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「ほん怖 夏の特別編 2017」ロケ地マップ

2017.09.05 20:07

フジテレビ系列で放送された「ほんとにあった怖い話 夏の特別編 2017」のロケ地マップです。

● フジテレビ「ほんとにあった怖い話」番組ホームページ


第1話 或るマンション

脚本:三宅隆太さん  演出:森脇智延さん

出演:手越祐也さん  六角精児さん  金田明夫さん 他

 主人公=稲葉秀一(手越祐也さん)が、清掃業務で訪れた「マンション」で連続して発生する「飛び降り自殺」。高層建築が多い今日の日本の街なら、どこにでもありそうなマンションと自殺の話…。しかし、その自殺の理由が「幽霊」に撮り付かれたから…。たまたま、そのマンションに立ち寄っただけで「死」に誘われてしまう…。「外出恐怖症」になりそうな話です。

 通りかかっただけで「飛び降り自殺」に誘われてしまう話としては、「怪談 新耳袋」に登場する「京都の幽霊マンション」の話があります。似たような話があちらこちらにある事が怖いですね。


 本編冒頭で映し出される「宮城県仙台市」の巨大な団地群、例によって、例のごとく「嘘」です。実際の団地は東京都武蔵村山市と東大和市にまたがる「都営村山団地」です。

 団地を俯瞰で眺められるショットが「Googl Earth」のストリートビューで得られなかったので、団地の特徴的な「建物からはみ出した通路(避難路?)」を押さえてみました。

 「飛び降り自殺」が連続して発生するマンション、CG処理で作られた「非常口」かと思いましたが、建物をストリートビューで確認して実際にマンションの構造物として非常口が飛び出している事を確認しました。

 インターネットでは色々な「噂」があるようですが、建物は「川口市役所 領家公民館」です。

 長い廊下の先の暗いエレベーターホール、ホラー作品にはもってこいの造りの建物です。ただ、「公民館」というよりは、どう見ても「マンション」です。マンションとして使えなくなった理由が「噂」の通りなのでしょうか…?


第2話 影女

脚本:穂科エミさん  演出:下畠優太さん

出演:杉崎 花さん  石井杏奈さん  白洲 迅さん  横澤夏子さん 他

 「生霊」がテーマとなっているので、なんとなく話のオチが最初から予想できるのですが、その分、主人公=河村佳奈子(杉崎 花さん)の先輩=夏乃(横澤夏子さん)が、アパートの部屋について、何か秘密(事故物件?)を知っているようなミスリードを誘う演出があったり、しっかりとホラー作品の造りをしています。

 ただ、生霊の正体が判ってからの主人公の心情に変化があったのか、無かったのかがよく分らない終わり方でした。生霊を飛ばしていた友人(石井杏奈さん)と仲が悪くなるでもなく、部屋には相変わらず生霊が現れ、生霊の正体は判ったものの問題は何も解決しないエンディング…。「その後」の主人公が気になる作品です。


 主な撮影場所は、主人公のアパートの部屋と勤め先のレストランです。他に主人公が、夏乃に紹介された人物に生霊にとり憑かれている事を告げられる「喫茶店」の場面と、生霊の正体をナレーションで明かす「同窓会」の場面がありますが、撮影協力の一覧に「メルパルクTOKYO」を確認できるので、同窓会の受付のシーンはメルパルクTOKYO内だろうと思います。喫茶店がメルパルクTOKYO内に存在するかどうかは、稲川淳二さんの「怪談ナイト」でメルパルクTOKYOへ出かけた時に探してみようかと思います。


 生霊が現れるアパートは、TVドラマの撮影によく使われる「横浜市青葉区のアパート」です。「重版出来!」「AKBホラーナイト アドレナリンの夜」「チーム・バチスタ 3」などなど、在京キー局の番組制作部としては、撮影スタッフと機材の置き場所になる駐車場もあり、「近場で使いやすい物件」なのだと思います。

 そして、もう一方の重要なロケ地、主人公と先輩が務める「レストラン」は青葉区のすぐ隣の「都筑区」で実際にレストランとして営業されている「NEO DINING.」さんです。

