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キーンベック病(月状骨軟化症)の治療

2017.09.26 01:08

【患者】60代女性。

【現病歴】2~3ヵ月前から突然右の手首が痛くなり、一向によくならないので整形外科を受診。MRI検査で月状骨が壊死しているのが分かった。

とにかく何をするにも手首が痛い。

痛みを訴える場所は三焦経の陽池から手背にかけて。

【経絡腹診】お腹がブヨブヨで汗もベタベタで分かりにくいが、大腹と小腹を比べると大腹が軟弱で虚しているので肺虚か脾虚である。

【奇経腹診】陽維脉の反応が出ている。

【脉状診】浮・数・実。

【比較脉診】肺脾が虚、心肝実、腎平。

【証決定】総合的に判断して肺虚肝実証。

【適応側】患側は右だが耳前動脈が右の方がどう転んでも浮いてハッキリしているので右側とした。

【本治法】右の経渠と商丘を補う。肝の邪実に対して左の太衝から弦実に応じる瀉法。検脉すると胆経にも邪が浮いてきたので患側の右胆経の懸鐘に堅に応じる補中の瀉法。

これで脉に和緩が得られたので、具合を聞くと少し痛みが和らいだとのこと。

【補助療法】宮脇奇経治療、右外関-右臨泣に金銀粒を貼付し自宅でドライヤー灸でセルフケアをするように指示。

【標治法】右患側の腋窩に示指を当てそれを支点に母指で第2肋間ぐらいの高さで胸筋をつまんで鎖骨鳥口突起の方に上がるまでにある反応点(前腕から先の全ての痛み痺れに有効。※詳しくはONEのサイトメニュー/疾患別治療法の運動器疾患の項を参照してください)にパイオネックスを貼付。

さらに痛みが楽になる。


事前に医療先行してくれているので安心して治療をすることができます。

もし、手首の痛みで中々治らない場合はキーンベック病の可能性があるので専門医を紹介すべきです。

そしてこの病気は原因不明で進行性ですから、生命力を高めてそれに負けない体にすることが治療の中心となります。

そして対症療法がとても大切です。

痛みが楽になれば日常生活の助けとなります。