決戦前夜 BL版
■男性サシ劇です
※同性愛の描写を含みます
※口づける描写がありますがリップ音は無しで演じていただいても内容が分かる様に書いていますので問題ありません。もちろんリップ音を入れていただいても問題ありません。
■タイトルを読み上げる時は
【決戦前夜】のみでお願いします。
■決戦前夜シリーズは性別改変一部OKです
※男性声の出せる女性の男性役
※女性声の出せる男性の女性役
上記はOKです。
コメディ要素が入りそうであれば御遠慮ください。
他に
○女王×騎士団長
女性1︰男性1
○国王×女騎士団長
男性1︰女性1
の台本もご用意しています。
※もし、女性サシ劇で使用したい場合はどうぞお声がけください。女性サシ劇verの台本をお渡しします。
【補足】
※冒頭のナレーションは現在の年齢でお読みください
※テラスのシーンは2人とも18歳設定ですがそこまで極端に声を変えなくても大丈夫です
※成人してからは27歳ぐらいのイメージです
【人物設定】
主:この国の王女。男勝りで負けず嫌い。
優しい両親の元で育つ。思った事は素直にはっきりと言う。
騎士団長が唯一の同年代の友達。
騎士:ぶっきらぼうで全てを諦めている。人生は生まれで全て決まると思っている。
テラスに忍び込んでは主の話し相手になっている。主と出会う事で少しずつ心身ともに強くなる。
それではどうぞこの世界観に浸り
心ゆくまでお楽しみ下さいませ。
以下CAS等の上演の際によろしければお使いください
↓(所要時間︰約40分)
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【決戦前夜】
作…七海あお
主 ︰
騎士:
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【STORY】
※ここから本編です
主(ナレーション)
争いを好まない国王と心優しき王妃が君臨するこの国
海に面し他の国との交流は一切行わないが
豊かな資源と自然に恵まれ
一年中色とりどりの華が咲き乱れている…
諸外国からは
幸せの国と呼ばれているらしい…
武力行使に訴えない事を決めたこの国の王は国から一切の武器を葬った
その代わりに人々には言葉の力を与えた
言葉の力を得た国民は血を流すことなく日々を過ごしていた
元々、天性の人心掌握術(じんしんしょうあくじゅつ)に長けていた王だからこそなし得た功績なのかもしれない
この国はとても平和だった…
騎士(ナレーション)
争いを好まない国王と心優しき王妃が君臨するこの国
海に面し他の国との交流は一切行わないが
豊かな資源と自然に恵まれ
一年中色とりどりの華が咲き乱れている…
諸外国からは
幸せの国と呼ばれているらしい…
その反面
幸せを望み他の国から逃げてきた難民があとを立たず
そこに付け入り奴隷業(どれいぎょう)を生業(なりわい)とするものも少なくなかった
光ある所には必ず闇が生まれる
言葉の力を持った人々は難民を言葉巧みに操って自らの幸せを広げていった
この国はとても平和だった
ある一部のもの達を除いては…
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~シーン~
王宮のテラス
18歳の2人
■主、みんなの目を盗み葉巻を吸う
主
(ためいき)
「毎日毎日次から次に覚える事ばかり…
口を開けば大人達は「あなたはこの国の王になる方なのです。今からそれにふさわしい人になる様にしっかり準備をしておかなくては」って嫌味ったらしく…
俺は好きでここに生まれた訳じゃないっつうの」
騎士
「へぇー。だったら俺と交換するか?」
■主、慌てて葉巻の火を消す
主
「!?·····なんだお前か…いつの間に…」
騎士
「次期国王が成人前に喫煙かー。良い国だなー」
主
「お前が俺に教えたんだろ?」
騎士
「まさかほんとに吸うとは思わなくてさ」
主
「お前なー」
騎士
「人間なんて結局、生まれ持ったもので生きてくしかねぇんだ…
それが望むものでも、そうでなくても·····」
主
「……」
騎士
「今日はお前に別れを言いに来た」
主
「はっ?なんだよ唐突に」
騎士
(イライラしながら)
「確かにお前に自由は無いし窮屈なんだろうさ。でも·····人間でいられるだけマシだろ?」
主
「は?人間でいられるだけマシ?お前…何怒って…」
騎士
「変えられないと決めつけてグダグダ文句言うなら、やれる事やってから言えよ…
お前ならきっとそれが、出来ると思うから」
主
「……… 」
騎士
「お前と過ごす時間、俺、結構嫌いじゃなかったぜ?
