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WUNDERKAMMER

Aの家の神様

2017.09.14 08:09

ある日、Aが 「うちには神様がいる」と言い出した。 


私が小学生だった頃、団地に住んでおり、そこにAとが引っ越してきた。

同い年で自分の家の一つ下に来た為すぐに打ち解けて友達になったが、

「神様」

どういう事なんだろうか。

なんとなく母にその話をすると、どうもAの家はいかがわしい宗教団体に入っているらしいとの事。

 Aの母親は殆ど家から出ず、 その宗教団体の会合の時だけ外出するといった感じだったらしく、 時刻を問わず階下から変なお祈りが聞こえて気味が悪いとの事。


数日後の夕方、学校から帰り一人で漫画を読んでいると、  階下から物凄い勢いでお祈りが聞こえてきた。 その日はいつもより酷く、お祈りというかうめき声のよう。

一向にやむ気配がなく、段々酷くなってくるので 心配になってAの家に行く事に。

その日までAの家の中には入ったことがなかったので、 少し躊躇しつつ呼び鈴を鳴らす。するとすぐにAが扉から出てきた。 先ほどのうめき声が充満する扉の奥。

 Aは私を見るなり必死な顔をして、 「神様が暴れ出した!たすけて!」 と言った。

 部屋の中はまだ夕方の早い時間なのに カーテンを締め切っているせいで薄暗かったが、Aに案内されるままに一番奥の部屋に入った。


そこには豪華な祭壇があり、人がいた。

手足は椅子に縛り付けられ、髪はきれいに剃り落された、人。

それがあのうめき声をあげていたらしい。

 酷く衰弱しており、もはやうめき声もかすれていたが、 かすかに聞き取ることができた。 

「カ…ミ…サ…マ…」 


  後日談、Aの両親は娘が生まれた時、教祖に 「この子は神様の生まれ変わりだ」 といわれたらしい。 それ以来、彼らは娘を神様として祭壇に祭っていたらしい。

 保護されるまで5年近くも手足を椅子に括りつけられたままだったため、手足は大きく捩れていた。 

娘は喋る能力はなかったが、毎日聞かされていたのだろう 「カミサマ」という言葉だけは覚えていたようだ。