都の二十八年度『財務諸表』、資産は四十七兆円で歳入は七兆円
【社会報道】 東京都(知事:小池百合子)は、平成二十九年九月十五日に『平成二十八年度東京都の財務諸表(概要版)』を公表した。都は従来の官庁会計に複式簿記・発生主義会計の考え方を加えた新公会計制度を採用している。財務諸表は貸借対照表、行政コスト計算書、キャッシュ・フロー計算書、正味財産変動計算書で構成。一般会計及び全ての特別会計の計十五会計が作成対象。
本財務諸表(概要版)は二十日の都議会定例会へ提出する。歳入総額は七兆一千億円。歳出は六兆七千億円。実質収支は千三百億円の黒字となった(以下、十億円単位を四捨五入)。都税増収、政策への自律改革の取組みと歳出見直しが増収原因と分析。経常収支比率(七十九.六㌫)と公債費負担比率(七.三㌫)は低水準を維持。低水準とは、財政の弾力性が高い状態である。都債現在高は四兆六千六百億円で二千五百億円(五.〇㌫)の減。
歳入の内、都税は五兆三千二百億円で千六百億円(三.〇㌫)の増。法人二税だけで七.三㌫も上げている。歳出の内、一般歳出は四兆六千億円で千三百億円(三.〇㌫)の増。一般歳出に含まれる「人件費」は一兆五千億円で二百億円(一.三㌫)の増。並びに「投資的経費」は八千八百億円で一千億円(十三.五㌫)の増と突出している。
貸借対照表では、都の資産が三十四兆四百億円で五千七百億円(一.七㌫)の増。負債は七兆一千億円で二千五百億円(三.四㌫)の減。正味財産は二十六兆九千二百億円で八千百億円(三.一㌫)の増となった。
行政コスト計算書では、通常収支の部の収入が六兆一千九百億円で千二百億円(一.九㌫)の増。並びに費用は五兆四千三百億円で二百億円(〇.四㌫)の増。当期の収支差額は七千四百億円で一千億円(十五.四㌫)の増となった。
キャッシュ・フロー計算書では、「行政サービス活動収支差額(a)」が九千億円。「社会資本整備等投資活動収支差額(b)」は⊿五千二百億円。「行政活動キャッシュ・フロー収支差額(a-b)」は三千七百億円の収入超過でとなり、「財務活動収支差額」は二千四百億円の支出超過。翌年度への繰越額は三千八百億円となった。
また都の全会計と都監理団体(三十三団体)及び地方独立行政法人(三団体)を対象とした『都全体の貸借対照表』では、資産が四十七兆三千三百億円で四千億円(〇.九㌫)の増。負債は十四兆七千2億円で五千百億円(三.五㌫)の減。正味財産は三十二兆六千四百億円で九千二百億円(二.九㌫)の増となった。
画像引用:平成28年度「東京都年次財務報告書」/東京都