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奄美な生活

正月祝い(1月1日)

2017.09.08 04:30

 早朝の暗いうちから,集落の泉で水を汲む。この新年の水を「ワカミズ(ハツミズ・コガネミズ)」といい,この水をこの日のあらゆることに使った。例えば家族中の人の洗顔,茶沸かし,炊飯,昨日の食器洗い(クンチ=大晦日には食器を洗ってはいけなかったため)などである。このワカミズは神聖な水とされ,飲むと若返るとか健康でいられるなどと言われた。


 客の来ないうちに三献(アササンゴン)を召し上がる。皆新しい着物を着て,一の膳(昆布だしの餅の吸物),二の膳(刺身),三の膳(豚(もしくはソージなどの魚)の吸物)の順番でいただくのだ。上座の長が家族一人ひとりに酒を取り交わし,干物に塩をつけて授けた。


 その後,親戚や友人などの家へ挨拶回り(ヤーマワリ・ヤースキ)をする。回りきれなかった家には2日に回る。


 というのが昔の過ごし方であったが,水道が整備されてからはワカミズを汲むこともなくなり,三献料理を頂く程度になっているようだ。また,つい20年程前までは皆が旧正月に公民館に集まって盛大にお祝いをしていたらしいが,今では新暦の正月に男たちが公民館で軽く祝う程度になっているそうで,旧正月にお祝いをする家は少ないようだ。