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鑑別の大事

2017.09.20 02:36

鍼灸臨床でお目にかからない日はないであろう疾患と言えば頚肩腕症候群ではないでしょうか?

単純な痛みから指のしびれまで広範囲に渡りますが、そう酷くなさそうに思われる状態であっても、鍼灸師に出来る理学検査を駆使して鑑別すべきです。

僕もそれほど詳しいわけではありませんが出来る範囲で確認しています。

鍼灸適応を判定する意義だけでなくそうすることで治療が楽になるからです。


頚肩の痛みや上肢のしびれを訴えられたとします。

先ずは、神経根症状か胸郭出口症候群かを鑑別します。

ジャクソン・スパーリングは事故を防ぐためにナチュラルで無難に見ていく方が危なげないでしょう。

頚の次は胸です。

エデン、ライト、アドソンと診ていきます。

このように鑑別することで、頚椎周囲の阻滞を解消すればよいのか、肋鎖か小胸筋か斜角筋の阻滞を解消すればよいのかの一応の目星がつきます。


局所を治療するもよし、遠隔で治療するもよし、はたまた特殊鍼法でもよし、日頃磨いた技量や所属する流派の技など己が信じて邁進する道を如何なく発揮して原因であろう部位の阻滞が疏通されればよしとします。


そうして患者さんと一緒に客観的に治療の効果を確認していけばいいのです。


もちろん、病的反射は必ず診ておきましょう。鍼灸師のリスクマネージメントです。

器質的な変性をきたしていないを知るために、念のために医療機関を紹介しましょう。

中宮院では、片手間で書ける紹介状と検査所見を添えて患者さんに渡しています。

こうすれば、自然と医師と連携ができます。

このような作業を地道に繰り返していると、ある時担当医師から、いつも的確な所見を送っていただき感服しますと褒めていただいたことがあります。


紹介状や添付書類ですが、分かる範囲で必要なことだけをありのままに書けばいいのです。

決して背伸びする必要はありません。

こういったことを初診の一番最初にやっておくのです。

後を楽にするために、始めに面倒くさいことをどれだけやれるかです。


また、専門医に紹介し、とても詳しい検査結果を送り返していただければ患者さんの病態把握がより的確になります。


患者、医師、鍼灸師の三者に有益となるためにも、共通のモノサシは携えておくべきだとこの頃つくづく思います。

参考になれば幸いです。