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倉敷にて

2017.08.27 14:23

金曜に大阪でトークイベントがあり、月曜日に福岡で仕事があるので、東京一回戻るのもどうかと思い、どっか途中寄ってこうと思いたって、山陽方面をいろいろ物色してたら、急に倉敷に行ってみたくなった。


理由は3つ。

ひとつは、先日のブラタモリの倉敷がおもしろくて、というかブラタモリは毎回どの街もおもしろいんだけど、そんな街を見てみたくなったのだ。

美観地区、これだけの倉が残ってるのすごいな。まさに倉が敷き詰められた街。


ふたつめは、大原美術館に行きたくて。ホドラーも見たかったし、ルソーも見たかった。

あいにくルソーは休ませ中とのことで見れず。残念。ホドラーは堪能。

そしてポロックの「カットアウト」、なんか見てたら涙が溢れて来た。そんな感傷的になってしまうのが一人旅だ。



そしてみっつめは、倉敷アイビースクエアに泊まりたかったから。

ここには小学生の時家族で来ている。

いつだったっけ?っていろいろ記憶を辿ってたら、確かポートピア博覧会に行った時に訪れたのだ。確か神戸行って倉敷行って小豆島に行ったんだ。

ということは1981年の夏。僕は小学5年生。

家族と仲の良いいとこも一緒に旅した。すごく楽しかった思い出。

そしてその時倉敷で泊まったアイビースクエアの蔦の絡まる煉瓦造りの建物に、家族一同すごく感じ入ったのだった。翌年家を建てるのだけど、その時の印象がだいぶ残ってて、洋館を建てよう建てようって家族で話したものだ。


そんな子供時代の思い出をなんか思い出してしまうのが一人旅だ。

夜、街をぶらぶら。

美観地区から駅まで商店街をとぼとぼ歩く。日本のどこの街もそうだけど正直寂れている。子供の頃はもっと人で溢れてた気がする。

でも駅の反対側にはアウトレットが出来ていて、そこは新しい街として繁盛していた。

ショッピングモールを行き交う人たちの光景は、どの街もあまり変わらない。

変わらない量販店。変わらない飲食店。

仕方ないなとも思う。人は東京にいようが、どこにいようが、求めてる快楽は同じなのかもしれない。

でも、そんな普段求めてるものと違うものを求めて、だから人は旅をしたくなるのだ。

そこで、同じものしかなかったら、旅をする理由が見当たらない。

その街の者にとってはそんな一人旅のおっさんの感傷なんて、でもどーでもいい。それもわかる。


寂れた商店街に戻って開いてる店で夕食。

とても美味しい。

でも食べログを見てみたら点数は低い。

つまり、集合知の情報なんて、たかがそんなモノなのだ。

本当に美味しいかは自分で食べなきゃわからない。


酔いがまわると毒づいてる自分がいる。

いやー、嫌だ嫌だ。

なんか許せない奴のこと、いろいろ考える。

うー、、嫌だ嫌だ。

攻め込んで来た奴には、いつか絶対攻め返してやる、とかなんとか思ってる。

よく酔っ払って毒づいてフラフラ歩いてるおっさん見かけるけど、今の自分はそれか。そうなっちまったか。

おー、嫌だ嫌だ。

でも、もうまごうことなきおっさんだから、それでいいかなとか思ってもいる。

ゲスいおっさんになっちまったなー、とか。

そんなこと思いながら夜の街をぶらぶらしてしまうのが一人旅だ。