俺がここに来るのは今日で最後だ。じゃあな…頑張って良い国王になれよ」
■主、騎士の手をとっさに掴んで
主
「待て!なんの説明も無く、はいさよならで納得出来るか!」
騎士
「……」
主
「理由(わけ)を話せ」
騎士
「それは命令か?命令じゃないなら断る」
主
「ずいぶん嫌味な言い方をするんだな…」
騎士
(ためいき)
「いい加減その手、離してくれないか?」
主
「命令だ!理由(わけ)を話せ」
騎士
「本当に知りたいのか?後で後悔するかもしれないぞ」
主
「俺は、唯一の同年代の話し相手を、理由も分からずに失わなければいけないのか?
後悔なんかしない。話してくれ…」
騎士
(ためいき)
「そこまで言うなら…わかった。なあ?お前、闇マーケットって知ってるか?」
主
「噂には聞いた事がある。非合法の薬や人なんかも売られてるって…」
騎士
「ああ。難民が奴隷(どれい)として売られている。俺はそこのオークションの見張り役だった」
主
「!?嘘だろ?」
騎士
「俺の両親は俺が生まれる前から薬漬けでな、薬を買う為に大金が必要だった…
物心ついた時にはそこにいたよ。
2週間前だ
俺は大事な商品が逃げるのをわかっていて、見逃した…その責任をとって次回の闇オークションで商品として出される事になった」
主
「はっ?」
騎士
「本当なら見せしめにその場で葬られてもおかしくなかったんだが
オークションの常連の大金持ちが破格の値段で俺をご指名だそうで…
その大量の金欲しさに命だけはこうやって繋がってる…
だからもうここに来るのも今日で最後だ。
せめて人間でいられるうちに、お前にさよならを言いたかった」
主
「人間でいられるうち…」
騎士
(自嘲気味に笑う)
「どうせ最初から決まってたんだよ運命は…
俺が生まれた時から…
今日まで、ただ生きる事に必死だった
こんなクソみたいな人生だったけどな?
お前と過ごしてる時間は唯一、心から楽しめる時間だった…
奴隷になったら、ある薬を飲まされる
飲んだ瞬間は這いずりまわるほどの激痛らしい…
だがそれが治まると
一切の感情も感覚も無くなる
そうなると
この命がこと切れるその瞬間まで落札者の思いのままだそうだ」
主
「そんな事、許されて良いはず…」
騎士
「なあ?次期国王さま?
これが現実だ…良い社会勉強になったろ?
誰かの幸せは…お前の幸せは…誰かの犠牲の上で成り立っている。それがこの世の道理だ…その事はせめてわかっていてくれ…じゃあな」
主
「諦めるのかお前は!」
騎士
「諦めるも何も俺にどうしろって言うんだよ…」
主
「助けぐらい求めろよ!
お前の事、友達だと思っていたのは俺だけだったのかよ?」
騎士
「はっ?お前に何が出来るんだよ!」
主
「やってもみないで諦めるのかよ!
お前さっき言ったよな?
変えられないと決めつけてる前に、やれる事やってから言えって…
運命は変えられない?生まれた瞬間に決まってる?変えられないと決めつけて何もしないで最初から諦めてるのは、お前だって同じだろ!!!」
騎士
「!?」
主
「俺だってただなんにも考えず毎日愚痴って過ごしていたわけじゃない。
国として、水面下で進めていた事がある、今こそそれを、実行に移す」
騎士
「……」
主
「俺は、今俺の出来ることを精一杯やる!お前が助けて欲しいとその手を伸ばすなら全力で掴んで引き上げてやる!
