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AVRIL 25th Anniversary Special Site

〈COLUMN〉‐𠮷川 紀代子さん‐に聞くAVRILの糸の使い方

2018.03.05 07:00

どんな風にAVRILの糸を使っているのかを紹介していくコラムです。


和菓子やケーキ、野菜、ハム、果物など、食べ物や食材を “編む”、毛糸料理作家の𠮷川 紀代子さん。

作品集「毛糸料理」には、和・洋・中さまざまな料理が並びます。

天ぷら、スズキの香草焼き、ローストビーフ…。どれも見れば見るほど繊細で、おいしそう。糸で編まれたとは思えないものばかりです。



唐辛子のピアスやさやえんどうのブローチ。小さくても細かい色使いが効いています。

さやえんどうの“ツル”の部分も、ちゃんとくるくるっとウエーブしていたりと表現が丁寧で細やかです。



AVRIL25周年の企画展では、そのリアルさに、たくさんの方が驚いていました。

お盆にきれいに並べられた和菓子の姿は、圧巻の存在感でした。



【𠮷川 紀代子さんにお聞きしました】

‐AVRILの糸をどのように使っていますか?‐

「AVRILさんの糸はきれいなので、作りたいものが浮かぶまでは

たくさん買ったものを並べて眺めています(笑)。

作りたいもののイメージにぴったりくるものをずっと探しているんです。

“コルクシェニール”や“ポリモール”は、和菓子のきんとんに見立てて編んでいます。

中の餡も、作っているんですよ。

きんつばを作った時なんかは、薄い生地をどう表現しようかなぁって考えて、餡を作ってから、中の餡が透けて見えるように、うすい和紙を使ったりしましたね。


ぴったりくる糸に出会ったときはこれだ!!と思います。なかなか見つからないんですけど。天ぷらの衣を表現する糸をずっと探していた時に、AVRILさんで “ドロップ” を見つけた時は『これだ!!』って思いました。ドロップを編んだ時のぽこぽこした表情が、もう私には衣に見えるんです(笑)。

色に関しては、もともと手描き友禅で染めの仕事をしていたから、出せない色はないんですけど…」

という吉川さん。

ほとんどの色は自分で染めているそうです。すごいことです。

それをグラデーションに編んだりと、見たものの表情に近づけているのだそう。

とうがらしが緑から赤に熟している様をきれいなグラデーションで表現しています。



「形にするのはすっごく大変です。頭の中では作りたい形があって、もう少し太くしたいなと思ったら、他の糸を合わせて編んだりと、イメージの形に近づけていきます。ああでもない、こうでもないと、編んではほどいて大変です。編み図はもっと大変です (笑)。」


お料理するのも好きな吉川さんならではの糸の使い方です。



‐AVRILを知ったきっかけは何ですか?‐

「北山にお店があるのを知って、こんな糸があったんだ!!って、他にはない個性的な糸ばかりで感激しました。

そこから三条のお店、上賀茂の本社と通わせてもらっていました。なので…20年位にはなりますかね。」



𠮷川 紀代子

毛糸料理作家

京都府生まれ。デザイン学校を卒業後、手書き友禅の仕事を約20年手掛ける。

1987年「クレエの森」ニードルワーク入選

1996年「毛糸だま」2月号「たんとめしあがれ」入選

    同8月号「たんとめしあがれ」名コック賞

1998年 家庭画報大賞審査員特別賞、玉村豊男賞

2000年 玉村豊男著「回転すし世界一周」表紙作品制作、家庭画報大賞審査員特別賞

     江上栄子賞、帝国ホテル賞

2002年「毛糸料理」作品集を東方出版より出版

            同年1~12月号の「ミマン」(文化出版局)をはじめ

          「おしゃれ工房」「家庭画報」「創作市場」など雑誌の掲載も多数、

           デンマークのニット本「ガブストリッケ」でも紹介された。

2009年 日本開催の「北欧ニットシンポジウム」で講師を務めるなど、

            ワークショップ活動も行っている。

2017年「家庭画報」6月号掲載 辻村深月エッセイのためのオブジェ制作