【仕事の考え方】良いチームとは(3)
こんにちは。加藤です。良いチームの作り方第3回です。
前回までは「いいチームとは何か?」、「チームを構成する人の特徴」、「チーム構成のあり方」等について書きました。
今回は「チームに足りない人をどうやって集めるか」からスタートしましょう。
足りない種類の人をいかに採用するか?
前回までで、今の日本企業にはスペシャリストタイプが圧倒的に少ないことを書きました。
繰り返し書くと、これはスペシャリストタイプの母数が少ないのではなく、「スペシャリストタイプなのに、思いっきり振り切れていない人」が多いということです。それはひどくなると似非(エセ)マネージャータイプ(以下、似非マネ)が多いということでもあります。
簡単な分け方は第一回を見てください。それでも判断できなければ連絡ください。今のとこサンプル集めたいんで無料で相談にのります。笑
さて、実際にチームを作ろう!、チームを変えよう!となると「どうやって」が重要です。
簡単なのが、足りない分野を見つけ出して、採用することです。
例えば、「うちはマネージャータイプと似非マネばっかりだから、●●の分野のスペシャリストを採用しようかな…」みたいな。
注意しなければいけないのは、スペシャリストを採用する場合、基準は現在の実務のレベルや報連相が上手かなどはメインに考えない方がいいということ。
大事な基準はその分野がどれだけ好きか。もし好きだったらそこに集中させてあげれば勝手にバリバリやるし勉強しますから。そして周りにマネージャータイプを置いてフォローさせましょう。
それぞれ●●が足りない場合…なんて書いてたら収まりきらないので、ここでは割愛。興味あったら仮説を立ててみるかご相談連絡いただければ。笑
似非マネの人をどうするのか
さっきは採用するという直球手段でチームの足りないところを補いました。
次の方法は手間はかかるけどお金をかけない方法です。
良いチーム第2回の記事でチーム戦ゲームを考えた時に、似非マネは使いどころに困ると書きました。
でもそれは「似非マネのままだったら使いどころに困るし、周りの都合で似非マネにされちゃった人も不幸な状態だよ」という意味であって、「似非マネはいらないから排除した方がいいよ」ではありません。
さんざん書いてますが、似非マネは本当はスペシャリストタイプなんです。社会が勝手に作った善悪の判断基準に縛られず、子供の用に自由な発想ができることがウリなのに、社会の都合、会社の都合でムリヤリ、「お前はマネージャータイプと同じことしろ!」と言われてきた可哀想な人たちで苦しんでいる人たち。
一例を挙げるなら、本当は営業するのが得意な人にデザイナーやれ!って言ってるようなものですからね。
「私、営業やりたいわ~デザイナーやだわ~」って人にムチ打ったところでデザインのレベルは上達しません。だったら「好きなだけ営業やっていいよ!」って言ってあげることです。
そう、2つ目の足りない人材を集める方法は
似非マネを切るのではなく、枷をはずすこと
です。
これは上記の営業が好きな人を、ただ営業部に異動させればいいということではなく、苦手なことをほかの人にお願いしていいんだよ!という免許を与えることです。
この微妙な違い、わかってもらえますか?僕、言葉下手だからピッタリくる言葉を未だに探してるんですが…笑
前者はただ営業ができるようになっただけで、嫌な作業(例えば伝票整理とか、データベース作りとか)は減ってないから振り切れてないんです。
後者は嫌なことを減らして特化できる環境を整えているんです。
だから本人の意思だけではなく、それを受け入れてもらえるように周りの理解が必要不可欠なんです。
ちなみに念のためもう一回書いておきますと、ここで書いたのは「似非マネをスペシャリストに戻してあげる方法」なので、素材がマネージャータイプの人だと当てはまらない方法ですからね!
(マネージャータイプに本領発揮してもらう方法はまたどこかで書く…と思います!笑)
まずは企業から変わらないといけない
社員一人の力では、いくらスペシャリストタイプにもどしたい!と言っても難しいんです。
なぜなら子供のころ、就職したとき、今に至るまで、
・ミスしちゃいけない
・ちゃんとやらなきゃいけない
・何でもできるようにならなきゃいけない
それが正しい!できないヤツは落ちこぼれだ!と教えられてきたからです。
その呪縛がある限り、好きなことに思い切り能力を割り振れない。
だからまずは上の立場の人や企業から
「ミスしてもサポートするから好きなことをやってくれ」
「苦手なことはこっちでやるから言ってくれ」
とお願いしないと怖がってしまいます。そもそも自分の好きなこと、やりたいことに集中しちゃダメ!と拒否されてきて苦しい生き方をしてきた人たちですから。
チーム、部署、会社が今の考え方を変えて、受け入れ態勢を作ってあげましょう。
ま、それが一番難しいことなんですけどね。笑
不満が出るんじゃないの?
