一本の木
切株に生えて真賢木若葉かな 五島高資
希望の象徴ですね。
昔、ある少女が「3本の木」のワークをして 折れた幹(現在の自分)から(実現可能な自分として)若木が芽生えた絵を描いて 立ち直っていったのを思い出しました。
【木の瞑想】
陽だまりで瞼を閉じ 身体中に降り注ぐ暖かな日差しを感じたことがあるでしょうか?
薄暗い闇の中で、大地のシルェットを映し出す、黄金いろの満月を見たことがあるでしょうか?
漆黒の夜空に散らばる星の瞬きが きらきら輝いているのを見たことがあるでしょうか?
私たちが心を開いて感じさえすれば 太陽と月と星の祝福を受け取れます。
大自然の息吹は、母なる地球を踏みしめて立ち、その懐の中で息づいているからこそ 感じ取れるものです。
森の中にいる自分をイメージしましょう。
周りには沢山の木々が生い茂っています。
大きくて 健やかな木々を感じてみましょう。
木々は母なる大地から命のエネルギーをいただき、新鮮な酸素を吐き出し、私たちの身体を浄化します。
木々が吐きだす酸素は呼吸とともに私たちの体に入ってきて私たちが吐きだすエネルギーは木々の中に還ってゆきます。
木々の命は私に注がれ、私の命は木々に注がれます。
私たちは木々から新鮮な酸素をいただいて 呼吸を続けます。
木々は大地に深く根付いています。
大地から木々へ、木々から私達へ、私たちから再び木々へ、そして地球へと循環するエネルギーの流れをイメージしながら 呼吸を続けます。
呼吸を通じて地球のエネルギーと魂が、私たちに伝わります。
私たちは一瞬たりとも 一人では存在できません。
エネルギーの交流が、私たちの人生における本質なのです。
リンゴの木と少年は友達であった。
ともに遊び、心を通わせていた。
しかし少年は大人になってゆきお金が必要になる。
木は「私の果実を売りなさい」と言う。
少年は果実をすべて持っていった。
しばらくして、大人になったその子は家が必要になる。
木は「私の枝で家を建てなさい」と言う。
その子は枝をすべて持っていった。
また時が経ち、男は「悲しいので遠くへ行きたい」と言う。
木は「私の幹で舟を作りなさい」と言う。
男は幹を持っていった。
時が経ち、男は年老いて帰ってきた。
そして「疲れたので休む場所がほしい」と言う。
木は「切り株の私に腰をかけなさい」と言う。
男は腰をかけた。
木は幸せであった。 (あらすじはウィキペディアより)
この物語にはいろいろな問題提起がされています。
炎昼の来迎杉の氣魄かな 高資
『木』
一本の木と同じくらいすてきな詩にぼくは一度も出会ったことがない
木はやさしい大地の胸に吸いついて流れてくる恵みをのがさない
木はずっと天を見上げて腕をいっぱい広げて祈りつづけている
夏になればツグミたちがきて巣のアクセサリーで木の頭を飾る
木は雪を深々とかぶったこともあるし
だれよりも雨と仲よく暮らしている
詩はぼくみたいなトンマなやつでも作れるが
木を作るなんてそれは神様にしかできない
(アーサー・ビナード&木坂涼共訳)
陰陽の渦巻いて楡若葉かな 高資
渦巻いて玉と光るや楡若葉 高資
An elm with green leaves -
dividing the bough between yin and yang
and spiralling up... T. Goto