東急の無料乗り放題にかける想い
東急池上線の「無料乗り放題」イベントが話題になっています。
そこで東京急行電鉄が「無料乗り放題」の背景について迫りたいと思います。
イベント概要
東急池上線の「無料乗り放題」イベントは、10月9日に五反田~蒲田間の10.9kmを結ぶ池上線を1日無料で利用できるようにするものです。
改札付近で配布された「東急池上線1日フリー乗車券」を使って無料で乗車できるという仕組みです。
「開通90周年記念イベント」の一環として開催されます。
激化する私鉄の競争
東急は東京メトロに次ぐ私鉄2位の売上を誇ります。
しかし小田急電鉄が2018年春に複々線化による混雑緩和や時間短縮による快適さを売りに東急田園都市線からの流入を図ります。
また相模鉄道によるJR直通線の登場も東急にとってはおおきな痛手となる可能性があります。
これら小田急や相鉄の攻めによって東急も戦略が問われています。
池上線の存在
東急は田園都市線、東横線の2つの路線が大きな収益源となっていました。
しかし、他社との顧客競争によって両路線の収益が下がってきています。
そんな中で、池上線が持つ重要性は増してきました。
池上線は五反田駅と蒲田駅を結んでいます。
五反田駅はJR山手線、都営地下鉄浅草線も乗り入れているハブ駅となっています。
また現在、蒲田駅には羽田空港と乗り入れられる蒲蒲線のプロジェクトがあり、池上線の存在感は益々大きくなっていくことでしょう。
無料乗り放題イベントの先に
実は開通90周年を迎えるのは来年、1年前倒しでのキャンペーンに東急の焦りと池上線の可能性にかける想いが感じられます。
これをきっかけに池上線活性化によって、人口が増加による乗客増加や蒲蒲線成功を目指しています。
10月9日「とおきゅうの日」のイベントにかける東急の想いは大きなものでしょう。
東急の新たな歩みはまだ始まったばかりです。