もしあなたがチームのリーダーで、今までのやり方を変えよう!思ったとします。
でも真っ先に浮かんでくるのは「嫌いな仕事を誰かにやらせたら不満出るんじゃないの?」という考えです。
それは半分正しく、半分間違っていると思います。それは受け渡し方によるからです。
例えば事務作業をやりたくない人がいるかもしれません。でもそれが好きな人がいるなら、「私、事務作業ができないんです。助けてください。」とお願いをすればやってくれるでしょう。本人が好きな事務作業ができて感謝されるんですから。でも「あんた!これが好きならやらしてあげるわよ!」的な上からはもちろんダメですよ。
苦手なことをお願いする順序としては、まずは事務作業が苦手だと自分が認める→それを相手に伝える→相手が受け入れるという流れなので、伝え方によってはNoと言われてしまう可能性も大いにあり得るわけです。ゆえに相手への尊敬の意やお願いしますという気持ちがある前提ですね。じゃなきゃただの押し付けでイジメです。
誰しも苦手なことはあるはずですし、やっていて楽しいことがあるはずです。
それを共有しあい、お互いがダメな部分、出来ないことを認め合い、「●●さんには営業の分野では敵わないけど、事務処理の分野なら楽しいし私の力が発揮できる!」というお互いの存在を必要としていることを実感できるチームを作るということが肝心です。
そしてその好きなこと、嫌いなことの簡単な指標になるのが第1回に書いたマネージャータイプやスペシャリストタイプなわけです。
くどいようですがもう一回分類を書いておくと、
マネジメントタイプ
秩序を保ったり、スペシャリストタイプのお手伝いができてしまう人。お手伝い以外にもなんでも平均的にできるので、その力を遺憾なく発揮しましょう。マネジメントタイプはそれを苦労にならないと思います。
ただ何かに一芸に秀でたものがないのがコンプレックスになる場合もありますが、そこを努力でカバーしようなんてことは求めてはいけません!スペシャリストに任せましょう。マネジメントタイプは万能で十分スゴい。
スペシャリストタイプ
自分の興味のあることに大して爆発的な結果を出すことがあります。そして興味のある分野でもミスもします(そもそも話が入ってこないから)。興味のない分野もダメダメだと心得ましょう。得意分野で例え成功したとしてもなぜ成功できたのか原因がわからないことが多いのも特徴です。
でもそれでいいんです。いったんダメな自分を受け入れましょう。それを受け入れると「しゃーねーなー」ってマネジメントタイプが助けてくれます。マネジメントタイプはそれが好きな人なので。
だから周りからなんと言われようとマネジメントタイプになろうだなんて思わないでください。似非マネ直行ですよ。
こうやってそれぞれの分野の人たちが自分の得意な分野、苦手な分野を知って、
・得意な分野は強みにする
・苦手な分野は相手を信頼して任せる
これがチームの醍醐味であり、原点じゃないかと思うわけです。
『心→制度化』の順番が肝心
まずはまわりの理解が必要と言いましたが、実際に理解を得るにはすごく苦労すると思います。
今までのやり方でやってきた人たちはそれを拒否することもあるからです。
「なんで今まで通りで十分うまくいってるのに、こいつのために変えなきゃいけないの?」
「こいつが出来ないことが原因なのに、何で私たちが仕事引き受けなきゃいけないの?」
という意見が容易に想像できます。
その人たちにも理解をしてもらいつつ、似非マネになっちゃった人にも「今まで辛い思いをさせてきたね。これからはそんな苦しい思いをしなくていいんだよ。」と歩み寄らなければいけません。
これってすごい手間と時間がかかるんですよね。たぶん紙で「制度を変えますから」と通達だけ出しても成功しません。
そのチームの問題は何か?自分ができればやりたくない作業は何か?時間を忘れてやりたい作業は何か?それを本音で各自が自分に問いかけ、それをチームのメンバーには公言して、さらにそれを他のメンバーに受け入れてもらわなければいけないからです。
だから制度が先ではなく、みんなの心が先なんです。心が整った時に初めて「こういう制度にしませんか?みんなで助け合いませんか?」という提案ができることを忘れないでください。
3回にわたって書いてきたチームの作り方いかがでしたでしょうか?
「そもそも信じられない」、「こんなの戯言だ」という人もいるかと思いますが、ここに書ききれないだけでどんなパターンでもそれが当てはめられるんです。
それに信じられないんじゃないんです。信じたくないだけで。でも「自分はそうじゃない!」と認めないと苦しいはずです。もっと楽に生きて、もっと楽しく生きて、それでみんなが上手くいくならいいじゃないですか。一旦信じてみてください。
だって本田技研の創業者の本田宗一郎さんは「自分の得意分野に集中するためにパートナーに仕事を任せることの大切さ」を説いて、自分にはできないことは人に頼れって言って成功してるじゃないですか。
石ノ森章太郎さんも高校在学中から好きな漫画に没頭した結果「常人の5倍のスピードで描ける天才」って言われたそうです。
まだまだ同じことして成功してる人がいっぱいいるんですよ。あんだけ成功した人たちがいるんですから、ついてった方がいいじゃないですか?
まずは小さなチームから始めてみてはいかがでしょうか。成功したらぜひご連絡ください。難航しても連絡ください。ご相談乗ります。笑
そして上手くいったら、このやり方がうまくいくことを広めてください。そしてチーム作りで悩んでる人や、そもそも会社で生きづらそうにしてる人にこの記事を紹介してください。
あと、自分の立場なら何をしたらいいか?とかでも聞いてくれればご相談乗りますんで。お茶でもいただければいくらでも話聞きますよ。笑
この記事が
・会社に問題を抱えている人事の方
・チームが機能してなくて困っている上司の方
・社会のせいで似非マネにされてしまった生きづらい方
・振り切ることができずくすぶっているスペシャリストタイプの方
・スペシャリストタイプにあこがれるマネージャータイプの方
に「それぞれが役に立てる部分があり、それぞれにあった仕事スタイルがある」ということを知ってもらうきっかけになったのであれば幸いです。
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Sampai jumpa! サンパイジュンパ!(ではまた!)
PT. IJ Terminal (株式会社アイジェイターミナル)
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電話: (+62) 21-8086-8459
※ご連絡の際には『インドネシアちゃんねるを見ました』とご明記ください。
それにしても3日間、毎日頭を使って更新するのは正直疲れますね。慣れないことはするもんじゃありません。これからは僕のペースでのんびり更新していきまーす。笑