が閉店することを知った。
これは、正直言って厳しいよ。困るよ。なんでだよ。
こんなにも、素敵な昼下がりなのに、目の前が真っ白だ。
おじさんとは、41年くらいのお付き合いなのに…。
僕は、これから、どこにオーバーホールを頼めばいいのか…。
また、ひとつ「町の香りが消えてゆく」
最後に、おばちゃんから自宅の電話番号を教えてもらった。
少し途方に暮れながら、なかなか開かない踏切へと向かった。
※写真は、
千住東町商店会(http://senju-azuma.sakura.ne.jp/shop/shop24.php)より。