アップルが日本で太陽光発電を始める
22日にアップルが日本で太陽光発電を始めることを明らかにしました。
再生可能エネルギー普及促進事業を展開している「第二電力」と組んで国内約300棟のビルの屋根にソーラーパネルを置く計画で、将来的にはアップルの設備で利用する電力を再生可能エネルギーで100%でまかなおうとしています。
それではアップルが再生可能エネルギーにこだわる理由について見ていきたいと思います。
これまでのアップルの取り組み
2012年以降、米アップルのデータセンサーに供給される電力は100%再生可能エネルギーでまかなわれています。
2015年にはシンガポール拠点に供給する電力を100%再生可能エネルギーでまかなうと発表しました。
その後シンガポール最大の再生可能エネルギー供給企業Sunseapが太陽光発電による電力をアップルに供給しています。
また2016年には電力会社「Apple Energy LLC」を設立しています。
これらの例のように、アップルは再生可能エネルギーへの投資を続けてきました。
では次に、投資を続ける理由について見ていきたいと思います。
①経済的な理由
シンガポールでアップルへ電力供給しているSunseapは、低価格な電力を供給するスキームを提供しています。
シンガポール政府が再生可能エネルギー研究の支援を積極的に行っていることもあって、コスト削減が実現されているのでしょう。
また日本もシンガポールも発電燃料を輸入に頼っているので、電気料金が高くなるので、再生可能エネルギーの方が安定した電気料金を実現できる点も大きいかと思います。
②社会的な理由
CSR活動の一環としての側面もあるかと考えられます。
アップルは「真のイノベーションには、あらゆることへの配慮が不可欠だと、私たちは信じています」というメッセージを掲げるなど、クリーンなブランドイメージを大切にしていることがわかります。
ちなみにアップルは参加していませんが、RE100という世界の大企業100社が100%再生可能エネルギー使用に移行することを推進するキャンペーンもあります。
企業と環境対策
最後に企業のこれからについて見ていきたいと思います。
最近では世界的に自動車を始めとする排ガス規制が進んでおり、電気自動車ブームが巻き起こっています。
(ちなみにアメリカではトランプ大統領の就任により、少しこの流れと逆行していますが。)
このように現在世界中で環境への取り組みが盛んになっている中で、以前から環境へ取り組んできたアップルは時代を先読みした動きであったといえるでしょう。
これから各国政府による環境規制が高まるにつれて、企業の環境対策が強く求められていきます。
21世紀を歩んでいく企業にとって、環境問題は切っても切れない関係になるので、社会に目を向けて世界の流れや政府の動きを先読みすることがビジネスの成否を分けていくことでしょう。