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藤田晋 invitational RTDリーグ

勝又のアガれるエリア選択!平賀の突破力! RTDリーグ2017準決勝第3節13、14回戦レポート

2017.09.11 10:00

9/3(日)14:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグ準決勝第3節13、14回戦の様子をお届けします。

レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。

開始時のポイントはこちら↓

13回戦、上位3名vsここで1人でも上位を崩しておきたい猿川という構図。

どうしてもトップのほしい猿川が落とせないオヤ番で生牌の中を掴み、勝又が12000でリードを広げる。

すると、その勝又、次局でも早々にイーシャンテン。

ここからは当然の打7sで、イッツーも残しながら、三色のイーシャンテンに構える。

しかし、雀頭が振り替わった3巡後、勝又が意外な打牌を選択する。

三色のイーシャンテンに受けるなら4sか7sを切るしかないのだが、勝又は9mを選択したのだ。

思考としては、ソウズが安く、4s7sを軸にソウズのチンイツまでいける可能性が出たというところ。

カン8mとペン7pの選択ではペン7pのほうが優秀だから(猿川の第1打9p、全体的なマンズの高さを見て)、9mを切ったとのことだった。


これに対し、オヤの白鳥がなんと国士をテンパイする。

しかし、この大物手をすっとかわしたのは勝又。

ペン7pを引き入れた勝又は、狙い通り場に安いソウズで猿川から5sを打ち取って2000。

カン8mが顔を見せる前に、見事な最速のアガリで白鳥の国士を粉砕した。

このように、勝又はアガれるエリア探しが非常にうまい。

探すのがうまいだけなら他にもうまいプレイヤーは何人もいるのだが、勝又のすごいところは、今回のような三色のイーシャンテンなど、崩さなくてもいいところを自分の読みに従ってあっさり崩せるところにある。

麻雀IQ220に従って動くまで右手を鍛錬していること、それが勝又の強さであり、勝又の麻雀を観ていると「心技体」という言葉がよく浮かぶ。


とはいえ、麻雀というゲームの性質上、勝又とて、それがすべてうまくいくわけではない。

南3局、オヤの猿川が2つ鳴いて、ホンイツイーシャンテンの場面。

テンパイの入った勝又だったが、ピンズを打たずにテンパイ取らずとした。

実はこのとき、小林がツモ切りを続けており、前に出てきているように見えたのだ。

小林にアガってもらうためには、猿川にピンズを鳴かせず、局面を長引かせることが有効なため、ピンズを押さえてマンズを切っていったというわけだ。

その間に、猿川にテンパイが入った。

これを受け、小林の手が止まる。

実はテンパイしていた小林だったが、猿川からピンズが余ったことを確認すると、4pを手に留めて4mを打ってテンパイを崩した。

これを見た同巡の勝又。

テンパイ復活と同時に、1度は止めた9pを打って、猿川に5800放銃となる。

1度止めたピンズを打ち出すのは勝又らしくないな、と思ったのだが、その読みの精度がすごかった。

勝又「白鳥さんも抑え気味だし、打4mで小林さんも抑え気味になったように感じたので、これは自分がかわしにいかないとまずいと思い、押しました」

実際、その読みがピタリとはまっていることに驚愕する。

しかし、無情にも9pはアタリ牌。

これが、麻雀の難しいところである。


とはいえ、失敗を恐れず局面に合った打牌を続ける勝又は、4m7mを仕掛けないと間に合わないと判断し、苦しい形ながら4mチーから入った。

すると、すぐに8mを引き入れ、猿川から出た8mにロン。12000のアガリでトップを決めた。



続く14回戦では、平賀の突破力が光った。

村上のリーチを受け、たろうが押した4mをチーしてホンイツのみのテンパイを組んだ平賀は、ドラの中を押していく。

すると、この中をたろうがポンして3人テンパイとなるのだが、平賀がたろうから8mでアガり、2900でかわしてしまう。

平賀の特徴として、複数人テンパイでのめくり合いに強い印象がある。

それは、当然のことながら、アガりやすい待ちを選択しているからだ。

トップ目で迎えた南1局でも、ペン3mチーでカン5mのテンパイを組む。

すると、すぐに引く4mで高目ドラのシャンポンに受け替えず、カン5mを続行した。

カン5mはヤマに3枚、シャンポンは1枚のみだった。

そして、4人全員テンパイを5mツモで切り抜け、1000・2000。


複数人テンパイを制するためには、まず自分がテンパイしていなければならないわけだが、平賀はよくテンパイしている。

その理由の1つとして、少し苦しいところからでも仕掛けてみるというのがある。

トップ目のオーラスも、ここから3p4pで5pチーから入った。

確かに、4p7pはよさそうであるのだが、少し苦しい。

だが、このチーの効果は、自分がアガリに近づくというだけにあらず。

奇跡の大逆転に向け、スーアンコを目指していたたろうが、平賀のチーを見て渋々チートイツのテンパイを組んだのだ。

結局このままたろうが1600で2着になるアガリを決め、平賀が逃げ切り。

トップ目でも前に出ていける平賀には、こういう突破口も開けるというわけである。

平賀が白鳥に食らいつき、なんとか逆転できるポジションに踏みとどまっている。


鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)


■次回9/24(日)19:00から準決勝最終節をAbemaTV 麻雀チャンネルにて生放送予定