▢会社の数字の基底にあるもの
そのひとつは、「是々非々」(=ぜぜひひと読みます。)であると言います。
意味は「良いことは良いと賛成し、悪いことは悪いと反対する。
公正な立場でもって何事も行動する」ということだそうです。「厳正中立」もまた然りです。
そのように生きる人は、実直な人だと言われます。
本来、法律も経理もそうであるべきと言われます。政治でも言われます。
ところが、これをこのまま実社会でやろうとしても、中々上手くいきません。
「出る釘は打たれる」の諺の如く、せいぜい「若造のくせにとか、生意気だとか、バカ言うな」どまりです。
それほどに、社会では、矛盾だらけであっても、それが当然視されているので、常識が常識でないこともあります。
しかし、こと会社経営に当たっては、この言葉は、非常に重くのしかかってきます。
経理においてこの主義を貫かない限り、今の会社状態は把握できません。
又、経営できません。
1円だけなら無理に合わせてもそんなことはないと言われるかもしれませんが、帳尻が合えばいいと言うのではなく、その考え方自身が、その会社自身の考え方であるという事につきます。
会社の経理を経験すればわかりますが、かつて銀行員がその日の金の出入りが一円でも合わないと合うまで全員帰宅できないと言われたことがありました。
いまでは多くがPCなので、合わないようなことは少ないでしょうが、小売業など、小口現金に関しては、レジ残高と現金が合わないことなどはあるでしょう。
経理でも、その日の出入りは合わせて終わるのが常でしょうから、この言葉が生きています。
最も、いつまでも合わないと、どちらかを過不足して合わせているなどという事もあると聞きます。
それが、ほんの少しで済むような会社規模ならあり得るでしょうが、いち経理マンとして、いち経営者としてはいかがなものでしょう。
会社の数字は、一円でも合わせる是々非々な人・厳正中立な人であれば、嫌われる経理マンであり、嫌われる経営者であるのは、当然な人間像です。