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退屈と惰性と 改

FAG アーキテクト ニパ子Ver. レビュー

2021.12.31 08:31

 今回のレビューは、ノンスケール フレームアームズ・ガール より、

“FAG アーキテクト ニパ子Ver.” です。


 これまでも数々のコンテンツとコラボしてきたフレームアームズ・ガールの今度お相手は、すでに地球を去って久しいあの星のお姫さま。

 “FAG アーキテクト ニパ子Ver.” が、

紆余曲折の果て(?)、ついに発売となりました。


 新潟県燕三条の作業工具メーカー、ゴッドハンド株式会社が手掛けるプラモデル用高級片刃ニッパー、アルティメットニッパーの擬人化萌えキャラとして誕生した、コウグ星のお姫さま、セリーヌ・P・ニッパーヌことニパ子(逆ww)。

 本業(?)であるゴッドハンド製品の宣伝のみならず、他社とのコラボやアニメ、ゲームへの出演など、“PROJECT NIPAKO” として多方面で活躍してきました。

 コトブキヤとの関係も深く、コラボ商品であるコトブキニッパーの発売やアニメ、フレームアームズ・ガールへの出演なども果たし、ついにはFAG化・・ではなく、あくまでニパ子っぽいアーキテクトではあるのですが、その商品化の発表がされたのは2020年の6月27日、ニパ子公式(ゴッドハンド公式)Twitterでのことでした。

 翌日、ニパ子誕生のちょうど7周年となる6月28日(ニパ子の日)にコトブキヤTwitterにて正式発表というかたちになったのですが、まさかそれから約2ヶ月後にあんなことになろうとは・・

 およそ絶頂期と思われた同年8月21日、突如、「惑星間留学を終了し、故郷の惑星コウグに帰る」として、31日付けでの PROJECT NIPAKO の終了を宣言。本当にいなくなってしまいました。

 なんか中でいろいろあったようですね。

 企業というものの懐の狭さというか、陰湿さを垣間見たような気がしました。

 まぁ、本当のところはよくわかりませんし、ニパ子側にまったく問題がなかったわけでもないのでしょうが・・

 ともあれ、ニパ子というコンテンツは失われてしまったのですね。

 ただ、それ以前に進行していた企画はそのまま継続できるように取り計らわれ、このFAG アーキテクト ニパ子Ver.も・・それでも発表から1年半ほどかかりましたが、無事発売の日を迎えることができました。


 それでは、レビューしていきます。

 キットはパチ組みしたのみです。


パッケージ表面にはイラストではなく実際のキットの完成品を撮影した画像がレイアウトされています。

 メカトロウィーゴとコラボしたハンドスケール 轟雷のパッケージと同じようなデザインですね。

 ちゃんと PROJECT NIPAKO のロゴも。

 彼女の置き土産という感じでちょっと切ない・・


素体モード

 ベースというか、頭部(髪パーツと額のメカパーツ)以外はまんま、アーキテクトです。

 あ、首のメカパーツも新規造形なのですが、デザインは通常版と共通で、若干造形がシャープになっている感じはしますが、なんでわざわざここだけ新規造形にしたのかわかりません。

 あと、脚部膝上部分も新規ですね。

 これも造形はそのままで、通常版から省かれているランナーの影響です。

 また、同一ランナーが青色成型と白色成型で2枚入っているものもあり、ニパ子らしい青と白のツートンカラーが再現されています。

 とはいえ、完成見本と較べるとかなり色が足りないのですが、今回はもう部分塗装もしていません。

 ちなみにブルマ(きっとパンツではない)は説明書通りだと白いパーツを使うのですが、なんとなく青いパーツを使いました。

 さて、本体はアーキテクトのままなのですが、上半身の構造は初版から変更されており、肩には若干の前後スイングが可能な内部関節が仕込まれています。現在にも続くFAG定番の仕様ですね。

 最初期のキットにはなかったわけですが、このアップデートはどの段階で行われたんでしょうかね? オフホワイトVer.とかの時点でもうそうなってたのかな。

 しかしまぁ、全体的には古い構造ですね。下半身が外れやすいのも相変わらず。


 頭部髪パーツは先にも言った通り新規造形。

 ニパ子のトレードマークであるツインテールとリボンが再現されています。

 なお、髪パーツの成型色はボディのものよりもくすんだ青色になっています。

 ツインテールは、ニパ子のイメージよりは随分と小振りではありますが、ちゃんと根元には六角ボルト型の髪留めも。

 というかこれはもうヘキサグラムですね。

 ジョイントは定番の球体関節タイプ。

 頭部側への接続はボールジョイントで多少の柔軟性がありますが、なぜか異様に緩くてすぐ抜けます。

 逆にテール側の軸接続はかなりキツめ。軸自体も細いため、破損報告もちらほら見かけました。

 なので、ある程度調整し、動かす際も慎重を心がけていたんですが・・まさしくこのレビュー用の画像を撮影中に、なんの前触れもなく左側のジョイントが折れました。

 へこむわー。

 こうなるともう軸を取り出すのは至難の業なので、そのまま2㎜のピンバイスで軸ごと彫って、あとはメガミデバイスに必ず付いてきて大量に余っているZランナーのジョイントを加工して、とりあえずの応急処置完了。

