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ニクソンの『指導者とは』を読んで思うこと

2017.08.20 16:57


父に勧められて、リチャードニクソンが残した「leaders」の日本語訳の書籍を手にとった。

昔から経営本やリーダー論、戦略などに興味をもつ父にとってはハマってしかたがないんだろうなと読んで感じた。


だいぶ大切な本なのだろう。だから読んでインスタに更新して終わり!としたくなかった。

大切にしたい本なので、今回は私が読んで面白いなと思った部分を抜き出して、指導者に関する考察をしたいと思う。


ゆッくり内容はまとめていこう、、、とりあえずは言葉を並べてみる


『剣の刃』の中で、ドゴールは指導者たるものが持たねばならない資質を、三つあげている。正しい進路を選ぶ知性と本能、及び国民にその道を行けと命じる権威である。
p.80 シャルル・ドゴール


ドゴールは、フランス人の琴線に触れ、最悪の事態の中で希望を仰ぎ見る国民的結束をなしとげたのである。
p.100


「あなたは"新しいアメリカ"を掲げて戦うべきです」
p.108


「司令官にとってもっとも大切なことは、五パーセントの重要な情報を、九五パーセントのどうでもいい情報から見分けることだ」
p.162


ある意味では、吉田の一生は、何世紀にもわたって外国の影響を歓迎しつつ日本の中の真に日本的なものを保持しようと努めてきた日本人の歴史を映すものだったと言える。
 まず、七世紀以降の中国の強力な影響がある。それは、日本の政治、軍制、土地制度、宗教、倫理、芸術、文学等々にお手本を提供した。十九世紀になって、それに似た結びつきがアメリカとの間で始まった。
p. 180 マッカーサーと吉田茂


「日本の決定的な百年」は、一八五三年に日本国土に砲口を向けたペリーの黒船艦隊が、日本人にもはや孤立の不可能なのを悟らせた日に始まった。
p.181


日本のチャーチルと異名をとった吉田は、英国のチャーチルの「不人気なことを実行し、妨害をものともしない人物でなければ、危機の宰相にはなれない」
p.190


なかでも重要だったのは、主権を国民に与え、天皇を単なる「日本国の象徴」としたことだった。
p.191


外交政策の衝にある者の評価さるべき基準の一つは、可能なかぎり少ないコストで最大の国益を確保することにあると私は考える。
p.205


だが彼は、武力の弱い国が唱える中立がいかに無力化を知っており、自分に反対する人々に対しては「井の中の蛙、大海を知らず」のことわざで応じた。
p.206



「日本は経済的巨人なのに、軍事的、政治的に小人でしかないのは理解できません」と言ってみた。 p.213


ジャンジャック・ルソーは以下のように書いた。
 抽象的な思想によって政治を行うのは不可能でらう。押し付けることによってしか、人々を幸福にすることはできないし、幸福を愛させることによってしか、それを人々に実感させることはできない。そこに英雄の才能が必要になってくる。
新しい社会の第一歩に置いては、価値観は賢明で先見力ある英雄によって押し付けられなければならないと、ルソーは言っている。日本の場合、マッカーサーは日本人に民主主義を実感させ、そのために民主主義を愛させた英雄だった。吉田と協力しながら彼は、日本人に自由を愛させ、それゆえに自由を守る気持ちを起させた。
p.224



申すまでもないが、整合した目的意識と政治力は、必ずしも両立するものではない。むやみに政治力はあるが、これと言った目的意識のない人もいれば、理想だけは高いが、それをどう実現すべきかを知らない人もいる。現実政治の知恵と理想主義がマッチしていた点で、アデナウアーは珍しい人だった。

p.248 コンラート・アデアナウアー


政治家には、常にまわりから近づいて、あなたの目標はむりだからおやめなさいと忠告する人々がいるものである。そういう連中は、創造的なビジョンを持っていない。これまでやったことがないから不可能だと、決めてかかる傾向がある。蒋は、それを知っていた。「私は常に敵に囲まれ、ときには負けたこともある。しかし私は、耐えることを知っていた。」と、自分で書いている通りである。
p.406 周恩来


「はっきり言っておこう。政治に置いて理想や倫理はタテマエとして大切だが、ホンネとしては無用に近い。立派な政治家とは、世論の動向、時の趨勢、敵の戦術等々の予見、妥協と譲歩による味方陣営の統一などをくまなく捉えることのできる芸術家である。宗教改革者で民衆の心情を倫理的に高め得る人は珍しくないが、そんな人は絶対に政治家としては大成しないのである。」
p.426 指導者の資格について


偉大な思想は歴史を変えることができるが、それは偉大な指導力が伴い。思想に力を与えるときだけに限られている。
p.432 


指導者が庶民とは異質の人間であることも忘れてはならないだろう。むやみに庶民ぶるのもよくない。むりに庶民的であろうとすれば、かえってわざとらしく、不自然なばかりか恩着せがましく見られかねない。
 人々は庶民に気安さを感じるが、何も庶民が大統領になったり国会議員になったりするのを望んでいるわけではない。心得た指導者は、下を向いて国民に話しかけず、むしろ国民を引き上げる。
p.435 


安全過多の状態下では、人々は怠惰になり、組織の昨日は低下する。士気を高めるには前向きの刺激も一案だが、正しく行われる首切りは全軍を震撼させ、あらゆる組織に必要な活力剤になる。
p.442 


私の知った政治の世界でも、施策の人には行動ができず行動の人は施策をしないという例があまりにも多かった。理想的なのは、ウィルソンのように偉大な創造的思索家であるとともに、断固ある行動の人であることだろう。私の経験では、一流の指導者は思索の人であるとともに行動の人という珍しい範疇に属すことが多かった。
p.444


政治家になりたいがどんな勉強をすればいいかと若者に聞かれるたびに、私は政治学はやらずに歴史、哲学、文学を十分に読み、それにより自己の精神を柔軟にし視野の地平線を広げよと勧める。政治についての具体的なことは、いずれ体験によって学べばいい、だが読書の習慣、思考の訓練、きびしい分析の技術、価値観、哲学の基礎などは、政治家たらんとするものが若い時から九州し、その後も吸収し続ける以外、どうにもならないのである。
p.446


指導者にとって大切なのは、何時間デスクの前で過ごすか、そのデスクがどこにあるかではなく、重要な決断を正しく下すかどうかである。
p.447