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7th heaven side B

Go for it !完成版_1

2017.08.31 14:55

序章 結婚式&披露宴


高校を卒業してから、3ヶ月


懸命にリハビリに励んだ和葉に寄り添いつつ

自分も旅立つ準備や結婚式の準備に追われて

あっと言う間に月日は過ぎた


もちろん、時々事件も追いかけてたで?

それに、和葉に代わって、英国での住居を確

保したり、手続きで、オカンと2人、渡英も

したんや

そら時間も無いっちゅうねん


国内で進学したメンバーは、新しい大学生活

をスタートさせ、悲喜こもごも、色々とある

様子


オレと和葉の幼なじみの晃と、親友の翠は、

揃って神戸の大学へと進学して、2人暮らし

をスタートさせとる


法学部と医学部、学部は違うけれど同じ大学

に合格した2人には、オレの愛車を譲った


渡英してしまうので、そのままガレージに置

くよりも、大事にしてくれる奴に使ってもら

った方がええと、最後は和葉と2人でメット

やらも含め、ピカピカにして、譲ったんや


ちゃんと、大事に乗ってると報告があった


今回、オレ達の実家都合で派手な結婚式やら

披露宴をせなアカンけど、その手伝いを工藤

や姉ちゃんと共に引き受けてくれたんがこの

2人や


和葉がリハビリ中って事もあって、動けない

分、姉ちゃんらともよう連絡をとりあって、

対応してくれてん


「和葉ちゃんのお父ちゃんや、平ちゃんの

おとんやオカンの心配はせんでええ」


晃達はそうも言うて笑ってくれた


そんな仲間達の陰ながらの応援や支えもあっ

て、リハビリを頑張った和葉には朗報が


ホンマに苦しみ抜いて、大変やったリハビリ

のおかげで、普通に歩けるようになったんや


足首のところに少し傷跡は残ってしもうたし

無理をすると、腕や脚が強張って痛みや熱を

伴ってしまうんやけど


でも、日常生活は支障なくこなせるようにな

った


痛む時は無理せず、器具を付けるようにと言

われているけれど、和葉もオレも、漸くその

痛みの和らげ方とか、予防とかも判るように

なってん


杖を手放した時、和葉は泣いて飛びついて、

ホンマにありがとう、とオレに言うた

これで、漸くちゃんとアンタを抱きしめられ

るんや、と言うてな


素直に嬉しかった

もちろん、看病しとる間も、仲良うもしたし

喧嘩もしたけれど


寄り添う時間が持てた事は、オレにとっては

ご褒美みたいな時間やったから


そりゃ色々大変やったけど、和葉と2人、生

まれて初めてと言うくらい、こんなに色々と

話した事は無かったから


最後まで、和葉は希望を捨てへんかった事が

和葉が復活出来た要因やとオレは思う


私が復活しなかったら、みんなが自分自身を

責めてしまう、と言うてたんや


和葉ひとりに大きな負担を負わせてしまった

事件に、オレもそうやけど、みんなそれぞれ

後悔しとったんは、事実や


おっちゃんや親父は、和葉が標的にされたん

は、自分らの捜査の逆恨みもあると知って、

それはもう悔やんでたし


工藤や姉ちゃん、オカンも、それぞれ自分が

と責めてたし


オレも、不安を覚えた時点で、警備の強化を

訴えるべきやったと後悔したし


和葉は、自分が最後の最後で油断しなかった

ら、階段下に投げられるような目には遭わん

かったと後悔しとった

へた打って、みんなを傷つける事になってし

もうたって


工藤と姉ちゃんの両親も、揃って現れた時、

和葉の様子を見て、激しく動揺しとったしな


自分の息子達の事で、巻き込んでしまったと

言うて


ただ、オレと和葉の回答はひとつだけや


悪いのは、犯人であって、誰のせいでも無い

ってな


結婚式当日


服部邸から、家紋入りの紋付袴姿で家を出る

と、規制線の先にたくさんの報道陣と近隣の

人達やら野次馬やら大変な騒ぎやった中、一礼して車に乗り込んだ


うわぁ!っと、物凄い歓声が上がって、和葉

が白無垢姿でオカンに手を引かれ現れたのを

見ていた


殆ど化粧してへんけど、色白の肌に映えて、

ホンマに綺麗やってん


キレイやろ?オレの和葉は


拍手喝采とおめでとう、の声に、和葉が止ま

り一礼すると、更にうわっと歓声が上がった

どうやら、にこっと笑うたらしい


和葉も乗り込んで、黒塗りの車が式場となる

ホテルへと向かう中、和葉の手を握っていた


ずっと、生命を繋いで来たオレらの手を


ホテルの入り口にも、たくさんの報道陣が来

ていて、驚く


和葉と並び、一礼して、そのまま神前式を執り行った


工藤や晃も紋付袴姿で、姉ちゃんと翠は振袖

姿で参列しとった

この後の披露宴には、工藤の両親が少年探偵

団と博士を連れて来る予定


三々九度を酌み交わし、和葉と改めて一緒に

微笑みあう


披露宴は、感謝祭


服部家の結婚式は、派手に賑やかにが伝統らしかったので、オレと和葉らしいやろ?


