カール大帝の夢21-教皇レオ3世を審問
2017.09.17 05:46
皇帝打診よりもカール大帝は、もう一息のザクセン討伐やデーン人の来襲で忙しい。ところがヴァチカンは多分アルクィンに「なんとかしてくれ」と頼んだのだろう、カールはまたトゥールのアルクィンのところへ相談に行く。2人の会話を想像してみよう。
「皇帝を打診されたようですね」「そうだけどな、オレはもう王だからな、別に教皇からわざわざ冠をかけてもらうこともねえよ」「いや陛下、あなたこそ神に選ばれたかたです、それを世界に示さねばなりません、特に東ローマには」「またそんなウルウル顔して言う!だいたいローマも内で揉めてるじゃねえか」「そうですな、まずそれを直してもらわないと」
800年8月、カールは大軍を率いてマインツを出発した。そのままローマへ入ると思いきや、ラヴェンナに留まった。11月23日メンターナに赴き、ここで教皇がカールを出迎えにローマから赴いた。そしてローマに入ったカールが言いだしたのは何と教皇レオ3世の潔白調査であった。
12月1日、カール達は3週間もかけて反対派も呼び、教皇レオの調査を行った。そして決まったのは、教皇レオ3世が、聖書に手を置いて、自ら潔白を証明するということだった。カール達は、教会の守り手として、教皇がキリスト教に背くなら許さぬ、という実力デモンストレーションを行ったのであった。
下はラファエロ作「潔白の証明をするレオ3世」下に教皇の嫌そうな顔の拡大図付