香椎宮
福岡県内には三社のみの官幣大社
福岡県は歴史のある神社が多いのですが、そこまで観光に熱心という訳ではないので全国的には当然ですが福岡県民ですら詳しくは知らない方も多いかもしれません。
この度、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が世界遺産となったことで宗像大社が注目されています。宗像大社は日本各地に七千余ある宗像神社、厳島神社、および宗像三女神を祀る神社の総本社で戦前までの社格制度では官幣大社でした。
この官幣大社とは、戦前の社格制度において最も格式が高く国や朝廷から幣帛(へいはく:神道の祭祀において神に奉献する神饌(お供物)以外のものの総称)ないし幣帛料を送られる神社を言い、福岡県では宗像大社、筥崎宮、そして香椎宮の三社しかありません。
福岡で最も有名な太宰府天満宮が官幣中社ですから格式の上ではこの三社の方が上になるんですよ!福岡県民ならずとも一度は足を運んでみたい神社ですね。
九州では二社のみの勅祭社
さらに香椎宮は、九州では宇佐神宮と香椎宮の二社しかない勅祭社(ちょくさいしゃ)なんです!ここは、本当に重要ですよ!!勅祭社とは、祭祀に際して天皇により勅使が遣わされる神社のことで、別格の伊勢神宮を除くと全国でたったの十五社しかありません。
【勅祭社】
賀茂神社(京都)・石清水八幡宮(京都)・春日大社(奈良)・熱田神宮(愛知)・出雲大社(島根)・氷川神社(埼玉)・鹿島神社(茨城)・香取神社(千葉)・橿原神社(奈良)・近江神宮(滋賀)・平安神宮(京都)・明治神宮(東京)・靖国神社(東京)・宇佐神宮(大分)・香椎宮(福岡)
そうそうたる神社ばかりでしょ!
逆になぜこの中に香椎宮?とさえ思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。そうなんです。香椎宮って本当に格式、歴史のある神社なんです。
いかがですか?香椎宮に行ってみたくなりませんか??
六国史に記載のある国史見在社
さらにさらに、香椎宮の凄さを紹介すると、古代日本の律令国家が編纂した6つの一連の正史(日本書紀・続日本紀・日本後紀・続日本後紀・日本文徳天皇実録・日本三代実録)である『六国史』になんと記載されている神社で、『国史見在社』と呼ばれ、格式高い神社として後世になって特別視されたほどなんです。
この国史見在社は勅祭社の中では石清水八幡宮と香椎宮の二社しかありません。本当に日本の歴史が始まった頃からこの香椎の地は特別だったんですね。
香椎宮。。。凄すぎです。恐れ多くなってしまいます。
創建1,300年の歴史を刻む香椎宮
香椎宮の創建は神亀元年(724年)と言われ、約1,300年もの長い歴史を刻んできました。
お祀りしているお神様は、第十四代天皇である仲哀天皇とその皇后である神功皇后。
ちなみにこの神功皇后が鎧を着けたとされるところが鎧坂と言われる香椎小学校から九産大側へ上がっていく坂道です。
ご神木『綾杉』が西暦200年と言われているので相当な昔からここはパワースポットだったのは間違いないでしょう。
重要文化財の本殿
建築物としては本殿が江戸時代の享和元年(1801年)に福岡藩主10代黒田長順によって再建されたものが現存しており、香椎宮本殿にしか見られない独特な造りで「香椎造(かしいづくり)」と称されています。
国の重要文化財になっているんですよ!
地元の人達が愛飲する不老水
この本殿から北方の山手に所在する霊泉が有名な「不老水」で、毎年正月に綾杉・椎茸とともに皇室に献上されるんです。名水百選にもなっています。
まだまだ語ることは多くありますが、それは興味を持った皆さんがそれぞれ調べてみてください。福岡市東区にある歴史のある格式高い香椎宮。ぜひいちど参拝されてみませんか?