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【仕事の考え方】良いチームとは(2)

2017.09.24 01:00

昨日に引き続き加藤です。いいチームって何だろう?を考えてきた前回の続きです。

第1回はコチラ

今回は前回説明した、マネージャータイプとスペシャリストタイプをゲームの世界で例えて、いかに強いチームを作るかについて話すところからスタートします。





チーム戦ゲーム

前回紹介したマネージャータイプとスペシャリストタイプを使ってゲームを想定しましょう。

パロメータで育て、チームを作って戦わせるゲームがあったとします。そこまで本気のゲームではないですが、イメージとしてはパワプロのチーム作りを想像してください。笑

もしくは弾幕ゲームの怒首領蜂大往生でいう広域弾の強化かレーザー強化かマルチ強化かみたいな…(知らない人はググってね。興味ない人はスルーしてね。笑)


大事なことは、相手も同じように考えてチームを作ってくること。そしてそれに勝たなければいけないという点です。あなたはこのゲームでどうやって勝利をもぎ取りますか?


ざっくりですが、ルールや特徴を決めましょう。 

・マネージャータイプ、スペシャリストタイプの素材がそれぞれ10人ずついます。そしてどっちのタイプなのかあなたには見えています。

・A~Eの種類のバロメータがあったとして、そして全員が同じだけポイント持っています。これを各分野に振り分けて強くします。

・マネージャータイプは1ポイントを使えばA~Eどこに振っても同じだけアップします。

・スペシャリストタイプは1ポイントを使うと、得意分野は一気に伸びるけど、不得意分野はすこ~ししかアップしません。

・パラメータが振り終わったらその中から1チーム3人編成で5チームを作って、各分野で戦います。 


ここまでがルール説明です。

さて、あなたが実際にポイントを振るとしたらどうしましょうか?


マネージャータイプは均等にポイントを振って全部がそこそこな強さになれます。これなら万能型に育てられますね。しかしもし一つの分野に全ポイントを振ると、スペシャリストタイプには敵わないので、あまり得策ではないでしょう。
万能型に育った人はどの分野の戦いに参戦しても生き残ることはできますが、各分野でスペシャリストには敵わないので、敵とは直接戦わず、後方支援に向いているとも言えます。 


スペシャリストタイプは得意分野に大量にポイントを使って、他の分野にあまり振らないことが得策でしょう。例えばEが得意な人なら、Eに全部振ればA~Dの分野はダメダメですが、Eに関してはぶっちぎりで勝てます。
これならマネージャータイプがEにポイントを全振りしても届かない強さになることができます。どの分野で戦わせるかを選ぶけれどもハマる分野の時には最強になれますね。ぜひハマる分野では前衛で頑張ってもらいましょう。
そして得意な戦いのみ出陣させて、他はダメダメな分他はチームから外した方がよさそうです。


そして似非(エセ)マネージャータイプ(以下、似非マネ)。これは本来スペシャリストタイプで得意分野(ここではまたEとしましょう)があるのに、全科目に均等にポイント振り分けちゃうと似非マネが生まれます。 
そうするとA~Dは当然ながらちょっとしか強くなれない、Eもマネージャータイプにすら及ばず、突っ走らせても負けるし、後方支援にも役に立たない、なんとも使いどころに困る人ができてしまうんです。


あなたが1チーム3人で編成するとして、上記の3種類がいるとしたら、どういうチーム編成にしたいですか?


万能型で全員集めればどの分野でも戦えますが、敵チームにスペシャリストがいたら負けもあるでしょう。
逆に全員スペシャリスト型だとそれぞれの分野に対して、弱点も多いので、そこを突かれたら負けてしまいます。


結果として必要なのは、『A~E各分野のスペシャリストをそれぞれ1~2名いれ、残りは万能タイプで後方支援』が一番ではないかと思うのです。


じゃあ似非マネは?・・・正直いらないですよね?笑 



じゃあ今のあなたの会社は? 

ここで現実に戻ります。いまの采配をあなたの会社、部署、チームに当てはめてみてください。


マネージャータイプ、スペシャリストタイプの素材は新卒社員とでもしましょう。割り振るポイントは社員への教育です。あなたの会社ではポイントをどのように振り分けていますか?というか似非マネいませんか?いないとしたらすごい会社です。


日本の会社では圧倒的にマネージャータイプと似非マネでチームが成り立っていることが多いです。これは人事の方と話してて思います。クリエイティブ系の会社はまだ似非マネ少ないかもしれません。


例えば社員の中に、何度言ってもミスする人、話が上の空で「おい、話し聞いてんのか⁉」と言われる人、使いどころがねーなーと頭を悩ませる人、いませんか?

