「Lean to Draw」John Lurie
ジム・ジャームッシュの新作「パターソン」はまだ見ていないのですけれど、見に行った人は皆良かったよ、と言うので見に行きたいなあと思いつつ、今日紹介する本は、そのジャームッシュともつながりの深い、ジョン・ルーリーのドローイング集「Learn to Draw」です。
世代が違うので全てリアルタイムではないのですが、ストレンジャー・ザン・パラダイスを見たのよりも、ラウンジ・リザーズを聞いたときのほうが早かったと思います(ジョン・ゾーン関係を10代の頃にまとめて聞いてたので…)。
それでもジョン・ルーリーはジャームッシュの映画の人(ストレンジャー〜よりFishing with Johnのイメージのほうが強いという不真面目なジョン・ルーリー観なのですが…)というイメージが強いですね。
ですので、画集を出していると知ったときには多才な人なんだなあ、と驚きつつその本のページを捲って見ると、そんな感想とはまた違って、ああ、やっぱり、こういう人なんだ、と言う感動がありました。
悪意と善意と、それを包むユーモアが一体になったような力の抜けたドローイング集。
一見悪夢のような場面も多く書かれていますけれど、その抜けた筆致で、見る人をどこか和ませてくれます。やる気のないデヴィッド・リンチ、なんて言うと失礼でしょうか。
どの絵からも不穏な象徴を読み取ることは出来るのですが、ジョン・ルーリーの不思議な明るさが、この画集をまるで大人のための絵本のような画集にしているのです。
「sad dog and cake」と題された絵なんて、そんな雰囲気を体現したような絵で、このタイトルからだけでも、そうしたものを感じられるのではないでしょうか。
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「Lean to Draw」John Lurie