白無垢姿から色打掛、そして、ウエディングドレスになると、会場のボルテージは最高潮


そして

オレが選んだオレンジシャーベットのカラードレス姿の和葉を見る

膝下からアシンメトリーな裾が揺れるドレス

は、脚が見える


「ほら、バッチリやろ?」


リエさんのスタッフさんの中に、和葉のケガ

を聞いて、靴に細工をしてくれた人が居た


ヒールを少し太めにして安定させて、幅広の

色鮮やかなオレンジのリボンを靴から足首に

巻いてしもうたんや


くるりと巻かれたから、傷跡は全く見えへん

和葉はめっちゃ喜んだ


くるくるに巻かれた髪は、サイドにアップさ

れて、オレンジを基調とした生花が飾られた

片方の手首には、リボンと生花が飾られて、

オレのスーツの胸元にも同じ生花が飾られた


「ほな、派手に行くで!」

「「「「「おぅ!」」」」」


両親への感謝は、スキップさせてもろうた


お涙頂戴は、オレらには似合わんし、もう、

オレも和葉も、家族だけで済ませてあるから


あの、最初の挙式、前日に


今日は、集まってくれたみんなに、精一杯の

感謝を込めて


工藤と姉ちゃん、晃と翠、少年探偵団のみんなに協力してもろうて、みんなに一輪ずつ、

色とりどりのガーベラの花を各テーブルを回

って、配ってもらうねん


オレと和葉は歌い踊り、みんなには一緒に踊ってもろうてな


あゆみちゃんは、工藤も哀姉も居なくなって

寂しがっていたけれど、ドレスを着せてもろうて、今日は元気みたいや


フラワーガールを務めてもろうたあゆみちゃんは、みんなに可愛ええ、言われて照れまく

っとった


ドレスは、リエさんに和葉が頼んだものや


オレらの歌い踊りまくるのに、会場は大騒ぎ

結局、参列した人らも騒ぎ、賑やかに式は過ぎて行った


「本日は、お忙しい中お集まり頂き、ありがとうございます」


最後に、一言だけ、ご挨拶をさせてください


私は、ホンマに幸せモノやと思うてます


今回、自分が大ケガをして、そう思いました

どんなに苦しくても、意識を取り戻せば、そこにいつも旦那さんが居てくれました


だから、苦しくても、痛くても、辛くても、

我慢して、頑張れました

事件後、忙しい中、入院中ずっと付き添うて

くれて、背中を押してくれました


いつも、励ましてくれたお医者さんや看護師さん、病院のみんな

そして、たくさんの友達と、家族


みんなが、挫けそうになる私や、私を支える平次を支えてくれました


だから、最後まで希望を捨て無いで頑張れたと思うてます


この場を借りて、今日、ここには来られへん

かった友達にも、言いたいと思います


ホンマに、ありがとう

みんな、大好きや


本日は、ありがとうございました

これからも、末長くよろしゅうお願いします


和葉の挨拶を受け、オレもマイクを握る


「オレは、ただ傍に居っただけで、頑張ったんは、和葉やと思うてます」


今まで、2人一緒に何度も危険な目にも遭っ

たし、実際、生命の危機に晒される事もあり

ました


でも、それはいつも一緒に居る時で、今回の

ように、離れとったんは、初めてのことで


改めて、思うたんや


家族だけで入籍後、挙式した際に誓った言葉

の意味を


健やかなる時も、病める時も、っちゅうあの

宣誓の言葉や


まだ、夫婦としては、歩き始めたばっかりで

ポンコツなオレらやけど、もしかしたら、その宣誓を試されとんのかなって


信じてへんけど、神さんから与えられたクイズなんかなって


何度も生命張って、身体張って護り護られて

