小さな一歩を褒めないと何も始まらない
「先生!これ見て!」
ある中学生の生徒が意気揚々と持ってきたテストの得点は43点。
僕はこういう瞬間に、このお仕事をやっていてよかったなぁと思うのです。
彼の前回のテストの得点は7点。堂々の、6倍以上の得点アップです。
彼が新しく踏み出した一歩。
でも、時にそれを「まだそこかよ」とか「全然駄目」と言ってしまう人がいます。
確かに、遥か彼方から見れば、7点の場所も、43点の場所も、同じに見えるかもしれません。
でも、近くで見ていたなら、そのすごさや頑張りは、必ず伝わるはずではないでしょうか。
暗く深い闇の中から、
抜け出そうと彼はその一歩を踏み出した。
不器用な一歩かもしれない。
とっても小さい一歩かもしれない。
でも、踏み出した。
とっておきの勇気を振り絞って、前へ。
確かに、光の見える方向へとその歩を進めた。
そのことが、何よりも尊くて、とっても大切な、
誰と比べるまでもなく素晴らしいことだと、
私は思うのです。
そして経験上、
勉強であんまり承認されたことのない子が、
自分が「頑張った」と思う経験を他人に認められると、
達成感や嬉しさはもちろん、
「お、俺(私)だってできるのかも」と自分に期待し始めます。
その期待は、とても大きな飛躍へのきっかけとなります。
新しい一歩の原動力となるのです。
満面の笑みで彼は言いました。
「やればできるってわかったよ」
不覚にもちょっと感動してしまいました。
もちろん、ここがゴールではありません。
道は続く。いずれ受験もやってきます。内申点もまだまだ上げなければ。
でもね、本当良く頑張りました。
この経験は、必ず本人の力となってくれるはずです。
そう信じて。
小さな一歩を褒めないと何も始まらない。
そしてそのために、
彼らのそんな一歩を見逃さないようにしよう。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
歩き続けるためには、心の充電が必要だから。満タンにしてあげるのも大人の役目かも。