いのちが大切にされる社会になるように

子どもを抱える大人にとって、何よりも優先すべきは子どものいのちです。でもそう思えるかどうかは、大切にされた親自身の経験や実感なくしては、子どもへの愛情も、自然に湧き出るものではありません。母性や父性というのは、子育てにまつわる知恵や知識、周囲の協力など社会的経験から育まれるものではないでしょうか。

子どもを守る取り組みは、母親や父親の気持ちや人権が尊重されることから始まります。子ども支援はまず「その親から」です。

未婚の女性が突然、妊娠したら、もちろん周囲は驚くでしょう。しかし、何よりもいのちを大切にできる社会でありたい。そういう社会をつくっていきたい。けっして、突然の妊娠に戸惑う学生を、教育が排除するなんてことがないようにしていきたい。私たちがそう変えていくべきです。

そして当然ながら、女性だけでなく、男性にも同等の責任があるはずです。妊娠は、必ず男女ペアでしか実現せず、女性だけが退学を強いられたり、子育てを一方的に任されたりする理不尽なこの世を変えたい。次世代が安心して産み育てられる社会になるように。できることから考えてみませんか。