これ、似非マネですから!  



似非マネは悪くない

さっきのチーム戦ゲームで似非マネはいらないと言いました。

しかし似非マネは悪くありません。タイプを見抜けず、無理やり平均的教育で万能型のマネージャータイプに仕立て上げようとした会社が悪いんです。


新卒であなたの会社に入ってきたならあなたの会社が悪い。中途採用で入ってきたならそう育てた前の会社が悪いんです。
社員は全く悪くありません。だってその教育を受け入れなければ働く場所がなかったんですから。



なぜ万能型が欲されるのか?

似非マネは社会や企業が望んでそうなるように教育したから作られます。ではそもそもなぜ万能型が欲されるのか?というところが次のお話しです。


万能型が企業で必要とされたのは高度経済成長期からです。戦後資源も人も何もないところから、アメリカの支援を受け少しずつ社会形成をしてきた日本(ここはいろいろな主義思想があると思うので、あまり突っ込まないように。笑)。この頃は作れば売れる状態だった時代なので、とりあえず必要なモノをいかに多く作るかが重要でした。


そうなってくるとスペシャリスト型でばらつきのある人よりも、いかに多くの人員を集めるかが重要だったので、スペシャリストタイプにも平均教育をして『無個性』で『従順』な似非マネージャータイプに育ててきたのです。

これが高度経済成長期教育の弊害と言われるヤツですね。その後ゆとり教育になったからといって、企業の欲する新卒の人物像が未だ変わっていません。


しかし今はどうでしょうか?

モノがあふれ、人々の欲求を満たすことはすぐにできてしまう時代です。モノもサービスも細分化され、単純な物量戦ではなかなかシェアをとれない時代でもあります。

さらに、高度経済成長期と違うのは、ロボットが台頭してきていることです。昔は高度なロボットがなかったので人が作る必要がありましたが、今はロボットがありますしITシステムがあります。これらは人間よりよっぽど『無個性』で『従順』です。これを使わない手はないですね。


こうなってくると似非マネージャータイプはもう作る必要がないはずです。それよりもいま企業がすべきことは『尖ったスキル』がある人を『適所に配置する』ことではないでしょうか。

これはまさにスペシャリストタイプを育成することにほかなりません。


ちなみにアメリカでは似非マネを作る教育をしてないですし、スペシャリストタイプがかっこいいという見方がちゃんとあるので、スペシャリストをガンガン排出します。だから新たなサービスを作るのはいつも海外で、日本は遅れをとるんですね。



似非マネを作るの、もうやめませんか?

ここまででこれからのチームを作るならスペシャリストタイプが必要なこと、わかっていただけたでしょうか?


ではスペシャリストタイプをどうやって作るかが次の課題ですが、結論から言うとスペシャリストにはミスを許容することです。


不得意なことは他のスペシャリストやマネージャータイプに任せるんです。だってスペシャリストは一生懸命やったってミスはするし、ほかのスペシャリストやマネージャータイプに勝ち目ないんですから。それより得意なことを思いっきりやらせたらいいんです。


そうすると何が起こるかというと、マネージャータイプがやる気起こすんです。
「まったく、こいつはミスばっかりするけど○○に関してはすごいから助けてやるか」という具合。または「○○に関してはスペシャリストのあいつには勝てないんだから俺は後ろから支えてやろう!」となるわけです。


これって今まで企業が求めてきたチーム像とは真逆の考え方です。

今までは『マネージャータイプが偉くて、ミスなく統率が取れていること』が重要だと思われてきましたが、これからは『いかにスペシャリストタイプに自由を与えて、すごい力を引き出すか』が重要になるということです。

スペシャリストタイプは自由を与えたら好きなことばっかりやるので、勝手に伸びてくれるし、勝手に進めてくれます。それをサポートするマネージャータイプ。これができれば一番結果が出そうじゃないですか?




第3回目は「いかにしてスペシャリストタイプとマネージャータイプのチームマッチングを進めるか」を考えていきましょう。

【仕事の考え方】良いチームとは(3)


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