歩いて来たけど、ホンマに、2人一緒に頑張れますかってな


「せやからオレは、こうして元気になって還って来てくれた和葉が、証拠であり、証人であると思うてます」


オレらは、生涯、宣誓した内容に、嘘偽りなく真摯に受け止めて、ちゃんと約束を果たす

と言う事を、や


この先の人生、オレらがちゃんとやっとるかどうかは、オレを見て、和葉を見てください


そして、もしオレらが道を外しそうな時は、

容赦無く叱っていただければ、と思うてます


「ホンマに、今日はありがとうございました

そして、これからもよろしくお願いします」


最後に、親父が挨拶をした


「一緒に学生時代を共に過ごし、社会に出てからは、いくつもの修羅場を共に乗り越えて

来たんが遠山です」


共に家庭を築き、子を育み、いずれは、と思

うてましたが、まさかこんなに早う実現する

とは想像しとらんかったんやけど


昨夜、嫁に訊いたら、嫁は、早う実現する予感があった、と言われ

それは、いつか、と尋ねたら、2年前の秋に

皐月堂が火災で崩落したあの事件の時やと言われまして


ワシも遠山も、仰天した次第であります


愚息の気持ちは、薄々どころかハッキリ知っ

てはいましたが、何せ勝手なところがある男

やし、和葉は苦労するやろな、と思うてまし

たから、


一生を託す相手として、添い遂げる伴侶として、和葉は愚息を選び、その手を取って貰え

るやろか?と言うのを案じておりましたが

今日、こうして無事、みなさんの前で披露する事が出来て、良かったと思うてます


後は、愚息が性根を入れ替えて、誠心誠意、

嫁を大事にして、さらなる飛躍をするだけや

と思うてます


最後になりましたが、愚息のしでかした事で

散々苦労しましたが、ワシと嫁はそれをチャラにしてやろうと思うてます


何せ、和葉を娘として迎える事が出来たんや

こないな幸せはない


後は、遠山から託された娘を、大事にして、息子が自分で新しい服部家を造って行ったらええと、思うてます


本日お集まり頂いたみなさんが証人や

息子が、ちゃんとやってるかどうか、どうか

厳しい目で見守ってください


「本日は、ありがとうございました」


賑やかな披露宴の後、高校の友達やら部活の後輩やらを招待して行われた二次会に、ホン

マにたくさんの人が訪れてくれた


真っ白なドレスに花冠を付けた和葉を、みんながびっくりして見てたんや

キレイになった、大人っぽくなったな、と、


散々言われ、照れまくる和葉を見て、ホンマにここまで回復出来て良かった、と思う


プチ同窓会のような賑やかな会を終えてから

オレは和葉と共に、会場の外に出た


和葉の手をしっかり握り、カメラの前に立ったんや


「本日は、お忙しい中お集まり頂き、ありがとうございました」


和葉と一礼して、顔を見合わせた


「一言だけ、ご挨拶させてもらいます

入院治療中も、リハビリの間も、たくさんの

励ましのお言葉を頂き、たくさんの方のお世話になりました」


みなさん

ホンマに、ありがとうございました


無事、今日の日を迎えられて、安堵してます

そして、この先の人生を、旦那さんと一緒に

大事に丁寧に生きて行きたいと思うてます


まっすぐ前を見て、凛とした和葉が頭を下げ

て御礼を述べた


オレも、漸く、事件に区切りをつけて新しい生活を始めるスタート地点に立った喜びと、

世話になった人らへの感謝を述べて、礼をして、ホテルへと戻った


こうしてオレと和葉の新しい生活がスタートしたんや


第1章へ

to be continued