お前はどうする?」
騎士
(ためいき)
「どうせもう自分で操る事の出来なくなる命だ…俺もやる!だから…助けてくれ…頼む」
主
「お前ならそう言うと思ってたよ…
なあ?怖かったよな?苦しかったよな?
もう、1人で抱えなくて良い…
俺がお前の運命ごと引き受ける!
だからもう無理して笑わなくて大丈夫だ」
騎士
■号泣する
主
「今までお前が受け取るはずだったたくさんの愛情は、俺がこれから与えていくから
どうか…1つとして取りこぼす事なく受け取ってくれ…」
騎士
「お前、急になにす…」
主
「俺はただ愛しい者を抱きしめているだけだ」
騎士
「これが…抱きしめられるってやつか…
とてもあったかくて安心するものなんだな」
主
「お前を抱きしめたのは、この世で俺が初めてか?」
騎士
「ああ。俺を抱きしめる物好きはこれからもお前ぐらいなもんだろう…」
主
「じゃあこれは?」
■主、騎士に口づける
騎士
「!?」
主
「嫌、だったか?」
騎士
「嫌じゃない·····」
主
(笑)
「これが口づけだ。欲望に素直なやつは嫌いじゃない。ならもう一度…」
騎士(ナレーション)
翌日、この国に自警団が結成された
難民の奴隷問題を重くみていた国王は、水面下で戦闘に長けている者を密かに集めていたという
俺はその一員となり闇マーケットへ乗り込んだ
元々武力を持たない彼らに勝ち目はなく
マーケットは壊滅
牛耳っていた奴らも1人残らず牢獄へ投獄された
俺は晴れて両親や組織から解放された
その後、マーケット壊滅の功績が称えられ
国王直々にこの国の王国騎士団への入隊の推薦を受け数年後、俺は騎士団長となった
あの日、俺の運命は確かに変わったのだ
俺自身と
そして…あいつのおかげで…
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27歳の2人
※年齢は参考程度で
~国王&王妃の亡くなった日~
騎士
「国王就任のスピーチ、大変立派でございました」
主
「お前がいてくれたからだ。1人ではとても…怒りを押し殺して笑顔を作ることなど出来なかった…」
騎士
「報告によると、ある国からの贈り物に毒物が見つかりました。明日にでも攻め込みましょう」
主
「ならん!」
騎士
「何故ですか!」
主
「復讐などしても父上も母上も戻っては来ない…
それに…いたずらに国民やお前たちの命を危険に晒すだけだ…」
騎士
「まさか、このまま泣き寝入りしろとおっしゃるんですか!」
主
「俺だって悔しいさ!だが…復讐は連鎖する…何も産まないのに大量の命が無残に葬られる。
そんな事…あって良いはずがない…」
騎士
「ですが!」
主
「武力を好まない優しい方達だった…
虫をも殺せず心から人を愛していた…
そんなお父上と母上が、復讐など喜ぶはずがない…」
騎士
「先にケンカを売ってきたのは…
いえ、国王陛下と皇后様の命を葬ったのはあいつらです!」
主
「それでも!それでも…復讐はしない。
国王になった俺が、今決めた。異論は認めない」
騎士
「……」
主
「なあ?お前と自警団を作った時に決めただろ?忘れたか?」
騎士
「それは…」
主
「俺たちは人の命を殺めたり、権力を誇示する為に武力を持つんじゃない」
騎士
「運命に抗えず命をいたぶられて苦しんでいる人たちを救う為に…
大切な命を護る為に武力を持つ…
その為に強くなる…
理不尽な運命を変えるために…」
主
「そうだ…いつかこの先、本当にこの国を、国民を護る為に、どうしても闘わなければならない日が来るまで…
俺は闘わない!誰にも!一滴の血も流させはしない!
