”ゴミ”と”循環”
5’st一級建築士事務所
久保田恵子
新しい年みなさま如何お過ごしでしょうか?
今年の干支は“壬寅(みずのえ・とら)”。干支は十干と十二支の組み合わせからなり、同じ組み合わせはなんと60年後、還暦ですね。2022年の60年前というと1962年。どんな時代だったか調べてみると、ビートルズやボブ・ディランがレコードデビュー、日本では橋幸夫&吉永小百合「いつでも夢を」のヒット、建築でいえば、ホテルオークラ(現在ホテルオークラ東京)や後楽園ホール・アテネフランセなどがその年に竣工されています。
と干支にちなんだはなしをしてまいりましたが、今回はゴミの循環のことを書きたいと思います。
2021年は東日本大震災からちょうど10年となります。この節目に人間の暮らしが生み出している
“ゴミ”について改めて考えるべく、ゴミ処理場の見学をさせて頂きました。
まずは、建築の産業廃棄物処理施設(石坂産業株式会社)、ごみをごみとしない社会『ZERO WESTE DESIGN』をビジョンに掲げている会社を訪問させて頂きました。
“混合廃棄物”(色々まざっているごみ)は、仕分けに手間がかかってしまうため、リサイクルが難しく通常埋め立てされてしまうことが多い中、積極的に受け入れを行い、持ち込まれたゴミのリサイクル率98%を達成されています。100%を目指して、設備投資を行ったり、丁寧に人の手で仕分けしているそうです。里山保存や、落ち葉堆肥、オーガニック野菜づくりなども行い、環境教育にも力をいれているので、ニュースになることも多いため、TVを通してご存じの方もいらっしゃると思います。しかし、報道で取り上げられることが多いことのうらをかえせば通常はこの取り組みは難しいということともいえるでしょう。
では、自分たちの暮らす町のごみ処理場はどうなっているのでしょうか?
訪問させて頂いてわかったことは、
高温で燃やしているので、ダイオキシンが出ないので環境に良い、と言われたりしますが、大きな問題は燃やした後の灰の処理でした。灰も埋め立てをしなくてはならず、場所の確保も難しいく、灰のリサイクルも高額になり簡単ではない。燃やせるからいいよね、という問題ではないようです。
ゴミ問題は、捨てたところで終わりではなく、みんなで考えていかなくてはならな問題だと改めて考えさせられました。機会がありましたら、ぜひ見学にいってみてください。
ごみをごみとしない社会づくり、急務です。
生産 → 消費 → 廃棄の一方通行ではなく、ごみとしない循環に。
生産者は循環できるものづくりを、生活者は(※消費者ではなく)ごみを減らす努力を行っていかなければなりませんね。
繊維ゴミを建材に変える取り組みや、生ゴミ堆肥づくり、昔ながらの量り売りを始める店舗も増えてきています。
思いやりの世の中に!
産業廃棄物中間処理場
里山再生