死ぬまでに行きたい海

本の雑誌を読む。いろんな人のマイベスト3冊が紹介されているのだけれど、何人かの方が岸本佐知子氏の「死ぬまでに行きたい海」を挙げており気になってwebで調べてみる。特設ページに飛ぶと面白い企画が立てられていた。

『死ぬまでに行きたい海』に綴られた岸本佐知子の足跡を地図に記しました。 この地図に、あなたの“本人すら忘れてしまっているような些細な記憶”も追加しませんか？　世界に一つだけの“些細な記憶”の地図を作りましょう。

Googleマップには世界中にピンが立っていて、なんでもない風景になんでもないキャプションがつけられていた。ツイッターのタグも遡ってみる。いくら読んでも読み飽きない。本が発売されたのは一年ほど前らしいけれど、つい最近このタグをつけて投稿している人もいた。中高生の頃、インターネットの海を漂って同世代の女の子たちの日々の泡を追いかけていたことを思い出す。こうしたなんでもないものを切り取りたい、そういうものに触れてみたいと思う心は多くの人の内に存在するのだという仄かな心強さ。今すぐにでも本そのものを手に入れたかったが3軒中3軒とも在庫がなかったのでネットで注文する。