 以降は破損前と破損修復後の画像が入り交じるのでご了承を。

 しかし、アーキテクト系の髪パーツは個人的に鬼門ですわ。

 去年の今頃も、ナイトマスターアキ子の後ろ髪のジョイント折ってますし。

 まぁ、この季節なにもしなければ普通に室内0℃になるようなところに住んでるので、その影響もあるのかも。


 フェイスパーツは3種類が付属。

 あくまでアーキテクトなので、顔付きはアーキテクトです。

通常顔正面目線

通常顔右目線

照れ顔左目線

 通常顔は安定の無表情ですね。

 照れ顔にしてもかなり感情表現控えめという感じです。

 なお、ニパ子のキャラクターデザインを担当した小池智史氏によるオリジナルアイデカールが付属するので、タンポ印刷なしののっぺらフェイスがあればニパ子フェイスを再現することも可能・・なのですが、表情はいわゆる通常顔1種のみで予備もないため失敗できないのと、そもそも一般販売分にのっぺらフェイスが付いてこないなど少々不親切。

 ちなみに、デカールにはアイデカールのほか多数のマーキングが容易されていますが、今回はそもそも部分塗装もしていないのでそれらも貼っていません。


武装モード

 ジョイントパーツを介して両腕に武装を追加した状態。

 通常版アーキテクトではM.S.G インパクトナックルおよびエッジが2つ付属しましたが、今回はニパ子Ver.ということで工具イメージに仕様変更したM.S.G2種が付属します。


M.S.G スパイラルクラッシャー

 本来は3枚のクローを用いた破砕、掘削に使用される大型武装ですが、一部デフォルトからパーツ配置を変更。

 クローを2枚とすることでニッパーをイメージした武装になっています。

 言うなればスパイラルニッパー。

 クローは開閉可能。

 また、ゼンマイが内蔵されており、後部のつまみを回すことでクローを備えた先端部分が回転するギミックがあります。

 ボーナスパーツとしてクローに取り付けられるクリアパーツも付属します。


 なお、通常単品版はグレーの単色成型ですが、こちらもニパ子をイメージした青と白の2成型・・というか、青色成型と白色成型で本体のランナーはまるまる2つ分付いてきます。

 なので、配色が逆転したものをもう1つ組むことが可能。

 なんという太っ腹。

 ただし、ゼンマイは一つしかないのと、ポリキャップも一つ足りないので完全な状態に組むことはできません。

 まぁ、ゼンマイはともかく、ポリキャップはたぶんどこかに余っていると思います。


M.S.G インパクトエッジ

 先端のアタッチメントパーツが新規造形でピンバイスをイメージしたものになっています。

 言うなればインパクトピンバイス。

 スプリングによる射出ギミックが内蔵されており、後部のカートリッジらしきパーツ(スイッチ)を押すことで先端が前方に飛び出します。

 ボーナスパーツとして通常のクロー、パイルバンカーパーツも付属するので交換が可能です。

 もちろん、それぞれ射出ギミックを楽しむことができます。

 ナックルは今回付属しません。

 なお、ジョイントパーツの形状が若干変わっていました。

 左の黒いパーツが通常版アーキテクトに付属したインパクトナックル(エッジ)に付属したもので、右の白いパーツが今回のもの。

 どちらも同じ基部パーツのランナーに含まれるものなので、どこかのタイミングで金型修正されたんでしょうか?


その他付属品

 いつもの簡易スタンドが付属します。

 また、FAの腕部などに換装できるメカ肘パーツや、

膝アーマーに変えて取り付けるの3㎜軸アタッチメントなど、

通常版にも付属したオプションもそのまま付属しています。


フライングベースネオ ニパ子Ver.

