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ミューズのツッコミ

2017.09.17 07:16


体幹機能障害を持つ難病声楽家としての歌い方について、身体のコツというか筋肉のクセというか症状の傾向というか、そういうものをやっと体得してきた気がする。
どんな時に何処がどう痛むか、筋張度合は如何程か、都度自分の身体を意識しながら声を出していることに最近気付いた。どうやら無意識で、身体が自己防衛的にやっていたらしい。


常に、自分の身体との対話を怠ってはイケナイね。


まぁ通常では歌った程度では、多少疲れはしても身体は痛まない。ところが自分は、線維筋痛症末梢神経障害脊椎側彎症である。日常的にちょっと身体を動かしただけでも、普通では有り得ないような箇所まで痛んだり痙攣したりする。それ以前に、立っているだけで身体が痛い(立たなくても痛いが)。ましてや声楽なんていう非日常・非常事態に於いて無事で済む筈がない。しかし逆に、痛みが出たり筋張が強くなったりする部位に因って、発声の良し悪し・姿勢の良し悪しが見えてくるとすれば、指標としてアテに出来るとも考えられる。ちょっと便利な機能搭載してるって感じかな。

結局、『身体の負担が少ない=正しい歌唱が出来ている』訳なんだが、これが両手離しで喜べないのが、自分の場合、身体への負担が通常の倍以上はあるという事。これは如何ともし難い。でもまぁ元々そこは承知の上でこの道に踏み込んだ訳だから、とりあへず無視しておこう。

今更ではあるが声楽家として基本的な『良い声の為の良い姿勢』は、長年歌っているとつい忘れがち。そこを毎回初心に還る事が出来るというのは、この身体になったからこそかと思うと寧ろ有難い。
ミューズ、ツッコんだな?


日に依り時に依りで前例が必ずしも応用出来るとは限らない、予測し難い身体ではあるものの、未だ歌えることにまずは感謝。
完全ではないけどね。今より元気だったピーク時よりは衰えたけども、それは誰しも、健康体でも結局は同じこと。大事なのは、その時々の自分の身体を知って、臨機応変に対応する術を持っているか否かということ。声楽家は他の楽器と違って『生身』『己自身』であるが故に、思考・視点の切り替えはとても大事。過去の栄光に囚われたり、前例に拘りすぎたり(勿論プロとしての拘りは捨てちゃぁイケナイ!)、それは結局自分自身と自身の演奏を壊す事になるから寧ろ勿体無い。

流れに身を委ねる紅葉のように、身体に逆らわずに、いい本番を作るべく今から準備開始!


次の本番は、11/12(日)。この1年のご来場と、演奏出来る事に感謝を込めて。