カール大帝の夢23-欧州独立イスラムと対等
2017.09.18 02:25
カールの西ローマ戴冠はヴァチカンの独断で、東ローマの出方が注目されたが、東ローマには介入する力がなく、むしろ女帝エイレーネとの結婚が提案された。彼女は息子を追放して自ら女帝になったが、802年にエイレーネが失脚して立ち消えとなった。
806年に、ヴェネツィアをフランクが領有したことで両帝国は紛争を起こし、結局海軍力に勝る東ローマがヴェネツィアを奪回して810年に講和がもたれた。このときの講和文にはカールを「兄弟」と呼び、その後には「皇帝」と呼んで事実上承認している。
またカールはアッバース朝絶頂期のハールーン・アッラシードとも外交関係をもった。当時はもうエルサレムがイスラムの支配下にあり、カールとしてはエルサレム巡礼の安全のために関係は欠かせなかった。これはうまくいっていたようで、エルサレム総主教からカールにエルサレムの鍵が渡されている。
そのときカールはなんとイスラムに象を要求。802年届けられた象は「アブーアッバス」と名付けられ、810年にデーン人との戦争で死ぬまで、カールの軍の重要な戦力となった。恐らくヨーロッパ北部まで来た最初の象ではないだろうか?カールの夢の一つは欧州が東ローマやイスラムと対等に付き合える国になることだったが、それは叶えられたのである。
下はイスラムからの贈答品を見るカール大帝。象も居ます、左下は本当に戦闘した象メイワクだゾー