 撮影が行われた時の事が、こちらのWebページに掲載されています。ロケに使われるとお店の宣伝にもなって良いですね。

● 「NEO DINING.」さん、facebook


第3話 箱

脚本:酒巻浩史さん  演出:星野和成さん

出演:野村周平さん  温水洋一さん  室井 滋さん 他

 いかにも、いわくありげな「旧家」「蔵」に祭られた得体の知れない「箱」。100年以上開けたことがない蔵に祭られた箱を必要以上に怖がる旧家の主人(温水洋一さん)の様子が、この箱の恐ろしさを物語っています。

 しかし、その箱の中身は「10人分の左腕」。ある一族の中で、闇に葬られた人達の腕らしい…。古い時代のものとは言え、「人の体の一部」である事が明らかなら、「100年以上開けたことがない」と言う話も嘘かもしれず、「事件性」を疑わなければいけない話だと思いますが、そこには触れずに工務店の社長(室井滋さん)は箱を譲り受けて自分の会社の「繁栄」に利用しようとする有様。本当に怖いのは「箱の崇り」ではなく、人の「欲」なのでしょう。


 撮影に使われたのは、栃木県栃木市の「おおひら郷土資料館」の「旧家と蔵」です。ストリートビューでは肝心の「蔵」(赤矢印)に近づけませんでしたが、郷土資料館へ出かければ見学できるのではないかと思います。特徴のある蔵なので、地元の方は本編に登場した時に郷土資料館の蔵だと気付かれたのではないでしょうか?

 主人公=間宮和幸(野村周平さん)が務める「タカダ工務店」の所在地は、「或るマンション」の「川口市役所 領家公民館」の情報と同様に、「Twitter」への投稿で「大平にある」というザックリとした情報で探すことになったので見つけるまでに時間がかかりましたが、本編の映像から建物の位置関係と大きさで、「Googl Earth」の画像の中に一致する建物を探すという「パズル」のような作業で見つけました。ストリートビューで建物を確認した時に、TVの画面で観た建物と同じだとちょっと感動します。

 ストリートビューでは建物の前まで入って行けませんが、ツートンカラーの建物の色と、特長的な看板は本編に登場した「タカダ工務店」に間違いありません。


第4話 お墓はどこでしょうか

脚本:酒巻浩史さん  演出:森脇智延さん

出演:遠藤憲一さん  大友花恋さん 他

 「白い服の女を見たことを人に話したら、一族の長が死ぬ。」という「言い伝え」がある長峰家。白い女の話をして亡くなってしまう主人公=長峰 修(遠藤憲一さん)の父親。

 一族の「墓所」の拡張工事で掘り出された謎めいた「花嫁衣裳(白無垢)」に、一族が背負わされた「言い伝え」の理由がありそうですが、詳細は説明されずに主人公の前に姿を現した「白い女」

 あのシチュエーションは怖い!遠藤さんの恐怖の演技もなかなかでしたが、あの状況だと普通の人なら「気絶」してしまうでしょうね。

 主人公が白い女の姿を見て以来、家の中に白い女の存在を感じさせる異変が起き始めている事を台詞で言わせて、主人公の後ろから白い服の娘(大友花恋さん)が、そーっと近づいて来る「後ろっ!後ろっ!」的なベタな演出も、白い女の訪問までの緊張感を高めるのに効果的だったと思います。

 その娘も、たぶん白い女を見てしまったであろうというラストシーンがこの一族の背負った「業の深さ」をイメージさせて怖かったです。

 ただ、それならば「言い伝え」の内容を「白い女を見たとしても、見たことを誰にも言うな!」という言い伝えに変えて子孫に伝えれば、「白い女」に怯える必要もなくなるのではないかと思いますが…。


 本編冒頭の「高知県須崎市」という字幕の向こうの風景。長峰家として使用された「里山スタジオ いわふね」近くの道から撮影された風景でした。

 栃木県下都賀群岩船町三谷の「里山スタジオいわふね」(赤矢印)です。目の前の坂道を上がると「いわふね」ですが、ストリートビューではここまでなので、ハウススタジオの詳細は「いわふね」のWebページをご覧ください。

 TVドラマやCMの撮影でよく使われるので、見覚えのある情景が見つかると思います。


● 「オリジン里山スタジオいわふね」Webページ

 この話では「長峰家の墓所」も重要な場所でしたが、ストリートビューでは山の中まで入れなかったので墓所の候補地が「いわふね」の近くに二か所ありましたが、本編の撮影が行われた場所かどうかは確認できませんでした。

