趣味どきっ!茶の湯 武者小路千家 第4回 月を愛でる茶会 ー略盆手前ー
8月も残すところ2日となり、9月になると十五夜、秋分の日、秋のお彼岸などがある。この番組の最後は「月を愛でる茶会」ということでとても楽しみにしていた。子供の頃、縁側に座って月を見上げるのが好きだった。その時々で月の中に見えるものが違って空想に耽るのも楽しかった。今住んでいる所から淀川が近く、そこにはススキがたくさんあるので秋の夕方の散歩は格別だ。今年はここで月見をしてみようかな。
つるんとして少し黄色っぽく、本当にお月様のよう。和菓子は魔法や夢のようだと思う。
お盆は「イタリー」製。洒落ていてなんて素敵なんだろう。
茶碗はヨーロッパの器。こちらもお月様みたい。今度外国へ行ったら、茶碗に見立てられるような器に巡り会いたい。
先代の透明の茶杓は戦闘機の風防から作ったそうだ。世界中が幸せになりますように。
京都の将軍塚青龍殿に吉岡徳仁によるガラスの茶室 光庵がある。誠実さや開放感を表した茶室だと思う。ガラスの茶室の中にいようと外にいようと大差はなく、みな自然の一部である。将軍塚青龍殿で見られるのは9月10日まで。その後は国内外と巡回するそうだ。
伊香造りという古民家での茶会の様子。ゆったりとした気持ちで開くお茶会は気持ちの良いものだろう。
雲のない空に浮かぶ月は完璧すぎたり壮大すぎるのだろう。煌々とした月が雲に隠れてはまた現れる。昔の人たちはそんな風景を愛した。現代では時間に身を任せることがなくなってきたように思う。忙しい中でもすっかり自分を時間に預けてみたい。番組に登場した茶道文化研究家の熊倉功夫が「ほととぎす 鳴きつる方を 見上ぐれば ただの有明の 月ぞ残れる」という歌を紹介していた。金森宗和は徳川家光に暁の茶会に呼ばれ、真っ暗な茶室で突き上げを開けて一条の月明かりでこの歌を読んだそうだ。
全4回の番組が終わってしまった。家元が夏は茶の湯の世界ではオフシーズンと仰っていて、正式な茶会とは一味違った茶会を披露してくれた。工夫をこらした夏の茶会が楽しかった。