今はまだ、その時では無い…だから…」
騎士
「わかりました。国王が、そう仰るなら…」
主
「なあ?」
騎士
「はい?」
主
「1つお前に頼みたい事がある」
騎士
「なんですか?私で出来る事ならなんでも」
主
「抱きしめて…くれないか?」
騎士
「良いのですか?」
主
「当たり前だ。それにもう、その堅っ苦しい口調も無しだ」
騎士
「ああ…わかった」
■抱きしめられた騎士の胸の中、主は声を押し殺して泣き出す
騎士
「そうだよな…悔しく無いはずないよな…すげぇよお前…ほんとすげぇ…
今日の涙は俺の胸だけにそっと閉まっておく…だから…」
■主、声を出して泣き始める
騎士
「そうだ。それでいい。全部俺にぶつけろ…
お前のその悔しさも怒りも悲しみの全てを……
俺が、受け止めるから…」
■主、騎士に口づける
主
俺は欲望のままにあいつに全てをぶつけた
泣きながら肌に噛みつき、身体中に跡をつけ·····
とても乱暴に
何度も何度もあいつが気を失うまでひたすら抱き続けた
そして
ようやく疲れ果て落ち着いてきた俺を抱きしめながら
ふと…あいつは零(こぼ)した
騎士
「俺はいつだってお前の味方だ
愛してる…」
主
その日から俺らは恋人になり
毎晩の様に共に求め合い慰めあう様になった…
そうしなければ俺はまるで亡霊の様で、立っていることさえままならなかった…
大げさではなく
あいつに救われ、支えられて生きていた…
騎士
しばらくは平穏で平和な日々が続いていた
その時がいつ来ても良いようにもちろん日々の訓練は怠らなかった
でも…心のどこかではそんな日が一生来なければ良いのにと強く思い…
空に月が登り一日の終わりを告げる度にそっと胸をなで降ろしていた
とはいえこの日々が永遠に続くはずなど無い
儚(はかな)い刹那の幻に過ぎないのだとどこかでわかってもいた…
だからこそ俺たちは…狂ったように重なり繋がりあった…
主
俺たちの願いも虚しく…その時は刻一刻と近づいていた
自らの決断で、それを決断し、あいつに告げなければならない
必死に考えた…なにか他に手は無いのかと…
かつてこんなにも必死に何かを考えたのは自警団を作った…
あいつの運命を変えて、あいつを守りたいと思ったあの日以来だった…
もうどうにもならない事は誰もがわかっていた…
今が…その時だ
意を決して、闘って欲しいとみなに告げると
その言葉を待っていたと誰もが笑顔で言う
俺は安堵に胸をなでおろしながら…
それでも一縷(いちる)の望みをかけ、あいつを呼び出した
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~騎士の部屋~
騎士
「情けねえ…手足の震えがおさまんねぇ…
これからあいつの所に行かないと行けねぇのに…
止まれ!止まれ!
頼むから止まってくれ!