 本編に登場した「長峰家の墓石」は撮影用の作り物の可能性もありますが、実際の墓石の家名を見て登場人物の「家名(苗字)」が決められた感じもします。

 この墓所に通じる「竹林の中の道」が、この場所にあるかどうかも判りませんが、あの道は、ぜひ歩いてみたいです。


第5話 コール

脚本:酒巻浩史さん  演出:森脇智延さん

出演:北川景子さん  志尊 淳さん  川栄李奈さん

 「病院」で起こる「怪奇現象」がテーマの話。どこの病院にもこういう話はある…、と言うより、こういう話が無い病院の方が珍しいのではないでしょうか?元気になって退院する人もいれば、元気になるはずが亡くなってしまう人もいますし、意識不明で運び込まれて、一度は心臓が止まっても蘇生して生き返る人もいる。今の瞬間に、その人が生きているのか、死んでいるのか、誰がどう判断するのかも定かではない「生死が混在した空間」が「病院」ですから、「心霊現象」なんてあって当然なのだと思います。

 それ故、自分自身に「生きるぞ!」という強い意志がないと、「死に部屋」の住人に連れて行かれてしまうのかもしれません。

 それにしても、自分が務める病院の病室を「死に部屋」と呼んでしまう川栄李奈さんの看護士もどうかと思います。


 さて、そのロケ地は…。本編冒頭で「静岡県菊川市」として映し出される病院は、横浜市旭区の「神奈川県立がんセンター」です。

 「病院もの」にはよくあることですが、病院の「外観」と役者が演技をする「院内」が別の場所というパターンです。ちなみに、「夏の特別編2013」の「Xホスピタル」では病院の外観は「港区(東京)」、院内(患者対応)は「牧之原市(静岡)」、院内(ストラッチャーに追われる)は「富士見市(埼玉)」です。この作品もそのパターンで撮影されています。外観は前述の「神奈川県立がんセンター」、「死に部屋」があるという病院内は千葉県松戸市の「松戸リハビリテーション病院」です。

 当然の事ですが、院内の撮影が行われた「松戸リハビリテーション病院」に「死に部屋」はありません。

 主人公=深川京香(北川景子さん)の自宅として登場した「FUKAGAWAベーカリー」。店名の部分はCG処理で加工されたものか、実際に「FUKAGAWAベーカリー」の店舗用テントを製作したのかは判りませんが、お店自体は千葉県流山市のベーカリー「流山パンドォル」さんです。

 「制作予算」という面から考えると、「使いまわし」がきかない店舗用テントに費用をかけることは避けるのではないかと思うので、「FKAGAWAベーカリー」はCG処理だろうと思います。

 過去に放送された、剛力彩芽さん主演の「さとるくん」でも、さとるくんに電話をかける場面の、公衆電話が設置された店のテントに「加賀屋酒店」の店名がCGで描き込まれていた様なので、今回も同様にCG処理だろうと思います。

 「夏の風物詩」になった感がある「ほんとにあった怖い話」、ブログ「やさぐれ Modeling Cafe」にも書きましたが、各話の最後の「幽霊」が登場する場面もすっかりパターン化されて、いつ幽霊が出るかが判っているので「どんな幽霊が出るか」を楽しめるようになりました。1話目の「或るマンション」のラストシーンも、「次に主人公が視線をあげたら、幽霊がバーンッ!だな。」と思っていると、その通りに「白目の幽霊」が「バーンッ!」。幽霊の「ビジュアル」も髪の毛で顔を隠す&白目。そして、「怖がらせる」と言うより「驚かす」という演出ですが、今は「びっくりしたぁッ!」を「怖かった」と錯覚する人が多くなっていますし、コミックスなどの漫画で「恐怖」を表現しようと思うと、「腐りかけのゾンビ」のような「グロテスク」な画を描いてしまった方が手っ取り早いので、「不気味なビジュアルで驚かす。」(=遊園地のお化け屋敷)という方法になってしまうのは仕方ないかもしれません。。

 さて、来年はどんな話で怖がらせてくれるでしょうか。