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「第二の家」ブログ|藤沢市の個別指導塾のお話

目覚めは突然やってくる〜STUDY☆QUEST怒涛の第5話〜

2017.10.04 15:00


これは読んで学ぶRPG風のお話です。

物語を楽しみながら、各科目の勉強法や、勉強力STAR勉強法について理解いただけたら幸いです。


【STUDY★QUEST 過去のお話】

1 はじまりの物語

2 襲いくるモンスター

3 勉強力を上げる3つの修行

4 魔王城に待ち構えるボスキャラクター達


【STUDY★QUEST 前回までのあらすじ】

これは突然異世界に飛ばされた成績オール3以下の中3男子が勇者になるお話。旅の仲間は、勉強の精霊スターマン(嫌な奴)と美少女シンシア(可愛い)と大賢者モンテスキュー(おじいちゃん)。 この世界では【勉強力】と呼ばれる力が戦いを左右する。前回、勉強力を上げる3つの修行へ身を投じた主人公。はたして勇者の勉強力は上がるのか!?そして、この謎多き世界を救うことができるのか!?  





STUDY ★ QUEST
第5話「急展開」



僕らはレベル上げをしながら城へ向かっていた。


3つの修行「姿勢を良くする」「成功体験を積む」「スモールステップ」を繰り返すことで、僕の勉強力は飛躍的に上がっていた。只今の勉強力、31。うん、飛躍的。なんと当初の6倍以上だ。


また、スモールステップで成功体験を積むことで、「やればできる」という気持ちを少しずつだけど感じることができた。精神的にも、この世界へやってきてからの激動の展開にも慣れてきた。モンスター達の登場も今では余裕を持って対応することができる。



【モンスター出現!】ツミカサネカモク

勉強力230
数学や英語に代表される「前の単元がわからないと次の単元もわからない」科目を司るモンスター。
身体はスフィンクスっぽい。顔は獣。



死ぬ。


すぐさまシンシアが魔法で攻撃するが全然効かない。シンシアの勉強力はちょっとレベルアップしたと言っても130程度。大賢者モンテスキューは旅の疲れで熱中症気味。スターマンはどこかへ行ってしまった。これってピンチじゃないか。


ツミカサネカモクが口から「小数分数ストーム」を吐き、シンシアと大賢者が吹き飛ばされた。残るは僕だ。ギロリとこちらを向くツミカサネカモク。思わず後ずさりをする。後ろを向けば倒れ込んでいるシンシアと大賢者。僕が守らなくちゃ。自分でも甚だ意外だが、そんな気持ちが湧き出てきた。


僕はツミカサネカモクの方を向き直した。睨み合う僕と敵。ガルルと向こうが唸ったタイミングで、僕は精一杯の力を込めて殴りかかった。ポス。ダメージを負ったのはむしろ僕の拳の方だった。心なしかツミカサネカモクは得意げにしている(ように見える)。


今度は敵が大きく振りかぶる。あ、終わったかも。僕はほぼ無意識にしゃがむ。運良くツミカサネカモクの大きな手が僕の頭上をかすめていった。ギロリ。こちらを睨んだツミカサネカモクの目が光る。


たまらず僕は逃げ出した。勢いよく走り出した視界の先に、
倒れたままの二人の姿が映った。



「このまま二人を置いて逃げていいのか?勇者」



それは他の誰でもない自分から自分への問いかけだった。

今まで生きてきた中でほぼ初めて、僕は迷っていた。誰かのために。



今まで僕はほとんど認められたことなんてなかった。

親からも先生からも、もちろん友達からだって。

でも、彼らはそんな僕を信じてくれた。

僕が成功体験を積む度、一緒になって喜んでくれた。

そんな二人をおいて、逃げるのか?

僕は勇者なのに。違うかもしれないけれど、

勇者と信じてくれている人がいるのに。



「信じてくれる人がいる」その響きが僕を奮い立たせた。



僕は足を止め、
敵の方を向き直った。呼吸はだいぶ乱れているし、足はガクガク震えている。でも、逃げるわけにはいかなかった。敵が僕を見る。心なしか笑っているように見える。ふん、と鼻息をあげ、ガルルル、と唸った。怖い、怖い、怖い。でも。それでも。



僕は勇者だ。

世界を救うのは、僕だ。



僕は敵を睨んだ。相手ももちろん僕を睨んだ。のそりのそりと向かってくる。やってやろうじゃないか。僕も足を踏み出す。それに、これは夢の世界。ここでどうなろうが、僕はきっと死にはしない(だろう)。その開き直りが余計に僕を奮い立たせた。



「おおおおお」と精一杯の声を上げ、勢いをつけて僕は敵に突っ込む。



奇跡が起こったのは、そのタイミングであった。



相手の一撃に備えようと僕が腕を前に出した瞬間、突然僕の両腕は光り出し、とてつもないオーラを帯びた。そしてその光は僕が腕を突き出すのと同時に、一閃、光の矢となって飛んだ。


轟音とともに僕の身体から発射された光の矢は、瞬間でツミカサネカモクを突き抜け、天まで達し、彼方へと飛んでいった。身体に穴が空いたツミカサネカモクは、もちろんだが絶命し、今までの他のモンスターと同様、じんわり消えていった(そういう設定らしい)。


まさに会心の一撃。だが、どうしてこんなことが起こったのか僕自身にもわからず、僕はその姿勢のまま立ち尽くしていた。ぽかんとしながら。



「ゆ…勇者の光の矢…」

唯一、ちょうどのタイミングで散歩から戻ってきたスターマンがそんな言葉を呟いたのだけが聞こえた。




超展開。続く。