日常に潜む『構造』-公園の木
-公園の木を本気で考えてみた-
こんにちは、ケンです。
『構造』と聞くと、みなさんはどんなことをイメージするでしょうか。
きっと、『難しそう…。』など取っ付きにくいイメージの方が多いのではないでしょうか。
辞書によると、
構造:一つのものを作り上げている各部分の材料の組み合わせ方。
また、そのようにしてできたもの。仕組み。
だそうです。
難しそうに聞こえますが、実は、そんなことはありません。
私たちが普段生活で目にしているモノの中にも、実は『構造』が潜んでいます。
その『構造』をシリーズ化してご紹介していきます。
例えば、公園にある『木』もそうです。
(分岐して広がる『木』の図)
木は、力をうまく流す『分岐』という形の特徴を持っています。
葉っぱから枝、枝から幹へと少しずつ太くなりながら効率的に力を流しています。
葉っぱで受けた小さな力を集中して、太い枝、幹が受けることで最小限のエネルギーだけを使い、必要な材料をできるだけ節約しているのです。
また、ご存じの通り、先端の枝は細いため釣竿のようにしなります。
これは、雪などの普段あまりない大きな力を受けた時に役に立ちます。
(自ら雪を取り除く『木』の図)
上のように、一時的にしなって雪などの大きな力を自ら取り除き、また何事もなかったかのように元に戻ります。
木造の家は同じ材料の『木』ですから、組み合わせ方を工夫して進化することによって、豊かな『構造』が生まれています。
私たちも日々、身の回りにある木や鉄といった材料を組み合わせながら、家やビルといった一つの『構造』をつくっています。
一つ一つはただの棒や塊ですが、ご紹介した『木』のように、その組み合わせを工夫することによって、様々な『構造』が創られています。
そして、木が雪から身を守るように、その中の人の安全を守ることが私たちの第一の使命であり、よりよい『構造』を目指して、日々努力しています。
参考文献-フライ=オットー他著 岩村和夫訳(1986)『自然な構造体』鹿島出版会