ゼロから始める経営学 Vol.29
第3章 イノベーション経営の戦略と組織
3 企業の研究開発とその成果
・製品イノベーションの担い手は、専門家集団の組織に移行し、企業の成長を担う新製品が組織的な編成と開発体制と一定のスケジュールのもとに繰り返し生み出されるようになった。これは「イノベーションの制度化」と呼ばれる現象である。
(1)デュポンによるナイロンの発明と事業家
・組織化された研究開発体制は、やがて製品イノベーションの画期的成功事例を生み出す。世界初の合成繊維、ナイロンをデュポンが発明し、その事業化に成功するのである。
(2)中央研究所の時代
・デュポンの成功に刺激され、企業内に本格的な研究開発体制が続々と作られていくのである。
・基礎研究から応用研究を経て技術開発へさらには工業化へと知識生産が一直線につながっていくという意味でリニアモデルとも呼ばれる理論への信奉がったことは明らかである。リニアモデルの信奉は、自己完結的な研究開発体制を各社にそれぞれ構築させることを通じて、イノベーションに対する閉鎖的な取り組みを助長していく。こうして「中央研究所の時代」が到来するのである。
(3)企業による基礎研究
・研究開発だけでなく、さらに基礎研究、すなわち純粋に知識獲得を目的とする研究活動に従事する企業例が出てきた。
4 新たなイノベーション課題
(1)新型イノベーション
・近年ではまず新興国・後発国で製品開発し、これを後に先進国に展開するイノベーションが重要課題として浮上してくる。これをリバース・イノベーションと呼ぶ。
(2)リバース・イノベーション
・実践する上での難しさの一つはイノベーションの担い手達のモチベーションである。
・少なくとも部分的・表面的には「技術の進歩」寄与する営みに見えるからである。
・この問題を克服する為には、リバース・イノベーションそれ自体がポジティブな価値を持った経営に対するインパクトの大きいイノベーションであるとの認識を共有して、出発点を共有することが大切である。
(参考)経営学 入門(下)