あいつが安心して送り出せる様に…
ちゃんと…ちゃんと笑わないと…」
■深呼吸を数回。おさまってくる震え
騎士
「よし…おさまってきたな…
あの日決めたんだ
運命を変えると決めた日
あいつが運命を変えようと言って、抱きしめてくれた日…
初めて人に愛をもらった、あの日
俺はいつか騎士団長になってあいつを護り抜くと…
(覚悟を決めて)
よし!行こう!」
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~国王の部屋~
騎士
「お呼びでしょうか、国王様」
主
「騎士団長。よく来てくれた。明日の戦の準備は、滞りなく進んでいるか?」
騎士
「はい!すでに完了しております。
国民のシェルターへの避難も済んでおります。いつでも迎え撃つ事が出来ますので、どうかご安心くださいませ」
主
「そうか。それは頼もしいな…だが…
なあ?本当に行くのか?お前だけ…お前だけどうにかしてここに残るという事は出来ないのか?」
騎士
「国王様、何を仰って(おっしゃって)おられるのですか?私は騎士団の団長。私が行かないで、誰が団の指揮を取るのですか?」
主
「お前の…リーダーとしての手腕は買っている…それに…戦闘能力の並はずれた高さも…」
騎士
「でしたら、何も心配いらないでしょう?安心してお任せくださ…」
主
(被せて)
「あっちは5万だ!お前だってわかってるだろう?桁が…数が違い過ぎる!!!」
騎士
「分かっています…でも…行かなければならないんです…みなを、あなたを守る。それが私の使命ですから…」
主
「なら!俺も行く!俺も…お前とともに闘う!」
騎士
「なりません!」
主
「行かせてくれ!俺だけ、何も出来ずにただここにいるなんて耐えられない…お前には敵わないが…俺だって闘える!」
騎士
「あなたは一国の主です。あやつらが狙っているのはあなたの首。それをわかっていて自ら敵陣に出向くなど、ただの自殺行為でしかない。国を危険にさらし、国民を危険にさらすだけの愚かな行いだという事くらい…わからないあなたじゃないでしょう?」
主
「でも!」
騎士
「いい加減にしろ!お前がそんなんでどうする!お前はこの国の王なんだ!もっとしっかりしろ!今、お前がすべき事はなんだ!」
主
「!?…そう…だよな。悪かった…」
騎士
「わかってるよ…お前が俺の身を案じてくれているって事は…
でも…お前は国の主で俺は騎士の団長だ。あの日、そう決めただろ?俺たちは今、互いのやるべき事をする…俺達が出来るのはただそれだけだ…そうだろ?」
主
「ああ。お前の言う通りだ…なあ?俺に出来る事は…何か、無いか?
お前の為に何かしたい…」
騎士
「信じていてくれ…俺が勝ち、再びお前の元へ帰って来られることを…
せめて…せめて笑顔で…お前なら大丈夫だ!と言って送りだしてくれないか?」
主
「わかった…お前なら大丈夫だ!絶対勝つ!そして必ず俺の元へ帰ってくる!そうだろ?」
騎士
「ああ!もちろん」
主
「これはお守りだ…」
■主、騎士の首筋に一つ赤い印をつける
(リップ音あっても無くてもOK)
騎士
「お前…」
主
「良い目だ…強い男になったな…」
騎士
「いつまでもビービー泣いてた…お前に守られてた頃の俺じゃねえよ…なぁ、1つだけ我儘(わがまま)を言っても良いか?」
主
「なんだ?」
騎士
「お前をもう一度抱きしめさせてくれ」
主
「ああ…いくらでも」
■主、騎士を抱きしめる。そして別れを惜しむ様に長い口付けを交わす
(リップ音あっても無くてもOK)
■離れる2人。主、心を決めて
主
「騎士団長!その首筋につけた印が残っているうちにあいつらを倒し、再びここへ戻って来い!これは国王命令だ!異論は認めん!いいな?」
騎士
「はい!仰せのままに…国王陛下」
主(心の声)
思えばいつも俺のそばにはお前がいてくれた
お前がいたからあの時も、乗り越える事が出来た…
本当は行って欲しくない…でもお前の瞳が止めるなと。迷いなくそう、言っていたから…
俺は笑顔で見送る事しか出来なかった…
なあ?これが最後だなんて絶対に許さないからな…
必ず…必ず戻って来いよ?約束だからな…
騎士(心の声)
わりぃな…命令、もしかしたら守れないかもしれないな…
あの日俺の運命は変わった
あいつが変えてくれた
それから今日までずっと…
ずっと隣にはあいつがいてくれた…
最後まで諦めはしない!
最後の最後まで俺は!闘い抜いてみせる
でももし·····
もしも·····あいつの元へ帰ることが出来なかったとしても
これだけはお前に誓おう…
この先何があろうとも、あなただけは必ずお守りします…
例え私のこの命に…かえてでも…
END