ボーイズバーで日本代表のサッカーを見ながら働こう
高校を卒業してから、塗装業一本でやってきました。十代の頃は、まあ、それでも良かったんです。体力だってあるし、毎月、ある程度の良い金が入ってくるのは刺激的で、なんか調子に乗っていろいろ遊んでました。
でも、それもだんだんと…ね。二十歳を超えたあたりから、周りの連中はもっといい仕事を見つけて離れていくし、大学に行った奴らには絶対に生涯賃金で勝てないわけだし、ちょっと俺の人生ってどうなんだろうって考え始めたんです。
しかも、塗装業は、雨の日は仕事が休み。いきなり現場が流れた日には、なんか家にいると鬱々してきて、パチンコに行っては金をすり、悪循環に陥ってしまっていました。
このままではいずれ、生活がガタついてくるのは明らかなことでした。というか、その頃の俺は、ちょっと今では考えられないくらいひどい生活をしていました。家とかも荒れに荒れて、メシだってちゃんと食ってんのかどうか、自分でもわからない始末で、仕事も不規則で…そろそろやばいぞ、と思って副業を探したのは、そんな状態なりに、まともな判断だったと思います。
ただ、ボーイズバーのバイトにありつけたのは、単に幸運だったと思いますね(笑)ほとんど直感だけで応募して、雨の日だけ仕事が休みなんで副業でやらせてください、みたいな厚かましいことを頼み、そんな願いをお店のスタッフさんは聞き入れてくれたわけですから…。もしかしたら、その当時の俺の顔つきが相当やばくて、同情してくれたのかもしれませんけどね(笑)
で、そんなこんなで始めたボーイズバーの副業です。ただこれが、やっぱり最初の頃はそう簡単にいくもんじゃなかった。だって、こっちは塗装業一本でやってきた身です。接客なんてわかんねーって感じだし、そもそも丁寧語だってまともに使えない有様でしたから。
それでも、いきなり挫折しないでやり続けることができたのは、もうはっきり言って、やっぱり稼ぎが良かったからです。数時間働いて、これだけの金になるなんて…これまで汗水たらして現場で馬車馬のように働いて、一日いくらって身分だって俺には、ちょっと衝撃的でした。
で、稼ぎに味を占めて続けるうち、まあ、やっぱり仕事にも慣れてくるんですね。まだ三か月目ですが、修行中って気持ちは切らさないで、それでも大体の場面は慣れで切り抜けられるようにもなっています。おかげで貯金もできて、生活も多少、立ち直ってきました。
もうちょっとしたら、もしかしたら、ボーイズバー一本に絞るかもって感覚にもなってきています。それくらいよく稼げるし、何より、仕事が正直楽っす(笑)まだ具体的なことが決まっているわけではないんですが、何か、将来独立してやりたいという意志もでてきています。
ちなみに、お客様には、塗装業で磨き上げた筋肉が何気に人気です(笑)そんなことでも指名が取れたりするので、まあ腐らずにやってると、人生、何かいいことがあるみたいです。