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八幡神社の若子祭

2022.01.10 08:14

先日、名張市滝之原で行われた若子祭を見学してきました。

若子祭りは、地区内で生まれてきた子供あるいは婿入り養子を若子として、成長や無病息災を願う行事です。その歴史は古く、700年以上前から続いているそうです。

弓引き神事では、八幡神社から田んぼの向こう側に向けて矢を放ちます。矢を射るのは、滝之原の中出、上出、下出の3つの小場からそれぞれから2人ずつ、あわせて6人です。山肌に的が設置されていますが、あえて的を外して空に向かって撃つのがならわしだそうです。


弓引き行事を動画で撮影したのでご覧ください。

地域の人たちで、子供たちを見守っていることを感じさせてくれるお祭りですね。



この祭りのはじまりについて、『なばりの昔話』という言い伝えを書き留めた本に描かれています。

平家の池禅尼(いけのぜんに)は、滝之原に山を所有しており、平家が衰退した後、平家の領地は源氏に没収されていきましたが、頼朝を助けたことがあった池禅尼の領地は没収されませんでした。滝之原には八人衆と呼ばれる源氏から逃れてきた平家の家臣がいて、弓引行事は代々この八人衆によって行われてきたそうです。滝之原には池禅尼の石塔が残っていますが、この石塔を立てたのも八人衆と言われています。

こうした歴史を鑑みると、平氏が追いやられていく中で、子孫繁栄を願う当時の思い引き継がれ、形を変えながら今の若子祭となったのではないかと想像します。


脈々と続いている年中行事。これからも長く続いてほしいです。