途上国での関心領域
書類手配などの準備のため、10月らへんで一時帰国します。関心ある領域の情報を浴びれるだけ浴びて、自分の中の引き出しを増やしまくってアフリカに持ち帰りたいと思います。
個人的にアフリカでやれること沢山あると感じたので、なるべく多くを吸収して、インパクト大きく事業化させたいな、と思う次第です。
以下は特に気になっている領域です。身の回りで取り組んでいる方とかいれば、こっそりとメッセとかでも良いのでご紹介頂きたいです。
・FinTech(Credit Score×BigData)
・Sharing Economy(Reputation Algorithm)
・AI(BigData解析,Deep Learning,Chat bot)
・AgriTech(IoT,Fog Computing,Drone,Smart-Agri)
・BlockChain(Social Media,ICO)
・Global Market(Israel,China,Estonia,France…※Tech系先進国)
以下、いくつか事例も交えて。
■■FinTech(決済領域×信用スコアリング×BigData)■■
・UnBankedの20億人への決済手段の提供
・Informal経済圏の可視化
というテーマで今一番興味のある領域です。マネタイズの観点で言うと、「巨大市場の決済データ抑え、BigDataを握る」ところが出口になるかと。
中国がゴリゴリに仕掛けてますが、Alibaba、Tencentの2強が揺るぎないものになってきちゃいました。ここと戦うには、まだ未開のマーケット(+将来の人口増)であるアフリカ(途上国)などで土壌を作るしかないとすら思います。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10630
芝麻信用、網商銀行の事例なんかは圧倒的で、見ていて鼻血がでます。ビッグデータに信用スコアを付与してAIで審査する、テクノロジーのオンパレード。
・融資申請の記入に約「3」分
・「1」秒でシステムが融資可否を判断
・審査にたずさわる人間は「0」
の「3・1・0」の超高速融資システムってヤバいですね。キタコレ。ここからMicro Finance・Micro Creditの流れにつなげていくのでしょう。
http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=53625
平安保険の、P2Pレンディング、HealthTechの領域も気になるところです。
■■Sharing Economy(Reputation Algorithm)■■
アフリカ旅ではUBER、AirB&Bを使いまくってました。今後、途上国でのシェアリングモデルは爆発的に増えるはずです。そうなった時に重要なのが「信用のスコアリング」で、更に言えば、その土台となるレピュテーションのアルゴリズム。
アフリカでは、物流に関してもシェアリングモデルが浸透してくると思いますが、ロジ周りはAmazonもRocket InternetのJUMIAなども苦戦中。でもココの領域も、GrabやGojekみたくマーケットを抑えたもん勝ちになります。
http://digital-innovation-lab.jp/yojee/
オーストラリアのYojeeが面白い取組をしてます。物流業界にシェアリングの概念を持ち込んでいて、ブロックチェーン・AIを駆使しています。各トランザクションを記録して、最適ルートなどはAI(機械学習)を活用し、更にチャットボットも組み合わせてます。
https://glotechtrends.com/ant-financial-face-recognition-logistics-170916/
物流の領域では、Alibaba×菜鳥網絡による顔認証も面白いです。
いずれにしてもデータをどう握るのか、という話ですね。そして、やはり中国の2強。Alibaba(芝麻信用)・Tencent(騰訊信用)は先を行きまくってますね。
・芝麻→アリババECでの取引履歴やAnt Financialでの金融資産
・騰訊→ソーシャルメディアのデータ
と両社のアルゴリズムの根本の部分が違いますが、実際のFinanceデータに紐づく芝麻の方が優位性が高そうな気はします。
https://glotechtrends.com/cashlesssociety-zhimacredit/
中国行ったこと無いですが、自分のクレジットがどれだけ高いか(≒自分の信用価値はいくらか)と言う概念が浸透しまくってるみたいです。シェアリングエコノミーに紐付いて、今後は信用スコアリングの市場自体が爆伸びすると思います。
https://glotechtrends.com/alibaba-car-vending-machine-170908/
これも中国。車の自動販売機があってローンの与信までをスマホ1つで出来ちゃうなんて、マンガの世界ですね。鼻血でます。
加えて、盛り上がり始めている自転車シェアのofo、mobikeの行方や、日本でも参入してきたDMM、メルカリなどのプレイヤーの動きも気になります。
■■AI(BigData解析,Deep Learning,Chat bot)■■
前述のビッグデータを抑えた先に待ってるのは「分析」で、ここは各社で深層学習の力を活用してます。(AIの区分に関しては諸説あると思いますが、僕はDeepLearningだけでなく機械学習も気になりますが)
