土地の見方
「気に入った土地があったら、売り買い、貸借り出来るか、聞いたり調べたりしたらいいんだよ」
そんな話をされても都会育ちの私にとっては、不動産屋の「売り地」看板が立っている物件以外を『気にった土地』として見る目がありませんでした。世の中には、for SALE看板を掲げていない物件の方が100倍多いのでしょうが、自分が住んでみたいスタイルと云う視点で世界を見ないと100倍多い可能性に気づかないことになります。
ジャジャーン!!先に、決定した土地を公開しましょう!
ちょうど一年間、2016年10月はじめに撮影してもらった映像です。敷地にはまだ草木が生い茂っています。「どこに建たるの?(建つの)」でしょう? どのあたりが良さそうでしょう?西陽が当たる時間帯ですので方角はだいたい分かると思います。
photo ©︎ Shuhei NEZU
私も含めて、この土地をいいなと思っていた方がみんな思うことなのですが、西側の道路から見るとトトロのトンネルを抜けた向こうの梅の若木が生えている「農地」に注目するのです。割と平坦であり、東側への景色が抜けていて、草刈りがされていてるので今すぐにでも家を建てられそうです。しかしながら、その土地に家を建てることは不可能ではありませんが、交渉+手続きが2、3ステップほど多い面倒な話になります。
建築基準法ではこのようにうたっています。
第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等
(敷地等と道路との関係)
第四十三条 建築物の敷地は、道路に二メートル以上接しなければならない。
村役場に行って公図を見せて貰いました。(一枚50円くらい)すると、その梅畑と道路の間に地目、山林の区画が存在します。ということは、梅の木畑の土地は道路に面していないことになりますので、建築基準法に則って家を建てることは難しいのでしょう。
ライフラインである上水道を引き込むことも重要になります。幸い、隣接している道路に、細いパイプが現役で活躍していました。民家一軒分はまかなえる水道料だと役場の水道課で確認できました。下水は完備していない区域ですが、合併浄化槽という濾過装置を設置すれば排水可能です。電気は中電がどこまででも引っ張ってくれるでしょう。
ちなみに、この梅畑は、私が所属する農業法人が管理している農地なのです。農地中間管理機構を仲介して平成33年まで最初の10年契約を交わしている土地です。当事者でない第三者が契約を解除するにはそれなりの努力が必要になる場所かと思います。
4年前に近所の友人からこの農地を教えてもらった時も、梅畑を行き来するためにこのトトロトンネルを幾度も行き来していても気づきませんでしたが、家が建たる(建つ)絶好の場所は、そう、道路と畑の間の山林なのでした!
そしてその山林の地権者さんは、御柱祭でお酒の振る舞い役をしていた地区の大地主さんだったのです。
つづく
photo ©︎ Shuhei NEZU