 公式ショップでの購入特典としてニパ子カラーのフライングベースネオが付属。

 ベースにはゴッドハンドのロゴとHPアドレスが。

 これまたなんか切ない・・

 まぁ、ゴッドハンド自体はもちろん健在ですが。

 併せてタンポ印刷なしのフェイスパーツも3つ(各表情分)付いてきました。


比較画像

 通常版アーキテクトと。本体のみで。

 造形的な変更点は頭部のみ。表情も基本的には同じです。

 ただ、瞳の印象は少し変わっています。


 武装を付けて。

 通常版は右腕にクロー、左腕にパイルバンカー装備で。

 スパイラルニッパーのボリュームがインパクト系のそれをはるかに凌駕していることもあり、量産機とエース用のカスタム機という雰囲気になっています。


 本物のニパ子(figma)と。

 身長差はけっこうあります。

 ニパ子が自分に似せて作ったアンドロイドという感じですね。

 いや、むしろ(プロポーション的に)理想の自分を創り上げたのかもしれない。


 さて、公式特典でのっぺらフェイスもあるし、やはりせっかくなのでニパ子フェイスも再現したい。

 でもデカール苦手だし、そもそも1枚しかないから失敗が怖い・・という僕みたいな人たちに朗報(?)。

 頭部基部の顎部分にあるダボをカットすれば、figmaニパ子のフェイスを入れ込むことができます。

 もちろん固定はされませんが、前髪パーツとで挟ことができるので外れることはありません。

 サイズ的にもさほど違和感がないです。

 しっかりウザい(笑)。

 うん、これでええやん。


 フッフッフ。新しいボディを手に入れたぞ。

 これで再び地球へ・・

 ちなみに、figmaボディにFAGフェイスパーツは入りませんでした。


以下、画像

 まず武装モードで。

 思っていた通り、武装の重さに腕がへたります。

 インパクトピンバイスのほうはなんとか大丈夫ですが、スパイラルニッパーは無理ですね。肩から持っていかれます。


 基本構造は初期のFAGのままなので、可動性はそこそこ。

 スカートは側面が分割されていてわずかに可動。前後は固定ですが、そもそもワカメちゃんスタイルに股関節の上下スイングもあるので、脚部の可動の妨げにはなりません。


 ダブルスパイラルニッパー!

 重い・・


 素体モードで。

 先の通りフェイスをfigmaニパ子フェイスと交換して。

 プロポーション的には成人したくらいのバランスでしょうかね。

 あれから約1年半。不自然ではないかも。


 新たな武器を制作して笑顔のニパ子。

 手にしたニッパーもfigmaに付属していたものです。

 いいサイズ感。


 近付くと撃つぞ!

 リトルアーモーリーとのコラボ武装である “ニパ子P285” を構えて。

 いい表情だ(笑)。


 あらためて、武装を装備して。

 さて、これで古巣にお礼参りに行くか・・冗談ですよ。


 以上、“FAG アーキテクト ニパ子Ver.” でした。


 なんやかんやあったけど、今なお人気の衰えないニパ子。

 本当、惜しい人材を亡くしたものだ・・

 キットは、アーキテクトにM.S.G2種、そしてわずかの新規パーツという内容ですが、一部成型色違いで同一ランナーが複数入っている・・スパイラスクラッシャーなんて実質2つ入っているようなものだし、予想以上のボリュームで満足感のあるものになっていました。

 まぁ、本体は頭部以外、フェイスパーツ含めてアーキテクトのままですし、本音を言えばもう少しニパ子要素を入れて欲しかったところではあります。

 本当はもうちょっと入れる予定だったけどできなかったのかもしれないけど・・

 しかし、素体としてのアーキテクトの汎用性はあらためて感じることができたました。

 昨年の同じ頃に発売されたナイトマスターも、エクスアーマーE付けただけでわりと騎士っぽい雰囲気になりましたからね。

 そういえば、今回のニパ子Ver.と相性ばっちりだと思うのに、なんで併せてエクスアーマーEの再販してくれないの?

 あれもねぇ、サムライマスターソードみたくいろんな色で出すんじゃないかと思ってたんですけどねぇ・・

 話が逸れました。

 しかし、轟雷がVer.2、スティレットがXFー3で大幅にアップデートされたときは、アーキテクトや迅雷も順番に同じ道を辿っていくのだと思ったのですが、こうなるともうないな・・

 でも、アーキテクトはこれでいいのかもしれない。

 FAGでは最新フォーマットでも可動性が劇的に向上しているわけでもないし、造形面でのアップデートというところでは、アーキテクトはあまりムッチリしてもなぁ・・という気もしますしね。


 そしてニパ子・・

 仮にまだコウグ星に帰らずに地球に残っていたとすると、“FNG(フレームニッパー・ガール) ニパ子” とか、“創彩少女 ニパ子” とかの発売もあったかもしれないなぁ。

 何事にもいつか終わりがあるとはいえ、あれはあまりに唐突だった・・

 そして2021年も間もなく終わろうとしています。

 いやね、当初の予定では、このアーキテクト ニパ子Ver.、通称ニパテクトのレビューはニパ子の日である28日に上げるつもりだったんですよ。

 で、年が明けるまでにもう1本・・と思っていたんですが、ダメでした。


 ということで、今回が2021年最後のレビューとなります。

 こちらに引っ越して仕切り直してから、もう2年と3ヶ月も経ってしまいました。早いもんだ。

 書いたレビューも250本を超えました。

 我ながらよく続けていると思いますが、2022年も、そしてそれ以降も、たぶんこれまで通り、とくに変わらずやっていく所存であります。


 といったところで、今回は終了。

 また来年も、よろしくお願いします。