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breath works _ 「 呼吸」

ことばにふれること。

2017.09.26 23:42


久しぶりに見たいドラマができた。

私はテレビを見ない生活なので、母からの情報で、朗読がテーマだというのだ。

とても気になってみることにした。

1回目は地震の速報で中断されてしまったとのこと、私は2夜目で初回を見ることができた。

主人公の中には、ぽっかりと穴が空いている。


私の中にも空っぽの感覚が前からあり、そこを埋めようにも、埋まることがない。

主人公を知れば知るほど、私に似ている気がしてくる。

彼は久しぶりにぽっかりが満たされる感覚になる。

それが、きょうこさんの朗読の声だった。


内容に触れるのはここまでにして、

最近の私のテーマが、文章を声に出して読む。


自分の声が一番自分を癒す。

そしてそれは

美しいことばや、素敵なことばほど良い。

まずは

最近本を出版された窪田さんの〔汀の時〕

雨の歌から始まる短歌の本

雰囲気のある深い感慨のある美しいことばたち。

最後の透き通っていく流れが好きだ。

読み終えた後、心は波のない湖畔のように静けさに包まれた。


ある時、職場でお熱のある子が布団に眠れずに動き回るので、本を読み聞かせようとなぜとなく思った。

3歳の子はじっとできなかったが、本に少し興味を持ってくれた。

まずはレオレオニのカメレオンの本。

たくさんの色のある本で、次々にカメレオンが色を変える。

しかしその子はどの色も〔あお〕と呼ぶ。

あおが好きなのだと、今度はあおちゃんときいろちゃんを見せる。小さいあおちゃんは自分だといい、大きなあおちゃんはママだという。

まだ、眠る気配はない。

今度は、真っ青な表紙の〔Shh!〕を選んだ。

ゆっくりと読む。

ゆっくりとページをめくる。

彼女も気に入ったようでうつ伏せになり、斜めに見ている。

最後までいって、「もういちど」というので、またはじめから読み始めた。

しばらくすると、まばたきがゆっくりになりいつの間にか寝むった。

子どもの寝顔

ことばに包まれる感覚

この満たされた心はなんだろう。

一瞬の狭間の多幸感。


一息ついてまた、仕事の現実に戻る。


新しい感覚に出逢った瞬間だった。