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星を繋ぐ猫達 《第8章③ カミシロ族》

2017.08.23 10:13

お待たせしました。

もう秋の気配ですね。

だけども、雨降りと湿気で、バテしてしまいますね。


では、続きをお楽しみ下さい。


画像は、寅次郎博士と屋敷猫達が、秋祭りに参加している場面です。(使用画材、色鉛筆、即興画)



《第8章③ カミシロ族》


その翌日…


2機のフラクラフトに乗った猫沢さんと猫宮医師が、向かうのは、寅次郎博士が住む村


[あの村で、マゼラン系テラビトの痕跡が発見されたと…?]


猫沢さんは、猫宮医師と、テレパシーで会話しています。


[寅次郎博士によると、橋渡しの民メンバーの古い知り合いの末裔だと、聞いています]


[ほう]


[あ、村に着きましたよ。降りましょう]


村では、祭りの真っ最中、法被を着た村人達が祭囃子を演奏しながら、神輿を先頭に練り歩きます。そこに寅次郎博士と屋敷猫達の姿もあります。


十匹近い猫達は、かわいらしい法被を着て、寅次郎博士の周りを、行儀よくチョコチョコと歩いています。それを見た村人達は、大喜び


今や彼は、村で[猫おじさん][猫先生][寅さん]等の愛称で、親しまれています。


「祭りをやっているようですね…出直しましょうか?」 


猫宮医師が、そう言うと、


「いや、あの蔵に行ってみよう。あそこに大きな周波数帯の歪みが出ている」


「はい」


二人は、開かずの蔵に向かう事に…


神社の裏にある、雑木林に、ひっそりと建っている蔵、辿り着いた二人は、蔵の中に入ります。


「猫沢博士、蔵の奧に祠がありますね…」


そこには、乱雑に半分埋まった祠が、ありました。


「わ!」


猫沢さんが、ビックリして、ピョンっと飛び上がると…


祠がある穴から、四つの光る目玉のようなものが見えました。


猫沢さんは、気を取り戻し語りかけます。


「無断で入って申し訳ない、つかぬ事を聞くが、あなた達は、マゼラン系の血を引く民か?」



その言葉に反応し、彼等の目が、一瞬ピカーっと光ると、返事が帰ってきました。


「い…いかにも…私達は、マゼラン星第29惑星の血筋の地球人[カミシロ族]である。君達は…何者か?」


「私は、シリウス系第22惑星カンタスカラーナから来た、猫沢です」


「同じく、猫宮です」


「猫族か…?」


「はい」


長い手足を、駆使ながら這い上がってきた二人の姿は、まるで、蜘蛛のようです。 


「私は、カミシロ族の族長、千寿(せんじゅ)と申します…」


長い手足を器用に折り畳み、深々とお辞儀をする族長の隣には、手だけ長い男性


「私は、副族長の社(やしろ)と申します。…コンタクトよろしいでしょうか?」


そう言われた猫沢さん達、相手に敵意がない事を確認し、了承の合図を送ると、目を合わせ、何やら、情報を交換しはめました。正確には、目ではなく額の奥の辺りに意識を集中しているのですが…


猫沢さん達は、情報を受け取ると…


「あなた方の了見、承知いたしました」


「…たかじけのうございます…」


二人は、涙を溜め、猫沢さん達に、何度も何度もお礼をしました。


「これを…」


受け取った、桐の箱の中には、あきらかに、地球の物質ではないと思われる、金属盤が入っていました。


「これを、あの巨石群に設置すれば良いのですね?」


猫沢さんは、金属盤を眺め、刻まれた記号を、瞬時に解読していました。


「…はい、私達は、村中に張られた結界に阻まれて、そこへは行けませぬ…ようやく約束が果たせます…」


「分かりました。ですが…当時、約束をした彼は、もう、この地上には存在しません…私達が、彼に替わって、お礼を言います」


カミシロ族の民は、驚きました。


「居ないのか…カミオン(ミチタロウ)は…もう、この星には、居ないのか…?」


「はい…10年程前に…やはり、あなた方にも、タイムラグが…」


「タイムラグ、時間が歪められてしまってるのか!?」


落胆する二人…


「ですが、ご安心ください。後任の者が居ます」


「本当か?」


「はい、彼らと共に、あの地に参ります」


「もうひとつ、お願いがあります」


「なんでしょう?」


「この盤の片割れを持ち出した私の血縁者がいます。彼も、一緒に…」


「片割れ?」


「この盤は、陰と陽に分かれています」


「なるほど、その者の名は?」


「センジュマナタカ…私の夜叉孫にあたる者です。彼は今、この村に居るはずです」 


「彼は、結界から出られたのですか?」


「彼は、地球人の血が濃いため私達とは、容姿が違います。限りなく地球人に近い…かろうじて、人間の世界で暮らせる姿です」


「なるほど、分かりました」


「よろしくお願い致します」


二人は、何度もお礼を言うと、再び、穴の中へと入っていきました。


シンと、静まり返った蔵の中、外は、賑やかです。先程の御輿が帰ってきたようです。


猫沢さん達は、視覚的周波数を変換し、地球型の猫の姿になりました。これなら、村人達の目に触れても怪しまれません。


「にゃー!」


草むらの中から、猫沢さん達は、寅次郎博士に声をかけます。


「あ、あれ?もしかして、猫沢くんか?」


寅次郎博士は、ビックリしています。


「にゃ~!」


にゃごにゃご言う猫沢さん達に、気づいた、村の地域猫を世話する女性が、


「猫先生、この子達は、見た事ない猫ですね?」


「私の知り合いの猫だよ。隣の村から祭りを見に来たそうだよ」


「へ~、目がくりくりしてる。こまった眉毛模様の猫ちゃん!すっごく、かわいいですね!こっちの子は、凛々しいイケメン猫ちゃんですね~」


女性は、大喜びです。


「私は、これから、猫達にご飯をあげなきゃいけない、皆に、よろしく伝えておいておくれ、あ、ごくろうさん会は、いつもの「神楽屋」ね。ごちそう作って待ってるからね」


「はい!いつも、美味しい食事ありがとうございます!」


寅次郎博士は、猫達を連れて屋敷に戻りました。


猫沢さん達も、猫の姿で、トコトコ付いていきます。


[ぷぷぷ、困った眉毛模様の猫ちゃん!]


猫宮医師は、笑いをこらえています。


[ほっといてください]


猫沢さんは、 少々ふてくされながら、猫達の行列に紛れてしまいました。


屋敷に到着すると、二人は、すっかり元の姿に戻っていました。 


「驚いたな?君達、姿を変えられるんだな?」


寅次郎博士は、法被をハンガーにかけると、猫達の法被を丁寧に脱がせながら言いました。


「意識と周波数をコントロールすれば、簡単な事ですよ」


猫沢さんは、サラッと答えると、こなれた様子で、猫用ソファーに腰かけました。


[つづく]


 (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。


物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。


そんな楽しい猫の星の世界観第四弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)


2018年の6月も、幻想の魚の秘密.第5弾を展示決定!お楽しみです。


猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)


※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)


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