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マンターンのBLOG

映画 ~1303号室~

2017.09.06 14:00

1303号室

配給:アルゴ・ピクチャーズ

監督:及川中

脚本:大石圭、佐藤孝昌、及川中

出演:中越典子、初音映莉子

公開日: 2007/10/27

ジャンル:ホラー


「1303号室」は13階建マンションの最上階のとある1部屋で起こる怪奇現象を

題材としたホラー映画です。


原作は大石圭さん著作の小説であり、大石さんは本作品の脚本も担当されています。

大石圭さんは、ホラー邦画で貞子に次ぐ名キャラクターだと思っている伽椰子を

生み出した「呪怨」シリーズの小説も書いています。

(あくまでノベライズ化である点は注意が必要です。)


本作品は「アパートメント1303号室」のタイトルでハリウッド・リメイク版も

あります。というか、本作品もスタッフとキャストは日本人ですが、製作会社は

アメリカとなっています。ここらへん、これは邦画でいいと思っているのですが、

実際どうなのでしょうか。



中越典子さん演じる緑川真利子が物語の主人公であり、舞台の中心は海の見える

プール付きのおしゃれな13階建てマンションの一室、1303号室です。


きっかけは、主人公の妹、沙弥香が引越しパーティーの最中に突然様子が

おかしくなり、友人たちの前で意味不明の言葉を叫んだり、ドッグフードを

食べだすといった奇行に走り、最期には投身自殺を図った事件となります。


葬儀の場で沙弥香の友人から、あれは決して自殺ではなかったと聞いた

真利子は残った荷物を引取るために来ていた1303号室で違和感を覚え、

その部屋で過去に起きた事件などを知り、調査していく中で怪奇現象に

巻き込まれていくことになります。



真利子のタバコをふかしているときのクールな場面や、家族を想って

感情的になる場面も主演の中越典子さんにはまっているように思います。


怨霊となる杉内幸世(ゆきよ)役を演じる初音映莉子さんも

母親から虐待を受け心が壊れていく場面や怨霊となって真利子と対峙する

場面など、狂気な笑いや冷淡な表情が印象的でした。


また、物語の要所で登場するお隣の1302号室の住人である少女役には

女性アイドルグループ「私立恵比寿中学」(エビ中)のメンバーで、

致死性不整脈のために若くして逝去された松野莉奈さんが演じています。



出演者を見ると好印象を受ける映画であるのですが、小説の映画化の宿命か、

後半はかなり苦しい構成になっているように思います。

特に事件があった直後にも係わらず主人公が事件現場に独りで侵入して

怪奇現象に巻き込まれたり、何時間現場を放置していたんだろうと思われる場面が

あったりするのは、いくらホラー映画でもどうなのとは思いました。


ちなみにこの一室は事故があったにも関わらず次から次への新しい住人が

入居しているようです。事故物件の告知義務について、実際はどうなの?

と思いましたが、私が把握している限りでは明確な基準はないようです。

宅地建物取引業法35条や47条の「重要事項説明義務」や、

民法1条の「信義誠実の原則」に依るといったところでしょうか。

高い買い物をするときには注意しましょう。


あと、結局隣の母娘は何だったのでしょうか。


ここらへんは小説を読めということなのかもしれません。



ホラー演出としては、若干の特撮感がある部分は置いておいて、

個人的にはBGMを極小か無音にしておいての無駄に大きな効果音で

驚かすパターンはお約束である一方で嫌いなのですが、

そういった点での不快感がなかったのはよかったです。


"13"は西洋の忌み数とういことで、どうせなら漢字文化圏の忌み数"4"と

組み合わせて「1304号室」でもよかったと思うのですが、何か意図が

あるのでしょうかね。