ゆるっとぬるっとニッポン神話
日本神話と呼ばれる伝承はほとんどが『古事記』、『日本書紀』、『風土記』の記述によって伝えられたもの。
実際、日本人なのに、あまり詳しく日本神話を知らない人が多いものです。
神社ブームで御朱印欲しさにお参りしても、その神様は良く知らないけどご利益があればラッキーってことで。とか思ってませんか?御朱印帳はスタンプラリーじゃありません!ちゃんと神様を知ってお詣りしましょう。
とはいえ、日本神話って…神様の名前が長くて面倒臭いし漢字が難しい。覚えるのは一苦労…。
そんな日本神話の物語や神々を研究者、専門家、マニアの説を元に「だいたい平均的にこんな感じ」と現代風や時代劇風、時にはSF風にアレンジし突っ込みながら温めにユル~く、紹介します。
序章:『古事記』
古事記(こじき)は現存する日本最古の歴史書と言われています。
天武天皇の命で仕えていた稗田阿礼(ヒエダノアレ)が「誦習」していた『帝皇日継』と『先代旧辞』を、後に太安万侶(オオノヤスマロ)が書き記し完成させました。「誦習(しょうしゅう)」とは読んで覚えたり、頭で覚えること。
当時、読み書きできる人は殆どいませんから…
原作・稗田阿礼、脚本監修・太安万侶といったところでしょう。
<アレとヤスマロの古事記編集物語>
天武「おーい、アレいる?アレ!なんだっけ?アワダ?ムギダ?のアレ」
阿礼「ヒエダ、稗田です!天皇。アレ、アレ呼ばないで下さい。“アレ”じゃ、みんな好き勝手なアレを想像しちゃいます。 お仕えして長くなるんですから、そろそろフルネーム覚えて下さい。」
天武「あーそうだったかな?まぁ~よいではないか。そのような細かい事は。ところでさ~天皇として、やっぱ、ちゃんと歴史を後世に残さないと、と思ってさ。で、阿礼って記憶力いいじゃん。だから各地の伝承とか最初の天皇の話とか伝えられてるコト、全部集めて覚えておいてよ」
阿礼「え~!マジっすか?ご自分で覚えてたらどうです?」
天武「朕は公務で忙しいのだ。それにオマエ好きでしょ?そーゆーの。いつかそれを、書物に出来たらオマエも歴史に名を残せちゃうよ~♡」
阿礼「それ、結構な時間と労力ですよ!少しはお給金上げて下さいよ~」
…という感じに、とびぬけた記憶力を持つ稗田阿礼28歳は天武天皇の命により、文字がまだ一般的でなかった時代に各地に伝わった神々の話、天皇の歴史などを半ば強制的に記憶させられたのです。 頑張れ、阿礼!寿命と記憶力が尽きる前に!寿命は現代よりもずっと短い…
そして時は流れ、天武天皇の姪で息子の嫁だった女帝・元明天皇の時代へ。
元明天皇「ちょっと、“た”!太はおるか?」
太安万侶「天皇!私、“た”ではありません。姓は「おおの」名は「やすまろ」文字では「太」で一字ではありますが一文字 で、おお…」
元明天皇「なんでもいい!叔父様が記憶力抜群のアレだかソレだかに覚えさせた我が国の伝承と歴代の天皇の歴史があるの知ってるでしょ?」
太安万侶「ソレではありませぬ、アレです。稗田阿礼でございましょう?」
元明天皇「ああ、それ、アレね。そなた字書けるでしょ?そのアレが覚えたソレをまとめて書にして持ってきて~」
太安万侶「え~!私がですか?」
元明天皇「どうせ、毎日どうでもいい“なんちゃって会合”してるだけでしょ?せっかく文字を学んだんだから、さっさと取り掛かって!」
太安万侶「そんな…ちゃんと働いてますって!(それよりも阿礼、まだ生きてるのか?ボケてないか?)」
という感じに、天武天皇が稗田阿礼に命じ覚えさせた『帝紀』『旧辞』を貴族のボンにしては真面目で博学だった太安万侶が筆録し、和銅5年(712年)1月『古事記』として元明天皇に献上したのです。
「古事記」は上・中・下の3巻。天地開闢 (日本神話)から推古天皇の記事が書かれていました。忠実な太安万侶は現代にたとえるなら、休日返上!盆暮れもなく誕生日もクリスマスもものともせず、部屋に籠りきりで超ブラック企業さながらの激務を全うしました。
…とまぁ、序章は長々となりましたが「ゆるっと、ぬるっとニッポン神話」
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