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お日様リーフラボ

赤シソと鰹のたたき

2017.09.26 03:00

今月のおすすめ野菜

赤シソ

日本の薬味に欠かせない、さわやかな香りを持つ香味野菜。代表的な和ハーブのひとつです。「紫蘇」という漢字からもわかるように、本来の種は赤シソで、青シソ(大葉)はその変種になります。原産地は中国からヒマラヤにかけての地域で、中国では古くから薬草として利用されてきました。日本で一般的な呼び名のシソは漢字「紫蘇」の字音に由来し、「蘇」には「香りが食を進め元気を蘇らせる」という意味があります。中国で「紫蘇」の名前が付いたのは、食中毒で死にかけていた若者に、シソの葉を煎じて飲ませたところ元気になったことから「紫の蘇る草」の意味で「紫蘇」となったという説があります。

日本には非常に古くに中国から伝わったとされ、最も古い野菜のひとつ。咳止めの薬としても用いられ、各地に自生していました。「鳥浜貝塚(福井県)」など全国各地の縄文遺跡から種実が出土しています。紫蘇の栽培がいつ頃から始まったのか詳細は不明ですが、平安時代の書物「延喜式(えんぎしき)」には、「伊勢国 蘇子一升」「尾張国 紫蘇子各五升」「讚岐国 紫蘇子五升」などと記されていて、その頃には栽培が行われていたと推測されています。

赤シソと青シソの違いは、赤いアントシアン系色素(シソニン)の有無によって分けられ、カロチンが赤じそに少ないほかは、両者の成分は似ています。βカロチンが大量に含まれるほか、ビタミンB群のうちB1、B2、B6、ビタミンC、E、Kも多く、ナイアシンも含みます。さらにカルシウムが豊富で、鉄、カリウム、マグネシウム、亜鉛なども豊富、つまり、人体に必要な成分がほとんど含まれていると言っても過言ではない優秀野菜です。

江戸時代に書かれた「農業全書」(1697年)には、「梅漬やしほみそにつけたものはさまざまな料理に使え、それを生魚に使えば毒を殺し、また薬としても使える」ということが既に書かれています。成分の半分以上を占めるペリルアルデヒドはシソアルデヒドとも呼ばれ、強い抗菌作用・防腐効果殺菌、防腐作用のほか、異常に働いていた免疫力を正常にもどす働きがあることが最近の研究により分かってきています。また、アレルギー抑制効果や、その他にも心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防、貧血予防、風邪予防が期待できると言われています。

梅干しが美しい赤色になるのは、赤シソの赤い色素シソニンが梅干しのクエン酸と反応するから。青シソよりも葉がしなびやすく日持ちしないので、ポリ袋に入れるなどして冷蔵庫の野菜室へ。なるべく早く使いきりましょう。


材料 (2人分)

赤シソ(マイクロサイズ)  5g

鰹たたき 1さく

ショウガ 1片

しょうゆ 大さじ2


作り方

1. 赤シソは水洗いし、水気を切る。

2.  鰹のたたきを1cm弱の厚さに切る。ショウガは皮をむき千切りにする。

3.  皿に2.の鰹を並べ、ショウガと1.の赤ジソをちらしてしょうゆをまわしかける。食べる直前まで冷蔵庫で冷やしておく。