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Atlanta Life ~via Belgium~

アイヒマンを追っかけて

2017.09.21 13:52

学校が始まってから、最近あまり映画を見れていません。いや、見る時間はあるんですが、常に頭の端っこに「あぁ宿題やらないと…」という思いがあって、なかなか見る気になれないんです。映画をいっぱい見ようと思って、この間Amazon USAで「Kindle Fire HD8」という映画を見るのに適したタブレットまで購入したのに(なんとお試しのプレミア会員価格で40ドル!安い!)、まだ一度も使っていない。これはジムで運動しながら映画を見ようと思って買ったんですが、買ってからジムにすら行っていない。まぁ、その代わり新しく出来た友達と遊びに行ったりしているからいいかな。家にこもって映画を見まくるというステージは2週間で終わってしまいました。毎日映画見るぞと張り切ってたんだけど。


そんななか「アイヒマン」に関連する映画を2本見ました。え、アイヒマン??という人も多いと思います。アイヒマンは、第二次世界大戦中にアウシュビッツを始めとする強制収容所で、ユダヤ人の大量虐殺を指示した戦犯とされる人。「ヒトラーの右腕」とも称されます。


映画を見るまでアイヒマンなんて全く知らなかったんですが、最近私が第二次世界大戦系の映画ばかり見ているからか、Amazonがオススメしてきて、1本見てみたら芋づる式に関連作品をどんどん紹介してきたという次第。アイヒマン関連で私が見たのは、「アイヒマンを追え!」というのと、「アイヒマン・ショー」という作品。日本語字幕があるものだけでも、アイヒマン関連は4、5本くらいありそうでした。どれも比較的新しいもので、ここ2〜3年以内に出たものばかりでした。当時世界で、そういう潮流があったのでしょうか?


結論としてどちらともなかなか良い作品でした。

「アイヒマンを追え!」の方は、フリッツ・バウアーというユダヤ系の検事が、アルゼンチンに潜伏中という噂のアイヒマンを追い詰めていくというストーリー。舞台は1950年代後半のドイツ、フランクフルト。当時の時代背景もとても分かりやすいし、勉強になった作品です。世界大戦終了後でも、まだまだナチス党員はドイツの国の幹部として残っていて、沢山の人がバウアーを邪魔しにかかります。アイヒマンの逮捕は難を極め、バウアーは禁じ手である、イスラエルの諜報機関に協力を求める…

さらに、バウアー検事が同性愛者だったことも、この映画のアクセントになっていました。当時、同性愛というのは御法度。タブーというレベルではなく、本気で裁判にまでかけられるような絶対禁止の行為だったのです。バウアーを監視する目は厳しく、孤軍奮闘の状況で逆風だらけでしたが、難局を乗り越え、なんとかアイヒマン逮捕に漕ぎつけます。

なんだか難しそうなテーマの話ですが、重くなりすぎない様に映画は作られているし、2時間切る作品なので結構さらっと見れてしまいます。Amazonに勧められて見てよかったな。


次に見た作品は「アイヒマンショー」。アイヒマン逮捕を受け、アイヒマンを今度は法廷で裁き、それをTV中継するという内容。逮捕→裁判という順番で見たので、流れがとても分かりやすかったです。時代は1961年、「世紀の裁判」として世界中で非常に話題になったそうです。

この「TVショー」の監督として抜擢されたのは、当時アメリカで反共産主義者として職を失っていたレオ・フルヴィッツ。レオはアイヒマンのありのままの姿を撮ろうとするのですが、どんなにアイヒマンを追い続けても皆が想像する極悪非道のモンスターのような姿は撮れません。むしろ、普通のどこにでもいるような人間像しか出てこないのです。本作が伝えたかったメッセージは、誰でもアイヒマンになりうる、という怖さだったんじゃないかと思います。

半分ドキュメンタリーのような形で、実際の法廷の映像が何度も映画の中に出てくるのですが、印象的だったのが、アイヒマンの平然とした表情。自分の行った卑劣な行為を目の当たりにしても顔色一つ変えない、自分は命令に従っただけで無実だと主張します。アイヒマンの表情を崩そうと、アウシュビッツで彼が行った行為も多く映し出されます。その中には本当に目を背けたくなるような恐ろしい映像も多く、人がゴミのように扱われていました。当時はドイツ人もユダヤ人も、ナチスが行ったことについて口をつぐんでいたそうで、こうやってユダヤ人迫害の真実が明るみに出たのは初めてのことだったそうです。

この時代に生きていなかっただけ、なかなか肌感覚で事実を知ることは難しいですが、それを助けてくれた2作品でした。


他にも最近以下の映画を鑑賞。簡単な感想を記しておきます。



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