韓国ドラマが変わる? PCMと「TV話題性」
30日から放送が始まったMBCドラマ『病院船』をオンエアで観た人もあるかと思うが、その構成に「あれ?」と思った人もいるのではないだろうか。
韓国のTVドラマと言えば、週2回放送、1話約70分という構成が定番で、日本のTVドラマに比べるとかなりのボリュームである。しかも地上波ドラマでは番組の途中にCMを挟むことが禁止されていることもあって、オンエアで観ようとすると慣れていないと労力を要する。
しかし、最近、広告収入を上げたいTV局が合法的な手段として「PCM(プレミアムCM)」という新方式を導入。これまで1話70分だったドラマを2話に分け、その間にCMを入れるという方法を採用した。実質的な放送時間に大きな変化はないものの、1話が約30分、1日に2話放送され、話数が2倍にカウントされるようになった。5月頃からバラエティ番組を中心に導入され、現在MBC、SBSのミニシリーズのドラマの大半で導入されている。
余談になるが、日本のNHKにあたるKBSでもドラマが放送されているKBS2TVではCMが入り、広告収入を得ている。そのためKBSの受信料は月200円程度と日本に比べてかなり安い。日本でも数年前から受信料の見直しが議論されているが、韓国方式も参考にしているという。
また韓国のドラマで大きな話題になるのが「視聴率」。ドラマの製作発表会では主演俳優が「○%以上獲ったら○○します」と’’公約’’を発表するのが恒例になっているくらいだ。最近はケーブル波のドラマの人気も高まり大きな話題になることもあるが、地上波とケーブル波のドラマの両者を単純に比較できるデータが存在しない。
そんな中注目されているのがグッドデータコーポレーションが配信している「TV話題性ランキング」で、放送終了後のインターネット上の反応を数値化したものだ。
ちなみに8月4週のドラマ視聴率は
1位 お父さんが変(KBS) 31.1%
2位 名前のない女(KBS) 20.6%
3位 あなたはひどい人です(MBC)14.9%
であるのに対し、
TV話題性では
1位 青春時代2(JTBC)10.33
2位 お父さんが変(KBS)7.74
3位 助けて(OCN)7.58
となっている。
視聴率はどれもホームドラマで、比較的年齢層が高い視聴者に支持されているだろうと予測できるが、TV話題性は幅広い世代のデータが反映されていることが分かる。
良くも悪くも視聴率至上主義だった韓国ドラマだが、最近はケーブル波ドラマのヒット、事前製作ドラマの増加や、製作段階から海外への展開も視野に入れられるようになり、指針も変化してきたのだろう。
一時期のブームのような勢いはないものの、「ドラマ大国」の威光はかすむことはなさそうだ。