来年、チップの計算処理能力が人間の脳を超えるので、1つの分岐点になるのかな、と。
http://diamond.jp/articles/-/112719
こちらは泰蔵さんと安宅さんの話。AIのAPI化で変わることはとても多いと思いますが、とりあえずレベル4の自動車が早く見てみたいです。ただ、アフリカに関して言えば、凸凹の悪路が多いので、そこにレベル1の技術を持ち込むだけでも相当事故を減らせるんじゃないかと感じてます。
https://www.nikkei.com/article/DGKKASDZ31HFQ_31082017TJ1000/
MicroSoft×Avexのこのネタは興味深かったです。表情を常に分析し、満足度を数値化できるならば、例えば教育分野とかにも活かせるのかもしれません。生徒の表情をモニタリングしながら、本当に理解できてるのか、良く分かってないのか、そのスコアに応じて次の出題を変化させていくなど。アフリカの学校の無い農村地帯にタブレット1台とこのAI組み合わせて、置いて試してみるのも面白そうです。
https://www.digima-news.com/20170912_24272
アフリカでもAI活用企業はあります。ナイジェリアのCowryWiseはフィンテック企業ですが、AI搭載のチャットボットなどを活用してたりします。
その文脈で言うと、過疎地域の限界集落にサービスを持ち込んだ際に、意味分かんない問い合わせとか増えるのでチャットボットで学習させると面白い結果が出そうです。
また、別の出口としてエンタメ領域も可能性を感じます。アフリカ人は良く「How are you?」とか突然メッセ飛ばして来たりしますが、大部分は暇でただ送ってるだけです。これに、面白い返しをするチャットボットとかあれば、ハマってやりそう。
■■AgriTech(IoT,Fog Computing,Drone,Smart-Agri)■■
基本的には農業の領域も、ビッグデータを抑えてどうプラットフォームを構築していくかの戦いです。ツールとしては、IoTの領域で安価なRaspberry Piなどが使えるかもしれません。スマートアグリの世界観ですね。
ただ、アフリカにIoT機器などをもちこんだ際に一番の懸念は電気とネットです。電気は小型SolarPanelとかで対応できるとして、ネットはたぶんフォグコンピューティングとかで中間媒介者を入れないとダメなのかな、とか思ってます。でもぶっちゃけこの領域は良く分かってないです。勉強したい。
http://agrinasia.com/archives/2890
インドのEM3 Agri Servicesは、MicroFinanceのようなフィンテックよりの企業です。インドに限らず、零細農家の多いアフリカでも、高額の資機材を購入できない問題はあるので、「機材貸し出しで固定費用を変動費用に変える」という発想は面白いです。サービス業としての農業(FaaS)という概念も今後広がっていくかと。
https://www.howwemadeitinafrica.com/rise-artificial-intelligence-africa/59770/
ここでもアフリカの事例を。
南アのAeroview platformは、AIや衛星、ドローンによる空撮なんかで農地最適化をはかっているようです。ドローンの使い方はまだ限定的(空撮や農薬散布くらい?)ですが、可能性は大いに感じています。弊社にも1台(Phamtom4)あるので今後使いまくりたいです。
■■BlockChain(Social Media,ICO)■■
きっかけは、旅の途中で感じたアフリカに関する虚偽情報や誇大表現の多さです。日本でも最近WEB記事問題が話題に上がりましたが、情報の正確性や透明性は凄く大事なので、駆逐されてく仕組みが欲しいと思います。
https://japan.cnet.com/article/35106279/
Steem、ALISなどのMediaの動きは注目しています。中央集権ではなく分散型で構築して行くプラットフォームが理想です。そう言う意味では、ICO開始したばかりのSynchroLifeの動きなんかも気になります。
途上国だと、政府の情報なども曖昧だったりするものが多いですが、ここに介入できるとインパクトがデカい。とにかく間違った情報は淘汰されていく世界。
別文脈で、BitCoinなどの仮想通貨も、海外送金の安さだとか少額決済の面で良く見てます。海外に出稼ぎに出た若者が、アフリカの親元へ仕送りする時に、とかってのは良く言われることですね。DMM、GMOのマイニング事業の行方も気になりますが。
■■Global Market(Israel,China,Estonia,France…etc ※Tech系先進国)■■
アフリカに限らず、世界の動きがどうなっているのかは凄く気になります。特に、
・エストニアのICOとE-resident
・イスラエル徴兵制からのサイバーセキュリティ、DLD
・中国の深セン・義烏・福建省のマーケット
・フレンチテック
・イランのStartUp界隈
・インドネシアのMeikarta Project
・マレーシアの仮想通貨ガイドライン
あたりのキーワード気になりまくりです。
あと個人的に、フィリピンのドゥテルテさんの息子への対応とか。
国際社会に舵を切って、大きく人生が変わってきた感がありますがまだまだなので、実りある一時帰国にしたいと思っています。