グルジア軍 新型官給ベスト
グルジアで実際に使われている軍用品も結構数が増えてきたのですが、紹介しないままの物が多くなってしまいましたので特にグルジア軍でメジャーでほかの軍隊では使われていないものから少しづつ紹介していこうと思います。
このベストは08年南オセチア紛争時の標準だったマルパッティ(グルジア語でマーパット)V1型ベストの後継になります。
現在はメーカーが操業停止(たぶん潰れた)のでハッキリとしたソースは示せませんが、おそらくはHPが残っていた時代にカタログに残っていたのでDEMETRE96製です。
2010年頃の軍で標準的に装備されていましたが、現在はMOLLEシステムを使うようになったので式典や砲兵部隊など後方兵科、軍学校の訓練などで使用されています。
歩兵科という表部隊からは早々に姿を消してしまいましたが、現在を通してもよく見ることができるベストですね。
ただ、海外派遣には投入された事がないのでアフガニスタン、中央アフリカで見かけることはまったくと言っていいほどありません。
2009年の頃にフランス軍の指揮下に派遣されていた部隊は旧官給ベストを使っていたりはしてたんですがね…
同じV1型ではありますが、輸入品だった前官給ベストに比べると国産品ですので色々と仕様が変わっています。
さてまずは大雑把な外見ですが、当たり触りのない普通のV1型ベストです。
ですが、全体的に大ぶりに作ってあるのが特徴です。
例えばマガジンポーチですが、従来はAKマグ、Stanagマガジンが1本しか入らなかったのに対して2本入って、ほんのり隙間ができるようなゆとりある作りになっています。
またマガジンポーチフラップが延長されているので、StanagマガジンはもちろんAKマガジンを入れてもしっかり閉じることができます。
このベストが採用された頃にはM4カービンが多数のAK74を置き換えていたもののAKマガジンを使うことも想定していたのでしょうね。
次にラジオポーチが取り付けられています。
かなりこれも大きく作ってあるので、PRC152あたりもスッポリ収まるようです。
実際にここに無線機を入れている姿はあまり見られませんが…
背面はPALSテープの配置が大きくかわりました。
旧官給ベストが隙間なく敷き詰められていたのに対して新官給ベストは一般的な等間隔の配置になっています。
ぶっちゃけグルジア軍では背面のMOLLEは小型バックパックを取り付けるか、LC2ポーチを取り付けるかくらいしか使われないので使い勝手はよく分かりません。
外見的な差はこの程度でしょうか。
それ以外の点だと軍の標準装備として大量生産されたベストとしては初?になるせいか、作りはかなり甘いです。全体的にチャチな作りで、下手すれば中華レプリカV1ベストより脆そうといった印象です。
生地も薄く、肩のパッド部分は旧官給ベストがBHI社やイーグル社のV1型と引けをとらないシッカリした作りなのに対して、かなり柔らかいです。
そのため着用すると下にグデェと伸びてしまいがちになりますね。
さてちょっと癖があって面白い装具ですが、2010年代のグルジア軍装備ではマストアイテムの1つになります。
これがあればマルチカム採用初期から後方部隊、兵学校まで様々な部隊が出来るようになりますからね。
最後に旧官給ベストについて(私のブログです。)